※2022/10/7 配信の記事です
【日本医師会・12月までの接種を呼びかけ】
新型コロナウイルスのオミクロン株に対応した、改良型ワクチンの接種が2022年9月20日から始まりました。日本医師会の釜萢(かまやち)敏・常任理事は、9月14日の会見で「12月までの早い段階で多くの人に接種を受けていただくことが極めて重要」と発言、年明け以降の感染拡大に備えるよう、年末までに接種を終える重要性を訴えました。
新型コロナウイルス第7波は、過去最多の感染者数を記録。妊婦さんが感染する件数も増えてきているといいます。
そこで、現役の産婦人科医で感染症医学にも詳しい茨木保先生に、妊婦と新型コロナウイルスについての、素朴な疑問をぶつけてみました。
「もし妊娠中に感染したら、胎児に影響はある?」「そもそも、妊婦はワクチンを打つことはできるの?」などなど、妊婦さんだけでなく、これから妊娠を希望する女性は必読のQ&Aです。
【合わせて読みたい】1回目の記事は こちら
【茨木保(いばらき・たもつ)1962年生。奈良県立医科大学卒。産婦人科医。いばらきレディースクリニック院長。1987〜1989年、京都大学ウイルス研究所で発癌遺伝子の分子生物学的研究に携わる。漫画家・イラストレーター・監修者としても活躍。最新刊は感染症医学を大きく前進させた北里柴三郎の伝記『北里柴三郎 日本近代医学を築いた肥後もっこす』】
薬ができても妊婦が使用できる可能性は低い
◆妊娠中に新型コロナウイルスにかかってしまったら、どうしたらいいですか
「私のクリニックに来ている妊婦さんにも、新型コロナウイルスに感染した方が何人かいらっしゃいます。
妊娠をしている・していないにかかわらず、今のところ、新型コロナウイルスに感染してしまったときは、基本的に、自分の抵抗力や免疫力で治すしかありません。
発熱している場合は、アセトアミノフェンなど、妊婦さんでも使用可能な解熱鎮痛剤を服用して、快復を待ちましょう」
◆新型コロナウイルスに感染したことで、胎児の発育に影響はありますか
「妊娠後期に新型コロナウイルスに感染した場合、母体の重症化や、早産のリスクが高くなる可能性はあります。
しかし、新型コロナウイルスに感染したことで、赤ちゃんに先天異常が起こる可能性は低いとされています。心配しすぎないほうがいいでしょう」
◆新型コロナウイルスの治療薬が実用化されたら、妊婦にも使用できる薬はあるのでしょうか
「ご存知の方も多いと思いますが、妊婦さんはもともと、使用できる薬が多くありません。
胎児に悪い影響を与える可能性があるため、禁忌(絶対に使ってはいけない)となっている薬や、なるべくなら処方しないほうがいいとされている薬がたくさんあります。
現時点では、積極的に投与を勧められる薬が出てくることは考えづらいですが、状況に応じて、かかりつけの医師と十分に相談し、判断するようにしてください。」
ワクチンの抗体は母親から子に移行する
◆妊婦が新型コロナウイルスのワクチンを打っても問題ないでしょうか
「少し前までは、妊娠12週まではワクチン投与を避けたほうがいいといわれていましたが、いまは安全が確認されています。
ワクチンを打つことでできる抗体は、胎盤を通じて胎児の体に移行するというデータも出ています。
生まれた後の赤ちゃんを、感染から守る効果も期待されていますので、ワクチンを積極的に打ちましょう」
◆ワクチンを打つ以外に、妊婦が新型コロナウイルス対策としてできることはありますか
「ウイルスに強い体をつくるには、免疫力を高めることが必要。免疫力が低いと、抗体を作る力も低くなります。
免疫力を高めるためには、規則的な生活をおくり、ストレスを減らすこと。
第2子以降の出産は、生活が不規則にならざるを得ない場面もあるかと思いますが、なるべく肉体的にも精神的にも健康でいることが、ウイルスに強い体をつくる秘訣です」
■茨木 保(いばらき・たもつ)
医師、漫画家。1962年生まれ。1986年、奈良県立医科大学卒業。同年、奈良県立医科大学 産婦人科医局に入局。1987〜1989年、京都大学ウイルス研究所で発癌遺伝子の分子生物学的研究に携わる。1989年、週刊ヤングジャンプ増刊号にSF短編「遠い手紙」を発表しプロデビュー。以後、数多くの新人賞に入賞。1999年、大和成和病院婦人科部長。2006年、いばらきレディースクリニックを開業。
医師として臨床医学に携わりながら、漫画家・イラストレーターとして医学書・看護学書を中心に活躍。著書に『まんが医学の歴史』(医学書院)、『まんが人体の不思議』(ちくま書房)、『間(あわい)~産婦人科医那須悠介のカルテ〜』(アメージング出版)、『北里柴三郎 日本近代医学を築いた肥後もっこす』(講談社)など多数。
医療監修・取材協力したドラマ・映画作品は『Dr.コトー診療所』『コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』『ルパンの娘』など。
山口 真央
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。
茨木 保
医師、漫画家。1962年生まれ。1986年、奈良県立医科大学卒業。同年、奈良県立医科大学 産婦人科医局に入局。1987〜1989年、京都大学ウイルス研究所で発癌遺伝子の分子生物学的研究に携わる。1989年、週刊ヤングジャンプ増刊号にSF短編「遠い手紙」を発表しプロデビュー。以後、数多くの新人賞に入賞。1999年、大和成和病院婦人科部長。2006年、いばらきレディースクリニックを開業。 医師として臨床医学に携わりながら、漫画家・イラストレーターとして医学書・看護学書を中心に活躍。著書に『まんが医学の歴史』(医学書院)、『まんが人体の不思議』(ちくま書房)、『間(あわい)~産婦人科医那須悠介のカルテ〜』(アメージング出版)、『北里柴三郎 日本近代医学を築いた肥後もっこす』(講談社)など多数。医療監修・取材協力したドラマ・映画作品は『Dr.コトー診療所』『コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』『ルパンの娘』など。
医師、漫画家。1962年生まれ。1986年、奈良県立医科大学卒業。同年、奈良県立医科大学 産婦人科医局に入局。1987〜1989年、京都大学ウイルス研究所で発癌遺伝子の分子生物学的研究に携わる。1989年、週刊ヤングジャンプ増刊号にSF短編「遠い手紙」を発表しプロデビュー。以後、数多くの新人賞に入賞。1999年、大和成和病院婦人科部長。2006年、いばらきレディースクリニックを開業。 医師として臨床医学に携わりながら、漫画家・イラストレーターとして医学書・看護学書を中心に活躍。著書に『まんが医学の歴史』(医学書院)、『まんが人体の不思議』(ちくま書房)、『間(あわい)~産婦人科医那須悠介のカルテ〜』(アメージング出版)、『北里柴三郎 日本近代医学を築いた肥後もっこす』(講談社)など多数。医療監修・取材協力したドラマ・映画作品は『Dr.コトー診療所』『コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』『ルパンの娘』など。