
父兄の訴えで訪れた「飛び込み授業」先 中学昇格のプレッシャーで壊れた「国立大付属小」の教室だった…
#2 荒れた教室で子どもはどう変わってしまうか
2026.04.11
子どもの成長は、保護者のみなさんはもちろんのこと教員の願いでもあります。ところが第1回で触れたとおり、机の下にあった足型や、台本を読ませるだけの「セルフ授業」など、私は日本各地の公立小学校で、子どもたちの成長を妨げると危惧する事例を目にしてきました。
そのなかには、一見間違ってないと思われがちなものもあります。校舎内を静かに歩いたらカメさんシールをもらえるという事例。ただこれはそもそも、静かに歩くことがなぜ大事かを説明して子どもたちに納得してもらうべきことです。それをせず、カメさんシールの数を競わせたツケは大きいものでした。
さて、第2回でお伝えするのは、中学昇格を控えた国立大附属小学校で起きた学級崩壊のケースです。なぜいじめが起きるのかなど、このケースも明らかに氷山の一角であると考えられます。
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「群れと集団」学級崩壊しているクラスの共通項
野球の応援などでも多く使われている「夏祭り」(破矢ジンタ作詞・作曲)という歌をご存じの方も多いのではないでしょうか? 私は、この歌を廊下で6年生の男子が徒党を組んで大声で歌い、それが不気味に鳴り響いているという光景に出くわしたことがあります。2015年ごろのことでした。
国立大附属小に通う子どものお母さんからの訴え
関西の国立大学教育学部附属小学校での話です。公立小学校のみが深刻なのではなく、私立との中間にあるような位置づけの学校でも壊れていく子どもたちがいるのです。
ここでは、他にはない経緯での飛び込み授業が実現しました。保護者の方から窮状の訴えがあったのです。私に「学校に来てほしい」と直接メールが届きました。
その方は、インターネットで「学級崩壊」と検索し、私が当時出演した、「世界一受けたい授業」(日本テレビ系列)の情報を見つけたそうです。メールの書面には「すでに学級崩壊している」「教室に監視のためのビデオカメラが設置されている」という内容が記されていました。学校に通う娘さんのメッセージも含まれていました。
何より私の心が動いたのは「教師がダメだとバッシングばかりするのではなく、わが学校をなんとかよくしたい」という言葉でした。このメールに始まり、最終的にはPTAにお招きいただくというかたちで飛び込み授業が実現しました。
校内に入ってすぐ「荒れている」様子が目に入りました。玄関のガラス部分が割れ、ガムテープで段ボールが張り付けられていましたから。いかにも応急処置、といった印象でした。
メールをくださった方の子どもがいる6年生の3クラスで授業を行いました。これはふだんから、かなり大変だろうなと想像せざるを得ませんでした。子どもたちにまったく表情がないのです。何を聞いても「はーいー」と生ぬるい返事が返ってきます。
子どもに板書をさせると、体はふらふらとまるで軟体動物のような動きです。100名近くの保護者が見ていたにもかかわらず、能面のような表情で教室の中を歩く子も数名いました。
校長先生によると、6年生の教室の真下が校長室で、よく上の階からドスンドスンという音が聞こえてくるので、何だと思って上がっていったら、子どもが先生を蹴ったり、たたいたりしていたと言います。
先生たちの雰囲気からして、淀んだものでした。その日、私は給食時間を挟んで午前と午後に3クラスで授業をしました。給食時間に休憩をとるべく、少し外に向かったときのことです。
すれちがったときにあいさつをしてもほとんど返事がありません。なんだか先生方も私のような飛び込み授業を行う存在を警戒しているように見えました。
後日、校長先生とメールでやりとりしました。私が「職員室からもう、崩壊しているのではないですか」という話をさせていただくと、「そのとおりです」と。
私はこの学校にも、教育虐待を感じました。






























