志の輔が「落語では表現できない」と感服した理由 対立するオオカミとヤギの「絆」を描いた物語

『あらしのよるに』30周年記念インタビュー 第2回

ライター:山口 真央

動物園であべ弘士さんのグッズを買い揃えました

「あらしのよるに」シリーズの新刊を読む前に、1作目から順番に読んでほしいと話す立川志の輔さん。
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志の輔:作者のきむらゆういち先生の人間愛が伝わってくる『あらしのよるに』。文章だけでなく、あべ弘士さんのイラストがまた、シンプルなのに温かみがある。以前、北海道の旭山動物園にあべさんのグッズがたくさんあって、手拭いやイラストなど、たくさん買わせていただきました。

今年(2025年)は、ついに続編『あいことばはあらしのよるに』が出るんですね。いまの世界情勢に危機感を抱いたきむらさんが、20年ぶりに筆をとったとか。素晴らしいことです。

シリーズを通しての起承転結が素晴らしいですから、まだ読んだことがない人は『あらしのよるに』から、『あるはれたひに』『くものきれまに』……と、順を追って読んでみてください。もったいないので、1日1冊、ドキドキしながら味わうのがおすすめです。

『あらしのよるに』は、読んだ人がみな「絆」を感じられる必読書です。面白いものは、理屈抜きで面白い。長年愛される物語を、ぜひ家族でお楽しみください。

立川志の輔
落語家。1954年2月15日生まれ、富山県出身。1983年、立川談志門下に入門。1990年、立川流真打ち昇進。1995年には、NHK情報番組『ためしてガッテン』の司会を務める。1989年に「にっかん飛切落語会奨励賞」、2007年に「文化庁芸術選奨 文部科学大臣賞」、2015年に「紫綬褒章」など、数々の受賞歴がある。

「あらしのよるに」シリーズ新作『あいことばはあらしのよるに』がついに発売!

380万部ベストセラー「あらしのよるに」シリーズ、20年ぶりの新刊発売!

ヤギとオオカミの壁を越えた友情から家族愛へ!

食うもの(オオカミ)、食われるもの(ヤギ)の壁を越えて
おだやかに暮らしているオオカミのガブとヤギのメイ。

仲良しな二人なのに、実はおたがい隠している秘密があるようで、疑りあってしまいます……。
友情をつづけるのはむずかしい?
そんなことはありません。
自分を信じて、大切な人を信じるすばらしさを感じさせてくれる絵本です。

新しい家族を得て、より家族愛を深める2匹にぜひ出会ってください!

落語家・立川志の輔さん、歌舞伎役者・中村獅童さんも感動した、
人気シリーズの新シリーズ第1弾!

※掲載しておりますカバーは仮画像です。変更する場合があります。
※「新あらしのよるに」シリーズは「大型版あらしのよるに」シリーズと同じ大きさです。

●作者、きむらゆういちさんからのメッセージ
今の世界情勢を見ると、まさに今のほうがこの物語が必要になっていると思います。人種が違っていても、肌の色が違っていても、偉い人とそうでない人でも、金持ちでも貧乏でも、友情が生まれるかもしれません。その友情を信じていれば、あらゆる困難にも打ち勝ち、新天地に向かうことができる、と思っています。

●「あらしのよるに」シリーズ推薦コメント
「おもしろいものは、おもしろい。かんじるものはかんじる。
子どもも大人も、おなじです」──落語家・立川志の輔さん

「50年、60年と、今の子どもたちが大人になって、
その孫、その次まで残るくらいの名作だと僕は思っています」──歌舞伎役者・中村獅童さん

●担当編集者より
「あらしのよるに」シリーズは、産経児童出版文化賞JR賞、講談社出版文化賞を受賞。その後国語教科書に掲載され、アニメ映画化で日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞した名作です。

20年前学生だった私は2人の愛の深さに圧倒されてシリーズ7巻を一気読みしました。今は子どもと一緒に、大切な人を信じるすばらしさに泣きながら読んでいます。

世代を超えて愛されるこの絵本からまさかの「つづき」が生まれたのは、作家のきむらゆういちさんが、ウクライナやパレスチナの争いをみて、いまこそこのお話が必要だと思われたからです。

ぜひ、皆様にご覧頂けましたら嬉しいです!

『完全版 あらしのよるに』
作:きむらゆういち 絵:あべ弘士

350万人が夢中になった「あらしのよるに」シリーズ。その7巻を一気に読める、完全版です。

歌舞伎の予習をしたい人も、舞台を見てガブとメイのその後が気になった人も。

全ての「あらしのよるに」ファンに捧げたい、特別な一冊です。

大型版あらしのよるに全7巻
編:講談社

多くの賞を受賞。映画化・舞台化され、教科書にも掲載、学校の図書館でも大人気の「あらしのよるに」シリーズが、迫力の大判で登場。お子さんへの読み聞かせにぴったりです!

〈1〉あらしのよるに──奇妙な友情はなぜ生まれたか?
〈2〉あるはれたひに──友情は食欲に勝てるか?
〈3〉くものきれまに──秘密の友だちって、いろいろたいへん。
〈4〉きりのなかで──仲間か? 友だちか? それが問題だ。
〈5〉どしゃぶりのひに──生きるためには、うらぎりも必要なのか?
〈6〉ふぶきのあした──この友情は、もう誰にも止められない……。
〈7〉まんげつのよるに──2ひきの友情ははたして永遠?

撮影/安田光優(講談社写真映像部)

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やまぐち まお

山口 真央

編集者・ライター

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。