おうち英語で「国産バイリンガル」&塾なしで「東大合格」の育児法 乳幼児編

バイリンガル育児の第一人者〔お金・学歴・海外経験なし〕伝説の“3ナイ主婦”タエさんに学ぶ①

小和野 薫子

日常にうまく学びを取り入れ 赤ちゃんせんべいが算数になる

「赤ちゃんに話しかけてもわからないじゃない? なんて言われることもありましたが、やってみたら伝わるものなんですよ。

生後何ヵ月ころかは忘れてしまったけれど、半分に割った赤ちゃんせんべいを、どっちが欲しい? と聞いたら、片方を指差して「おっき!」と返ってきたんです。

そしてそれが本当に大きい方で、息子はそちらを選んで取りました。そのときに、うーわ! 大きい方をちゃんとわかってるんだ〜と感心して、これって算数だわ、いちばん最初の算数だ! と思いました。だって、どっちが大きい? っていう問題、小学校で出てきますよね? やっぱり、この子は言葉がわかっているんだ、という確信が持てた瞬間でした。

今、同じことをうちで飼っている犬に聞いたとしても、絶対に大きい方を取らないですよ! まず近くの方を食べて、そして遠い方も食べようとするでしょうね」

大好きな赤ちゃんせんべいだって算数になる!
イメージ写真:yuu /PIXTA

子どもは遊べば遊ぶほど賢くなる

――そうして毎日、賢い子を育てることに励んでいたというタエさんですが、息子さんを幼児教室などに通わせようと思ったことは一度もありませんでした。それは、小学校に入学してからも変わることなく、息子さんは一度も塾や通信教育などを受講していません。

「うちはひとりっ子なので、まずコミュニケーションを学ばせなきゃいけないと思っていました。だから、会話にならない幼児期から常に私は話しかけ続けていたんです。

そして、幼稚園時代も小学校にあがってからも、息子に一番に優先させたのは友だちと遊ぶ時間でした。それに……なんでかはわからないけど、遊べば遊ぶほど賢くなると思っていたんです。

だって幼児って、日々やることといえば遊ぶことですよね。ご飯​を食べる、寝る以外はずっと遊んでいる。それで、歩けるようになり、話せるようになり、小学生になって勉強をはじめるわけですから」

――タエさんの育児法はすべてオリジナル。それは、とにかく息子さんのことを考えて考えて、観察し思い続けるなかから生まれているんですね。

「そんなに凄いことを毎日やっていた感覚はないんですよ。全部思いつきなんです。元々計画を立てるのが好きな性格で。自分のことは守れたことはないですけどね。息子のためならできたんです」

子どもにぼーっとする時間を与えない

――入園前のタエさんと息子さんの日課は、朝10時には散歩に出て、友達に会えたら思いっきり公園で遊ばせることでした。朝10時といえば、大多数の主婦は家事がひと段落ついて、やっと座れる!とコーヒーを淹れているころだと思います。

「確かにそのころは、私すっごくがんばっていたかもなあ。子どもと1日中一緒に過ごしながら、朝に家事をして、その流れの中でお昼のお弁当も作っておく。10時までには家を出るって決めていて、呪われたように、追い立てられて、「行かなきゃ!」と飛び出ていました。それに午後も、毎日お友達を家に誘っていいということにしていたので、私がゆっくりする暇はなかったかもしれません。

とにかく、幼児の仕事は遊ぶこと、遊べば遊ぶほど賢くなると思っていたので、裏を返せば、子どもが遊んでいないときは何もしていないということになる。それはよくないな、と。なるべくぼーっとした時間を作らないように、とにかく遊んで日々刺激を受けてほしかったんです」

英語、日本語ともにたくさんのワクワクする本を読ませていた

――その効率的な、いや、息子さんファーストの1日のスケジュールは、息子さんが小学校にあがってからも続いたと言います。

「小学校に入ってからも、子どもが学校にいっている間に夕飯の用意まで終わらせていました。息子は、学校から帰ってきたら、本を読んでいるか、遊びにいくか。その間に私は、お風呂の用意を済ませておきました。息子が帰ってきたら、すぐにお風呂に入れるように準備していたんです。

とにかく、「お風呂準備中だから、ちょっと待って」「ご飯は作っている途中だから、もう少し待って」って言わなくて済むように、すぐお風呂に入れるし、すぐご飯を出せる状態に整えていました。

あとは、とにかく本を読ませていました。本をたくさん読んでいたのがよかったのかな〜とは思います。英語、日本語ともに、たくさん、好きなだけ。英語は、“英語ができるようになる本”じゃなくて、“ワクワクする洋書”を読ませておけば英語もできて賢くなるのではないかと思います」

――息子さんは本当に幸せものですね。

「息子は全く喜んでいないですよ〜。それが当たり前だと思っていますからね」

ワクワクする本を好きなだけ読む時間が「賢い子」を育てる
イメージ写真:Paylessimages/イメージマート

働かないで子どもの面倒をずっと 見ていられる、専業主婦は贅沢

――そうですよね。どんなに親が子どものためにがんばっても、それは当たり前になってしまう。手応えもないし、英語育児に限っても成果はすぐに見えない。そんな幼児期にがんばる原動力は何でしたか。例えば、タエさんは、自分の時間が欲しいなどと思うことはなかったのでしょうか。

「専業主婦ですからね〜、大変とは思うことはなかったんですよね。ストレスもたまらなかったし、元々買い物とかもあまり興味がないし……。それに子どもは、可愛いじゃないですか。贅沢はしていなかったけど、あたたかい家で暮らせて、ご飯が食べられる。働かないで1日中子どもの面倒をみていいって、贅沢な話だなあ!と、思っていましたね。
子育て中は楽しかったです。すっごく。今でも子どもは可愛いけれど、でもやっぱり幼児期が楽しかった!」

ワーキングマザーがタエさんのような育児をするには?

――読者の中にはワーキングマザーも多いのですが、子どもと過ごす短い時間の中でできることは、何が有効だと思われますか。

「私は時間だけはたくさんあったので、大変だろうなと想像しかできません。でも、時間は誰もに有限なので、ないものはない。あるものを使って精一杯やるしかないのではないでしょうか。英語育児に限って言えば、かけ流しなら、全部“ながら”でできます。移動中の車内、食事中、朝の身支度の時間に英語を聞かせる。それを習慣づけて毎日やれば、結構な時間になると思いますよ」

大阪の明るいお母さん、タエさんから学ぶことは多かった

いかがでしょうか。大阪の方のイメージ通りに明るく、ユーモアを交えて物腰柔らかに話すタエさんの人柄が伝わったと思います。しかし、その柔らかな口調でやっていたことはすごかった……!! 学習を始める前の日常生活から、私は改善していく必要がありそうです。

次回は、いよいよ英語育児について、詳しくうかがいます。

『お金・学歴・海外経験 3ナイ主婦が息子を小6で英検1級に合格させた話』

次回は、英語育児についてくわしくおうかがいします。

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おわの かおるこ

小和野 薫子

ライター

1980年生まれ。読者モデルから、雑誌『ViVi』のファッションライターに。結婚後、メキシコ、ペルーに3年間暮らす。 2人の子を持つ現在は、子育て記事を中心に執筆している。

1980年生まれ。読者モデルから、雑誌『ViVi』のファッションライターに。結婚後、メキシコ、ペルーに3年間暮らす。 2人の子を持つ現在は、子育て記事を中心に執筆している。