【子どもの目 誤解と新常識】「わが子の視力が悪いのは遺伝だから仕方ない」◯か✕か?

【子どもの近視予防】◯✕クイズ #1~近視の遺伝~

眼科医、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO:窪田 良

子どもの目に関する知識、それってホントに合っている? まさに“目からウロコ”の回答が続出です!  写真:アフロ

10月10日は「目の愛護デー」。目の健康について考えてみましょう。

2023年秋、小中高生の裸眼視力が過去最低を更新したというショッキングなニュースが報じられました。文部科学省の2022年度学校保健統計調査(※1)によると、裸眼視力が1.0に満たない子どもの割合は、小学生で約38%、中学生で約61%、高校生では約72%と過去最多に。子どもたちの視力低下は、深刻な問題なのです。

眼科医の窪田良先生は、「近視は治療が必要な『病気』である」と語ります。

近年の研究で、近視は将来的に失明につながりかねない病気を引き起こすリスクを増やすことが明らかになりました。その一方で、近視は「予防」ができ、進行を「抑制」もできるのです。目が悪くなってしまったからメガネをかけて終わり、ではないのです。

「虫歯と同様に目も“近視予防”が大切」と説くのは、窪田先生。子どもの目に関するクイズで、世界基準の正しい目の情報をお伝えします。

●PROFILE 窪田良(くぼた・りょう)
眼科医、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO。「世界から失明を撲滅する」ことをミッションに掲げ、眼疾患に関する研究開発を行う。近著に、『近視は病気です』(東洋経済新報社刊)。

「近視は遺伝だから仕方ない」とよく聞くが?

「10歳の子どもが学校の視力検査で【C】判定(0.6~0.3)に。『要対策』の通知をもらってきました。両親ともに近視なので、ついに……という感じ。親が近視の場合、子どもの目が悪くなるのは遺伝で仕方のないことですよね」(Tちゃんママ・41歳)

この相談にDr.窪田こと、窪田良先生の答えは?

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