子どもと読みたい「お仕事漫画」5選 ゴミ清掃員・産科医・ケースワーカー…「お仕事」を学べるエンタメ漫画!〔マンガミュージアム学芸員が厳選〕

京都国際マンガミュージアム学芸員・倉持佳代子さんに聞く「お仕事漫画」 #3 人とかかわる仕事が学べる漫画5選「ハコヅメ」「健康で文化的な最低限度の生活」「ゴミ清掃員の日常」「コウノドリ」「ナースのチカラ」

京都国際マンガミュージアム学芸員:倉持 佳代子

2.健康で文化的な最低限度の生活

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『健康で文化的な最低限度の生活』©柏木ハルコ(小学館)

あらすじ
新卒公務員の義経えみるが配属されたのは福祉事務所。ケースワーカーとして生活保護にかかわる仕事に就き、生活に困窮する人々の暮らしを支援することに。日々奮闘するえみるや就労支援に奔走する同期たちの姿を描くほか、“生活保護の不正受給”“子どもの貧困”など、現代の日本が抱える問題を浮き彫りにする社会派作品。

倉持さん:『健康で文化的な最低限度の生活』は、ケースワーカーのお仕事漫画です。“生活保護”という言葉には、ややネガティブなイメージが付きまといますが、本当に困っている人がいて、生活保護が誰にとっても“命を守る最後の砦”ということがよくわかる作品です。

読むことで、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」(日本国憲法第二十五条)という言葉の意味を、深く理解できると思います。

『健康で文化的な最低限度の生活』2巻50ページ。
『健康で文化的な最低限度の生活』2巻51ページ。「この仕事をわかっているつもりで、わかっていなかった、と主人公がハッと気づかされる場面が印象的。ケースワーカーという仕事の本質が伝わります」(倉持さん)。

倉持さん:また、ケースワーカーは、法律に精通していなくては務まりません。どのケースがどの支援に該当するかなど、専門知識が問われます。しかし、その豊富な知識だけでは救えないこともあります。

その人を見る、その人の人生にいかに耳を傾けられるかが大事、という主人公の先輩の教えは、ケースワーカーという仕事に限らず、すべての仕事、すべての人とのかかわり方に通じるものではないでしょうか。

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