
バレンタインに贈りたい“チョコレートの絵本”3選[絵本の専門家が選出]
子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #10~チョコレートの絵本~ (4/4) 1ページ目に戻る
2026.01.11
絵本コーディネーター:東條 知美
1000年先も変わらない大切なこと
最後にご紹介するのは『ミライチョコレート』(白泉社)。こちらの絵本は1000年後、3024年のニッポンを舞台にした物語です。
主人公の少女の名は、マヤ。博物館に遊びにきたマヤが、“21世紀に読まれていた本”と説明書きのついた、茶色く変色した古い本を眺めているシーンから始まります。
「これは おおむかしの「ほん」っていうもの。」
1000年後の未来では、紙の本は博物館にうやうやしく展示される遺物となっているようです(絵本好きとしてはちょっと悲しいですね……)。
古い本に描かれていたのは、チョコレート。マヤはチョコレートを知りません。家に帰ってパパやママに聞いても、やはり知りません。3024年の人類は、「エイヨウダマ」や「ヘソデンキ」という方法で栄養を摂っているため、誰もわからないのです。
おへそにホースみたいなものを繫いで、体内に何かを取り入れているマヤとママの姿。その絵のインパクトたるや……! 1000年後の世界は想像もつきませんね。
チョコレートの存在を知ってしまったマヤは、もう食べたくて食べたくて仕方ありません。手と足がついた空飛ぶ自家用機・フライごうに乗り込んで、街を飛び出し、チョコレートを探す旅に出かけます。
「チョコレートって どこに あるんだろう」
チョコレートでできた山があるのかな? それとも、何かのうんちがチョコレートだったりして。マヤは、いろいろな想像をめぐらせます。そんなときに現れたのは、古いロボットでした──。
どの時代の子どもも同じ、知らないことを知ったりあれこれ想像することは、とってもうれしくておもしろいことだと、絵本は伝えます。
ネットで調べれば、すぐに答えが見つかる時代ですが、自分の心と体を動かし、時間がかかっても自分の力でやってこそ、初めてホンモノの喜びを得られる──。
見開きいっぱいに描かれたマヤのとろけそうな表情が、そんな大切なことを教えてくれます。
本書の作者は、立体造形やアニメーション作品も手がける2人組のユニット、ザ・キャビンカンパニー。主人公のビジュアル、表紙カバーや見返しを含め、デザイン全体に作家のこだわりが感じられます。
子どもに夢と希望を与え、大人にはどこか懐かしい原風景を思い起こさせる『ミライチョコレート』。お子さんが大きくなってからも長く楽しめる、アートな一冊としてもおすすめです。
取材・文/星野早百合
★試し読みもできる絵本専門Web「えほん通信」はこちら↓↓
【関連記事】

星野 早百合
編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。
編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。

















































































東條 知美
1973年、新潟県上越市生まれ。白百合女子大学児童文化学科卒業。メディアファクトリー(現KADOKAWA)、国立国会図書館、幼児教育専門学校、小・中学校図書館などでの勤務を経て、「絵本コーディネーター」の肩書で活動中。 子育てや教育、ジェンダーなどのテーマの下、絵本の可能性と魅力を幅広い世代に伝えながら、全国自治体で課題解決へのヒントを探る講演を行う。各種メディアのほか、バラエティ番組や情報番組にも出演。バンタンデザイン研究所では、絵本作家コースの講師を務める。 公式サイト https://www.tojotomomi.com/ ブログ「僕らの絵本」 https://ameblo.jp/bokurano-ehon/entrylist.html
1973年、新潟県上越市生まれ。白百合女子大学児童文化学科卒業。メディアファクトリー(現KADOKAWA)、国立国会図書館、幼児教育専門学校、小・中学校図書館などでの勤務を経て、「絵本コーディネーター」の肩書で活動中。 子育てや教育、ジェンダーなどのテーマの下、絵本の可能性と魅力を幅広い世代に伝えながら、全国自治体で課題解決へのヒントを探る講演を行う。各種メディアのほか、バラエティ番組や情報番組にも出演。バンタンデザイン研究所では、絵本作家コースの講師を務める。 公式サイト https://www.tojotomomi.com/ ブログ「僕らの絵本」 https://ameblo.jp/bokurano-ehon/entrylist.html