
〔齋藤孝流〕子どもの「語彙力」「教養力」が伸びる! 親も知りたい「利己的/利他的」「リテラシー」の使い方とは?
齋藤孝先生が解説する小学生向け新キーワード 3回目「利己的/利他的」「リテラシー」 (3/3) 1ページ目に戻る
2026.05.26
明治大学文学部教授:齋藤 孝
情報に流されない力「リテラシー」
一方、今の状況を理解して自分なりに判断するために必要なのが「基本的な能力」を意味する「リテラシー」です。
今の子どもたちは、テレビやSNSなどさまざまなメディアから発せられる玉石混淆(ぎょくせきこんこう)の情報に囲まれています。
例えば、ネットで「これで必ず成功する」といった情報を見たとき、それをそのまま信じるのではなく、「本当にそうかな」と考える、この姿勢を「ネットリテラシー」といいます。この「ネットリテラシー」という言葉を知っているだけで、子どもは「垂れ流しされている正しくない情報をただ受け取る」状態から、「一度立ち止まって考えて判断する」状態へと変わることができます。
言葉を覚えることはスタートにすぎません。その言葉を使って考えることで、子どもの世界は広がり、思考は確実に深くなっていくのです。
親子で同じ言葉を共有し、日常の中で使っていくこと
人とのかかわり方も、情報との向き合い方も、正解が一つに決まっているわけではありません。だからこそ、「どう考えるか」を支える言葉が必要になります。
子どもが迷ったとき、悩んだときに、「利己的と利他的、今の自分はどっちのバランスにかたむいているかな?」「その情報は本当に信じていいのかな?」と考えられるかどうか。その差は、日々の小さな言葉の積み重ねから生まれます。
言葉を知ることは、世界を正しく見るための準備です。そして、それを使って考えることで、自分で判断できる力へと変わっていきます。すぐに大きな変化は見えないかもしれません。それでも、親子で言葉を共有し続けることが、子どもの未来の土台を確実につくっていきますよ。
文/知野美紀子
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齋藤 孝
1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。専攻は教育学、身体論、コミュニケーション技法。 著書『声に出して読みたい日本語』(草思社)がシリーズ260万部のベストセラーに。 他、主な著書に『小学生から知っておきたい よのなかキーワード70 ——この1冊で語彙力・教養力がアップする!』(筑摩書房)、『「美味しい」から始める日本語「食」の語彙力』(河出新書)、『「わかってもらえない」がなくなる リーダーの語彙力ノート』(SBクリエイティブ)、『楽しく学んで、伝える力がグングン伸びる! こども「語彙力」ゲーム』(KADOKAWA)など。著書は約700冊。
1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。専攻は教育学、身体論、コミュニケーション技法。 著書『声に出して読みたい日本語』(草思社)がシリーズ260万部のベストセラーに。 他、主な著書に『小学生から知っておきたい よのなかキーワード70 ——この1冊で語彙力・教養力がアップする!』(筑摩書房)、『「美味しい」から始める日本語「食」の語彙力』(河出新書)、『「わかってもらえない」がなくなる リーダーの語彙力ノート』(SBクリエイティブ)、『楽しく学んで、伝える力がグングン伸びる! こども「語彙力」ゲーム』(KADOKAWA)など。著書は約700冊。