おばけだけど怖くない!? ギフトにおすすめの“かわいくて不思議”な「おばけの絵本」3選[絵本の専門家が選出]

子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #24~おばけの絵本~ (3/4) 1ページ目に戻る

絵本コーディネーター:東條 知美

次にご紹介するのは、『ねむいねむいねずみ』(PHP研究所)。作者は、大人のファンも多い、漫画家で絵本作家の佐々木マキさん。

悠々と繰り出される線、枠を活かした遊び、淡々とした表情の登場人物。語りかけてくる文体はいつも穏やかでムダがなく、独特の抜け感が読者をリラックスさせます。

本作は、その昔、私が子育てに奮闘していたころ、宵っぱりだったわが子になんとか寝てもらいたくて選んだ絵本でもあります。タイトル、そして、表紙に描かれたねずみのいかにも眠たそうな顔つきから「寝かしつけによさそう!」と思ったのですが……大きな間違いでした。

幼い息子は、絵本を読んで大興奮の大はしゃぎ。眠るどころではなくなった、という思い出の一冊です(笑)。

『ねむいねむいねずみ』(作・絵:佐々木マキ/PHP研究所)
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主人公の「ねむいねむいねずみ」は旅人です。一日中歩き疲れたある晩、目の前に一軒の古い家を見つけました。誰も住んでいない、荒れ果てたお屋敷です。

「こんやは ここで ぐっすり ねようっと」

ねずみはベッドに寝転がって眠ろうとしますが、「ドタン! ゴトン! バタン! ガタタン!」。不気味な怪奇現象が、次々と襲いかかってきます。

「なんだい、このいえは。おばけやしきか、なにかかい?」

はたして、ねずみは無事に眠りにつくことができるのでしょうか?

この絵本のすごいところは、おばけ自体は描かれていないのに、全編に渡って“おばけの気配”に満ちていること。そして、夢の中にお母さんが出てくるシーンは、大人が読むとキュンと切なくなります。疲れて怖くて……そんなとき、心の中でお母さんを求めているなんて、いじらしいではありませんか。

そもそもねずみは、なぜひとりで旅をしているのでしょうか。
読者にゆだねる部分が大きいのは、おもしろい絵本の特徴だと思います。はしばしに漫画的な技がきらめき、大人も子どもも一緒に楽しめるおばけの絵本。1979年初版のロングセラーです。

*読み聞かせ 2・3さいくらいから
*ひとり読み 5さいくらいから

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