筑波大教授に聞く 子どもの「ふしぎ」を成長につなげる 親が「タイパ」より優先すべきこと

「科学の芽」賞 梶山正明教授インタビュー (2/4) 1ページ目に戻る

ふとした「気づき」が科学になる

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梶山先生:原因と結果の関係をきちんと説明できる、これが科学です。

子どもたちが日々のくらしのなかで「ん? なんだろう?」と気づくことがあります。気づいたものが「結果」です。

そして「どうしてこうなっているんだろう?」と疑問に感じて「原因」を自分で調べてみようとする。このふとした思いつきが、科学のはじまりになります。

筑波大学が主催している「科学の芽」賞は、ノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎博士が子どもたちに向けて書いた色紙のメッセージから名前をいただいています。

「ふしぎだと思うこと これが科学の芽です」

という言葉からはじまります。

「科学の芽」とは、子どもたちが気づいたはじまりの「発見」のことです。そして、知りたいという動機をもとに、観察・実験、調査をしてデータを積み重ねていくわけです。

なにもせずにいれば気づきのままでしょう。しかし、自分で確かめることで科学になる。気づきが科学になる瞬間が子どもたちに訪れるのです。

──自分で確かめるということが大事ですね。

梶山先生:
最近は、インターネットなどで手軽に触れられる情報があふれています。そうした情報にアクセスするのは悪いことではありません。

しかし、ネットにある説明をそのまま信用するのではなく、自分の手を動かして、自分の目で確かめることが大事だと思います。

▲ネットなどから得た知識でも、自分の目と手を使って「考え・確かめる」ことが大切。  写真:アフロ

子どもたちにはそういう「考え方」や「考える力」をつけてほしいですし、親御さんにはよく見守って協力していただきたい。それが「科学の芽」を育てるということになります。

子どもの研究なので、すでにもう誰かが研究して原因が知られていること(事象)も多いでしょう。大人には当たり前のことかもしれません。でも、研究したその子にとっては「世界で自分しか知らない!」という大発見です。

自分で気づくという成功体験、達成感は、その子を大きく成長させます。その瞬間の喜びをぜひ体験してほしいですね。

その子が大きくなってきたら、今度はすでに同じような研究がないか調べて、自分の考えをさらに加えていくということをしていくわけです。そして自身も研究も成長していく。

こうした科学的なプロセスは、子どものころの経験によって醸成されると思うのです。将来、科学に限らず、いろいろなことに役立つはずです。

子どもの「発見」を育むには

──「科学の芽」賞の受賞作は、目のつけどころがおもしろいな! と感じます。

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