
小学校入学で本離れ「アフターゾロリ問題」を幼児期から対策 「時間」「場所」「しくみ」で整える「読書習慣」
《第4回》環境を整えると子どもは本を読み出す/幼児期に「生きる強さ」を身につける7つのこと(全7回) (2/3) 1ページ目に戻る
2026.04.14
文章力養成コーチ・教育コンサルタント:松嶋 有香
松嶋:私が整えるべきだと考えているのは、「時間」「場所」「しくみ」の3つです。
まず時間。読み聞かせは、なんといっても寝る前がいいと思います。私は、子どもが「読んで」と言ったら、家事が残っていてもいったん全部ほったらかして手を止め、読んであげてほしいと思います。そして、そのまま一緒に親も寝る。これがいちばんです。
寝る前の数分は、親子が落ち着いて向き合える時間です。何度も同じ本を「読んで!」とせがまれると、親も読むのを飽きてしまうかと思いますが、子どものほうは全然飽きることはありません。なぜなら、同じ本でも、読むたびに子どもは新しい発見をしているから。「何度も子どもの要求に応じる時間」そのものが、親子の大切なコミュニケーションの時間なのです。
次に場所。基本的に好きな場所でいいと思いますが、習慣化できていないときは、読書をする場所を決めるのもいいと思います。朝起きたときならダイニングテーブルで、お昼ごはんのあとはリビングのソファで、夜寝る前はベッドで、などでしょうか。
家の中に「ここに来たら本を読む」という秘密基地のような場所をつくるのも効果的です。いわゆる「リーディングヌック」のような読書コーナーで、少し狭い方が子どもが好みます。日本家屋なら、押入れが格好のスペース。段ボールで子どもとつくってもいいかもしれませんね。ただ、最初から完璧を目指す必要はありません。
最後にしくみ。しくみは「続く形」をつくることです。たとえば寝る前の流れを固定します。お風呂から出たら、歯みがき、絵本、そしてそのまま就寝。親も一緒に寝る。これだけで、読書が生活の一部になります。
読んだあとに感想をたくさん言わせる必要もありません。「どんな気持ちになった?」と一言だけ聞いてみる。答えが短くてもいい。親子のやりとりが残れば、それが次の読書につながります。
頭のいい子で本を読まない子もいるが、逆はいない
松嶋:私は長年、国語や作文の現場で子どもたちを見てきました。その中で深く実感しているのが、「本をよく読む子で、頭の悪い子に出会ったことがない」という事実です。逆に、すごく頭の良い子で本を読まない子はいます。でも、本好きで、想像力が育っていない子には出会ったことがありません。
読書が育てる力は、語彙力だけではありません。想像力、集中力、先を見通す力。いろいろな力が一度に育ちます。絵本は文字数が少なくても、表情や情景や行間があります。そして、子どもは同じ本を何度も読み返します。子どもの絵本は安い買い物ではありませんが、子どものさまざまな能力を育てるというリターンを考えれば投資する価値はあると私は考えます。
本離れの落とし穴「アフターゾロリ問題」とは?
松嶋:幼児期に知っておいてほしいのが、小学校以降の「アフターゾロリ問題」です。『かいけつゾロリ』(原ゆたかさく・え、ポプラ社)が代表的な例なのでこの名前をつけました。どんな問題かというと、人気シリーズに夢中になっていた子どもが、シリーズ全冊を読み切ったときに、次に読む本が見つからずに本から離れてしまう現象のことです。これが、小学生になった子どもたちの「本離れ」の大きなきっかけになっています。
でも、対策はごくシンプルなんですよ。






































































