受賞作のあらすじと作者プロフィール
◆新人賞
『生き延びよ!忍者同好会』
【筆名】
森 名子(もり なこ)
【プロフィール】
1997年、神奈川県生まれ。東京都在住。2020年第6回ブックショートアワード大賞受賞。現在は図書館職員として勤務。
【あらすじ】
「私はこの学校で、忍者部を作りたいと思っています」
高校に入学したばかりのさゆきにとって一番大切なのは、ひとりぼっちにならないこと。空気を読んで周りに流されてばかりのさゆきの前に、忍者部を作りたいというおかしな宣言をするクラスメート・真珠が現れる。周囲の遠巻きな視線をものともせず、放課後は日々、忍者修行に邁進する真珠。一方さゆきは、仲間外れを恐れるあまり、本当は入りたくない陸上部の体験入部を断れずにいた。
入部についてどっちつかずな態度をとったことで友達と仲たがいをしてしまい、思わず「死んじゃいたい」とこぼしたさゆきに、真珠は忍者が大切にしている五つの考え「五忍」の一つを教える。「とにかく生き延びよ」「生きてさえいれば、次があるからだ」という言葉と、それを語る真珠の真剣さに、さゆきは友達と向き合う覚悟を決める。
一風変わった、でもいつも全速前進な真珠の言葉に、その後ろ姿に、いつのまにかみんなが勇気を貰っている。かつて忍者たちが戦乱の世を生き延びるために培った忍術が、現代の高校生たちの心に息づいていく、忍者・青春ストーリー!
◆佳作
『死神ホネルのほねおりクリスマス』
【筆名】
瀬戸 かなた(せと かなた)
【プロフィール】
1986年、東京都生まれ、香川県育ち。東京都在住。東京女子大学現代文化学部地域文化学科(2009年当時)卒業。受賞歴なし。13歳から書き始め、19歳から文学賞(純文学から始め、主に児童文学)に応募。現在は、コピーライターとして広告業界の会社に勤務。
【あらすじ】
あの世に勤めて五年目の、新米の死神・ホネル。クリスマス・イブの夜、るりちゃんちでサンタクロースに出会う。そこで、「プレゼントをくれるよりも、おばあちゃんの病気を治してほしい」という、るりちゃんからサンタクロースへの手紙を読む。おばあちゃんをあの世へおむかえにきたホネルは困ってしまう。悩みすぎたホネルは、まちがってサンタクロースの空飛ぶ車に乗ってしまい、大慌て。考えた末、子ども好きなホネルは、今夜だけサンタクロースの代わりを務めることに。死神らしい失敗を繰り返しながらも、プレゼントを届けていくホネル。子どものために贈り物をするすばらしさに喜びを感じたり、命の温かさに感動したり。プレゼントを全て届けて、るりちゃんちへ。偶然のひらめきで、おばあちゃんの病気を治し、ホッと安心。サンタクロースへ車を返し、自分の車であの世へ帰る。こうして、サンタクロースも無事に、るりちゃんの枕元にプレゼントを置き、明るんできた空へ帰っていった。
◆佳作
『ゴッホの桜』
【筆名】
入江 真理子(いりえ まりこ)
【プロフィール】
1981年生まれ。神奈川県在住。東京女子大学現代文化学部卒業後、ロシア国立サンクト・ペテルブルグ演劇芸術大学俳優学科に留学。ロシア功労芸術家セルゲイ・チェルカスキー氏に師事し、同大学の卒業国家試験に合格、全課程を修了。ロシア、イタリア、デンマークの劇団に客演し、日本の現代演劇作品『楽屋』や『父と暮せば』にロシア語で出演。現在はロシア語通訳、そして盲聾者通訳介助としても活動。
【あらすじ】
小学校四年生のミカは、生まれてから九年間暮らしたポルトガルを離れ、家族で日本に帰ってきた。日本の小学校に転入し、アニメや映像でしか知らなかった「本物の日本」を、初めて体験する日々が始まる。ずっと憧れていた日本のランドセルは、倹約家の母の手配で、ボロボロのものを使う羽目となった。同じクラスの子どもたちは、ポルトガルという馴染みのない国からやってきたミカに、まもなく異質な存在として接するようになる。教員歴が長いはずの担任も、外国育ちのミカの言動に理解を示さない。家には、いかがわしい商売を営んでいるお調子者の父、物静かで倹約に命をかける母、医学部を目指して浪人中の暴力的な姉がいる。ミカは家でも学校でも「日本語をしゃべっているはず」なのに真意が伝わらず、孤立していく。そんなミカを救ったのが、赤毛のアンのような家に住むナオミちゃんとその両親、殺人的な量の本に埋もれて暮らす三井のおじさん、スイスから来た時計修理職人のペーターさん、「前世研究所」の屋敷で出会った二人のおばあさんだった。そしてミカは「前世研究所」で、母の過去を思わぬ形で知ることになり……。
































