“行動制限なしの夏休み”旅行や帰省の判断と注意を専門家が伝授

新型コロナ第7波の今、パパママ、子どもたちが知っておきたいこと #1~家族旅行と新型コロナ~

国際災害レスキューナース:辻 直美

実家目前で体調不良! あらかじめ決めておきたい「中止」の条件

さらに、あらかじめ家族で話し合い、決めておきたいのが「旅行(帰省)を中止するとき」の条件だと言います。

コロナ禍になってからよく見かけるようになった「高熱など体調不良があるときは、参加をお控えください」というメッセージ。

これが“言うは易し、行うは難し”の典型で、自分のこととなると「大したことではない」「これぐらいなら大丈夫」と判断を誤りやすくなりがちです。

「今回のBA.5は発熱と咳、のどの痛みの症状が多く見られ、夏風邪とよく似ています。『エアコンをつけっぱなしで寝ていたから調子が悪い』と言っていた人が実は、新型コロナ陽性だったというケースが後を絶ちません。

お金や時間をかけて、ようやく実家に着くというタイミングで、子どもたち、あるいは自分たちに微熱があるとわかったとき、引き返すのは想像以上に大変なことです。家族の誰かひとりでも反対する人がいれば、気持ちは揺れるし、根拠のない『きっと大丈夫だよ』という発言にすがりたくなります。

でもその結果、一家全員が感染し、高齢の祖父母を命の危険にさらす可能性もあります。災害時もそうですが、危機的状況に直面してから考えようと思っても、パニックになって考えられないものです。

『熱が37.5℃以上あったら、水分をとったうえで再度検温。それでも変わらない場合は、旅行(帰省)をとりやめて帰宅する』など、あらかじめ家族でルールを決めておきましょう。

このとき、親が一方的に決めるのではなく、子どもたちもまじえてみんなで話し合い、“我が家のルール”とすることも大切です」

辻 直美(つじ・なおみ)
国際災害レスキューナース。まぁるい抱っこマイスター一般社団法人「育母塾」代表理事。1991年から看護師として、災害レスキューナースとしては1995年から活動。現在はフリーのナースとして、講演活動や防災教育のほか、子育てに悩むママをサポートする「育母塾」の代表としても活躍し、母親たちから絶大な支持を得る。著書多数。

取材・文/島影真奈美

12 件
つじ なおみ

辻 直美

国際災害レスキューナース

国際災害レスキューナース。まぁるい抱っこマイスター一般社団法人「育母塾」代表理事。阪神・淡路大震災で実家が全壊したのを機に災害医療に目覚める。1991年から看護師として、災害レスキューナースとしては1995年から活動。 現在はフリーのナースとして、講演活動や防災教育などを行っているほか、子育てに悩むママをサポートする「育母塾」の代表としても活躍。子育て中の母親たちから絶大な支持を得る。 『レスキューナースが教える プチプラ防災』(扶桑社)、『レスキューナースが教える 新型コロナ×防災マニュアル』(扶桑社)、『防災クエスト』(小学館)など著書多数。最新刊の『プチプラで「地震に強い部屋づくり」』(扶桑社)は2022年8月10日発売。 Twitter:@tobecoolnao Instagram:nao_saigairescue You Tube:プチプラ防災LABOちゃんねる

国際災害レスキューナース。まぁるい抱っこマイスター一般社団法人「育母塾」代表理事。阪神・淡路大震災で実家が全壊したのを機に災害医療に目覚める。1991年から看護師として、災害レスキューナースとしては1995年から活動。 現在はフリーのナースとして、講演活動や防災教育などを行っているほか、子育てに悩むママをサポートする「育母塾」の代表としても活躍。子育て中の母親たちから絶大な支持を得る。 『レスキューナースが教える プチプラ防災』(扶桑社)、『レスキューナースが教える 新型コロナ×防災マニュアル』(扶桑社)、『防災クエスト』(小学館)など著書多数。最新刊の『プチプラで「地震に強い部屋づくり」』(扶桑社)は2022年8月10日発売。 Twitter:@tobecoolnao Instagram:nao_saigairescue You Tube:プチプラ防災LABOちゃんねる

しまかげ まなみ

島影 真奈美

介護ジャーナリスト

介護ジャーナリスト。一般社団法人マリーゴールド理事、NPO法人タダカヨ理事。編集・ライター業の傍ら大学院に進学し、「老年学」を学び始めた矢先に、夫の両親の認知症が立て続けに発覚。現在も仕事×研究×介護の三つ巴生活を送る。介護分野の取材・執筆、プレ介護者・介護者向けのセミナー・講演を精力的に行う。 著書に『子育てとばして介護かよ』(KADOKAWA)、『親の介護がツラくなる前に知っておきたいこと』(WAVE出版)など。 Twitter @babakikaku_s

介護ジャーナリスト。一般社団法人マリーゴールド理事、NPO法人タダカヨ理事。編集・ライター業の傍ら大学院に進学し、「老年学」を学び始めた矢先に、夫の両親の認知症が立て続けに発覚。現在も仕事×研究×介護の三つ巴生活を送る。介護分野の取材・執筆、プレ介護者・介護者向けのセミナー・講演を精力的に行う。 著書に『子育てとばして介護かよ』(KADOKAWA)、『親の介護がツラくなる前に知っておきたいこと』(WAVE出版)など。 Twitter @babakikaku_s