
「お金をかけず子どもの“非認知能力”を伸ばしたい!」親が“家庭で今日から”できること〔専門家が解説〕
#2 島根太郎氏に聞く「学童と非認知能力」~家でできる非認知能力の伸ばし方~
2025.08.19
株式会社東急キッズベースキャンプ代表取締役社長 社長執行役員:島根 太郎
家庭でできる非認知能力の伸ばし方【学習】
・学校の勉強は「予習」で自信をつける
「復習も大事ですが、私は家庭学習では予習に多くの時間を使うことをオススメしています。というのは、授業のときに『俺、知ってるぞ』『私、わかる』と自信が持てるから。
すると、もっと頑張りたくなるので、学習意欲が高まります。なにより授業中に手を挙げて答えられたら、周りから『すごいね』とリスペクトされて、それがまた自信になりますよね」
・図書館を活用する
「図書館は本当に学びの宝庫です。読書によってさまざまな経験を疑似体験できますし、実際には出会うことができない昔の偉人と本を通して会話することもできます。
まさに想像力、知的好奇心、探究心を伸ばすにはうってつけ。無限にある本の中からいろんな世界を知ることができます。最初は漫画でもいいので、活字に慣れ親しむことが大切です」
学習において、認知能力と非認知能力はお互いに影響し合うと言います。非認知能力がベースとなって認知能力が伸びることはよく知られていますが、認知能力の高さが自信となって非認知能力の土台が厚みを増すこともある。つまり、どちらも子どもたちにとって重要な力なのです。
体験格差が心配? じつは日常にこそチャンスがある
近年、「体験格差」という言葉もよく耳にします。自然学習などの体験イベントでお金をかけなければ子どもに不利益になるのでしょうか。
「私たちキッズベースキャンプの夏イベント『サマーキャンプ』などを経験すると、子どもたちはぐんと伸びていきます。たしかに体験は大きな刺激になります。でも、ここまでお伝えしてきたように、非認知能力は日常生活の中の取り組みでゆっくりと確実に育まれていくもの。
体験格差を気にするよりも、日々のコミュニケーションを通じて本人が何を『おもしろい』と感じ、どういうものが『好き』なのかを改めて見出していきましょう。そこにお子さんの成長のチャンスが隠されているはずです」
次は、時間のない親でもできる「非認知能力」の伸ばし方について、引き続き島根太郎さんに伺います。
取材・文/佐口賢作
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●島根太郎(しまね・たろう) PROFILE
株式会社東急キッズベースキャンプ代表取締役社長 社長執行役員。2006年に日本初の民間学童保育施設「キッズベースキャンプ」を創業。2008年に東急グループ入り。民間学童保育のパイオニアとして業界を牽引している。2025年5月に初の著書『子どもの人生が変わる放課後時間の使い方』(講談社+α新書)を出版。

連載は全3回 (※公開時よりリンク有効)

佐口 賢作
20代で『月刊BIGtomorrow』(青春出版社)のデータマンとして、ライター業をスタート。以降、人物インタビューを中心に、雑誌、書籍、Webサイト、広告制作などで活動中。これまで携わった書籍は約130冊。 元気な男児2人のパパ。いつも家にいる父ちゃんとして、子育てもガッツリ向き合っている。サッカーは箱推し。
20代で『月刊BIGtomorrow』(青春出版社)のデータマンとして、ライター業をスタート。以降、人物インタビューを中心に、雑誌、書籍、Webサイト、広告制作などで活動中。これまで携わった書籍は約130冊。 元気な男児2人のパパ。いつも家にいる父ちゃんとして、子育てもガッツリ向き合っている。サッカーは箱推し。
島根 太郎
一般社団法人キッズコーチ協会代表理事。一般社団法人民間学童保育協会、東京都学童保育協会理事。 1965年東京都目黒区生まれ。中央大学卒業。輸入雑貨事業や自然食事業等を経て、2003年株式会社エムアウトに入社。心理学に関わる事業開発を経験し、「小1の壁」の問題解決と非認知能力の教育を志し、2006年に日本初の民間学童保育サービス「キッズベースキャンプ」を創業。民間学童保育のパイオニアとして業界を牽引している。 2008年12月には東急グループ入りし、東急グループの子育て支援事業の中核企業としての展開を開始。保育士資格保有。 2025年5月に初の著書『子どもの人生が変わる放課後時間の使い方』(講談社+α新書)を出版。 ●キッズベースキャンプHP
一般社団法人キッズコーチ協会代表理事。一般社団法人民間学童保育協会、東京都学童保育協会理事。 1965年東京都目黒区生まれ。中央大学卒業。輸入雑貨事業や自然食事業等を経て、2003年株式会社エムアウトに入社。心理学に関わる事業開発を経験し、「小1の壁」の問題解決と非認知能力の教育を志し、2006年に日本初の民間学童保育サービス「キッズベースキャンプ」を創業。民間学童保育のパイオニアとして業界を牽引している。 2008年12月には東急グループ入りし、東急グループの子育て支援事業の中核企業としての展開を開始。保育士資格保有。 2025年5月に初の著書『子どもの人生が変わる放課後時間の使い方』(講談社+α新書)を出版。 ●キッズベースキャンプHP