2025年度子どもに読ませたいのはコレ! 200万部を突破した「おばけずかん」作者の新シリーズ「ふしぎながっちゃん」が子の心を育てる理由

斉藤洋さんインタビュー

ライター:山口 真央

どんな「嫌なこと」でも必ず「楽しいこと」がある

(『ふしぎながっちゃん がっこうなくなれ』より)
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──「ふしぎながっちゃん」シリーズには「足が速くなりたい」や「学校がなくなってほしい」など、子どもたちのリアルな夢がたくさん登場しますが、どのようにして子どもの夢を考えていますか。

斉藤:子どものかなえたい夢って、時代が変わっても、大きくは変化しないのかなって思います。

もちろん、「動画配信者になりたい」なんて、新しい夢が出てくることもある。

けれど、憧れる人になりたいと思う気持ちは、僕の時代から変わっていません。

自分の子どものときの気持ちを思い出しながら、担当者と相談して、ひとりずつ子どもの夢を決めています。

(『ふしぎながっちゃん ゆめをかなえるカプセル』より)

──斉藤先生のお話を、子どもたちにどのように感じてほしいなど、ねらいなどがありましたら教えてください。

斉藤:あえてひとつ挙げるとしたら、嫌なことのなかにも、楽しいことを見つけようってことかもしれません。

生きていれば、嫌なことや、面倒なことがたくさん起こります。

『ふしぎながっちゃん ゆめをかなえるカプセル』に出てくるりゅうくんは、「どこにでも いける スケボー」を手にして、遠くの公園まで瞬時に行くことができました

だけどそのスケボーは、家までの帰り道を運んでくれることはできません。りゅうくんは「どこにでも いける」とお願いしただけで、「帰れる」とは言わなかったからです。

りゅうくんは必死に家までの道を思い出しながら、なんとか無事に帰ることができました。

それからというもの、りゅうくんは、スケボーで遠くに出かけては、自力で帰るようになりました。

りゅうくんは不便さのなかに、自分で考えて家にたどり着く「楽しさ」を見出したからです。

時間は有限です。未来を生きる子どもたちには、どんな困難が起きても、前向きに楽しく生きていってほしいと思います。

子どもって大人が考えるより暇じゃない!

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