子どもと読みたい「お仕事漫画」5選 ゴミ清掃員・産科医・ケースワーカー…「お仕事」を学べるエンタメ漫画!〔マンガミュージアム学芸員が厳選〕

京都国際マンガミュージアム学芸員・倉持佳代子さんに聞く「お仕事漫画」 #3 人とかかわる仕事が学べる漫画5選「ハコヅメ」「健康で文化的な最低限度の生活」「ゴミ清掃員の日常」「コウノドリ」「ナースのチカラ」

京都国際マンガミュージアム学芸員:倉持 佳代子

4.コウノドリ

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『コウノドリ』著:鈴ノ木ユウ(講談社)

あらすじ
主人公は産科医として働きながら、天才ピアニスト“ベイビー”としても活動する鴻鳥(こうのとり)サクラ。緊急帝王切開、切迫早産などさまざまな出産に向き合い、母子の命を守るために日々奮闘する姿を描く。

倉持さん:産婦人科医についての漫画はほかにもたくさんありますが、これほど多様な症例を取り上げ、細やかに描いた作品はありません。

妊娠・出産は希望と絶望が表裏一体。ラクなお産なんてないし、奇跡の連続なのだと唸らされます。母子を守る医師たちの奮闘はもちろんですが、現代社会の医療の問題などにも触れてるほか、出産に伴う命の尊さや家族の絆への気づき、医師たちの人間ドラマ、主人公の過去なども物語にふくらみをもたせていて読み応えがあります。

ドラマ化もされていてすでに有名な作品ですが、多くの人に読んで、命にかかわる仕事の尊さを知ってほしい作品です。

『コウノドリ』11巻39ページ。
『コウノドリ』11巻40ページ。「産科は『生と死が壁一枚で隔てて存在する』場所です。日々さまざまな感情に心を揺さぶられながらも、仕事をまっとうする主人公の姿に心が震えます」(倉持さん)。
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