家の中で子どもを撮影 何度も見返したくなる写真の秘訣とは?
いつもの写真が見違える! 子どもの一瞬を逃さない写真の撮り方#4
2021.10.20
シーン別「撮影のちょっとしたコツ」
では、お家で子どもを撮るときの「シーン別」の撮影のコツを紹介していきます。
逆光の窓際で遊んでいるとき
窓際は自然光が多く明るいのですが、「撮影しようとしたら逆光で子どもの顔が暗くなってしまった」という経験はないでしょうか。
この場合も明るさ調整をすれば問題ありません。
しかし今までの失敗から、逆光の撮影を苦手に思うママやパパはいるかもしれません。
「でも実は、逆光っておすすめの撮り方なんです。逆光を活かすと、お肌はふんわり、髪の毛の輪郭はキラキラとして写ります。プロのカメラマンもあえてそのシチュエーションを作る場合もありますよ」(吉野さん)
撮影するときの光の向きとして、逆光(背中から光を当てる)、半逆光(ななめ後ろから光を当てる)、順光(カメラの方向から光を当てる)、サイド光(横から光を当たる)などがあります。
そのなかでも「窓を背にした逆光の撮影」は分かりやすいので、ぜひ試してみてください。もちろん、撮影前と撮影後の明るさ調整は欠かさずに行いましょう。
また、自然光での撮影なので、部屋の照明は消しておくこともポイントですね。
寝ているシーンを撮るとき
お昼寝の場合は、自然光が入る部屋なら、撮影のときだけでも光を入れて撮るのがいいでしょう。しかし、夜に寝室で寝ている子どもを撮るときは、かなり暗く写るため、明るさの調整は必須です。
「夜のお寝んねのシチュエーションは暗さがマックスなので、スマホのカメラで撮影前と撮影後に明るさ調整をします。
『フラッシュを使った撮影』はおすすめしません。なぜなら、フラッシュは顔の色が飛んでしまうし、寝ている子どももまぶしくなってしまうからです。
明るさを確保するなら、移動できる間接照明を子どものお顔のそばにもってくるなど、工夫ができるといいですね」(吉野さん)
スマホカメラに「ナイトモード」などがあれば、その機能を使うのもいいでしょう。
また、寝ているお顔を撮る場合も、目のあたりにピントを合わせます。スマホ画面の「子どもの瞼の部分」をタップし、ピントを調節しましょう。
生活感がでないように撮影するとき
写真は引き算で考えることが基本です。「何を写して、何を写さないか」を考慮するとキレイな一枚に仕上がります。
「お家での撮影は家具など、いろいろなものが写り込んでしまうと思います。しかし、余分なものを写すとそこに目がいってしまう可能性があるため、できるだけ排除するのが好ましいです。
ギュッと子どもに寄って撮影するなど工夫をして、『写したい物のみ』が入っている状態が理想ですね」(吉野さん)
工夫の一つとして、子どもの目線と同じ高さにカメラを持ってきて、周辺の家具があまり入らないように撮ってみるのもいいでしょう。
赤ちゃんの場合は、じゅうたんにカメラを乗せるくらい低い位置から撮るのも手です。
「ママやパパの肘を床につけて子ども目線の高さに合わせたり、あおるように撮ったりすると、壁や天井だけが写り、床に散らかっている物は写りません。
スタジオジブリのアリエッティのように、下から少し見上げる感じにすると、子どもの表情もイキイキ見えて、魅力的な写真になります」(吉野さん)
背景のおすすめは白い壁や白いレースのカーテン、ラグなど。テレビやタンスなどは入らないほうがキレイです。
動き回る子どもを撮影するとき
動き回る子はそれでなくても撮影しにくいのですが、うす暗い部屋ではさらに撮るのが難しくなります。ピントが合わなくなってしまうからです。
自然光の入る、明るい場所で撮るのが一番ですが、難しい場合は「照明をつけて、連写で」撮りましょう。
屋内外問わずに子どもの魅力的な写真を残していこう
屋内での撮影も「ちょっとしたコツ」でいつものスマホ写真が見違えるようになります。「お家ではいい写真は撮れない」と諦めていたママやパパも、ぜひ「明るさ調整」や「逆光の撮影」にチャレンジしてみてください。
屋外で撮った写真とはまた違った魅力的な一枚が撮れるはずです。
屋内外に関係なく、気軽にスマホで「子どもの成長を写真に残せる」ことは本当に楽しいこと。将来、何度見返してもうれしくなるような写真を残していきましょう。
取材・文/斉藤カオリ
吉野 陽子
一般社団法人ママフォトグラファーアカデミー(MPA)代表理事。姉妹団体「ロイヤルセラピスト協会(RTA)」会員。1男3女の4人の子どもを育てながら保育士資格やRTA認定ベビーマッサージ・ファーストサイン・ファーストトーク講師資格取得。 ベビーマッサージの先生だからこそ撮ることのできる、赤ちゃんの個性を大切にしたベビーフォト・ニューボーンフォトを撮影するママフォトグラファー。監修に携わった本に『ママはみんなベビグラファー 我が子を世界一かわいく撮る方法』(合同出版)、『ココロもカラダもすくすく育つ!親子のふれあいベビーマッサージ』(東京書店)がある。
一般社団法人ママフォトグラファーアカデミー(MPA)代表理事。姉妹団体「ロイヤルセラピスト協会(RTA)」会員。1男3女の4人の子どもを育てながら保育士資格やRTA認定ベビーマッサージ・ファーストサイン・ファーストトーク講師資格取得。 ベビーマッサージの先生だからこそ撮ることのできる、赤ちゃんの個性を大切にしたベビーフォト・ニューボーンフォトを撮影するママフォトグラファー。監修に携わった本に『ママはみんなベビグラファー 我が子を世界一かわいく撮る方法』(合同出版)、『ココロもカラダもすくすく育つ!親子のふれあいベビーマッサージ』(東京書店)がある。