パパママ必見!「パパ見知り」に負けずに子どもとの関係を深める方法

パパのことが嫌いなの?「パパ見知り」の真実#2

昭和女子大学人間社会学部教授:石井 正子

「大泣き」は子どもの生存戦略のひとつ

パパが抱っこしたとたんに大泣きされて、慌ててしまった経験ありませんか?

「子どもが大泣きした場合、とにかく泣き止ませようと頑張ってみますが、焦れば焦るだけ状況は悪くなるというケースがあります。

ただ、子どもの泣き声は人の不安を掻き立てられるようにできているので、焦るのは仕方のないことなんですよ。

自分のお世話をしてもらうための赤ちゃんの生存戦略なので、それがわかっただけでも、まずは気持ちが掻き乱されることが少なくなるのではないでしょうか」(石井先生)

赤ちゃんの泣き声に大人が耐えられないのは、子どもの戦略のひとつ!?  写真:アフロ

「大勢の子どもを保育している保育士さんは、子どもに数々の戦略があるのをわかっていますし、子どもを泣き止ませるテクニックもたくさん持っています。

テクニックはどれも、子どもが心地よく過ごせるものが基本になっていて、落ち着いた声のトーンや抱き方、トントンの仕方などが挙げられます」(石井先生)

石井先生曰く、保育士さんと同じように、多くのママも我が子に対してはテクニックを身につけているといいます。

「パパ見知りの時期は、『いつもお世話をしてくれるママとなんだか違うな』という違和感を子どもは感じているので、パパのお世話の方法を見直してみることも大切です。

あやしたり、なだめたりする声の使い方に抑揚がなかったり、話かけるスピードが速かったり、トントンの力が強い可能性もあります。

ママに普段のやり方を教えてもらい、真似てみると子どもの反応が和らぐことがあるでしょう」(石井先生)

それでも泣き止まないときはどうする?

ママのお世話のやり方を見習っても、子どもが泣き止んでくれない場合はあります。子どものイヤイヤが止まらないときはどうすればいいのでしょうか。

「例えばパパがお風呂に入れて、子どもが泣いた場合。気質が敏感な子なら、パパがお風呂に入れたときにお湯が顔にかかったとか、熱めのお湯に入れられたなどが不機嫌のきっかけになることも考えられます。

別の要因もあるので、お世話の仕方以外のことも見直してみましょう。環境が理由なら、改善していけばいいのです。

それでも子どもが落ち着かない場合は、いったんママに任せましょう。子どもが心地いいと思える選択をすることが重要です。

加えてここで大切なことは、ママが子どものお世話を代わった場合、パパはママのフォローに回ることです。

子どもがお風呂から上がったら、引き継いで子どもの水滴を拭いてパジャマを着せたり、そのほかの家事を代わるのもいいでしょう」(石井先生)

子どもが泣くからすべてをママに任せるのではなく、パパはママの代わりに◯◯をやるという方向で夫婦で子育てすることが大切と話す石井先生。

パパがフォローに回ったとしても、お風呂の例のように、どこかで子どもとのつながりが発生します。これを積み重ねていくことで、パパが1番頼りになる場面がいずれ訪れます。

第3回は「パパ見知り」の時期にやっちゃダメな行動を紹介します。

取材・文/梶原知恵

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いしい まさこ

石井 正子

昭和女子大学人間社会学部教授

昭和女子大学人間社会学部初等教育学科教授。博士(学術)。千葉大学教育学部卒、日本女子大学大学院修士課程、昭和女子大学大学院博士課程修了。専門分野は障害のある子どものインクルージョン、子どもの生活環境が発達に与える影響、乳児院における養育者のエンパワメント等。 【主な著書や監修書】 『子ども家庭支援の心理学』(アイ・ケイコーポレーション) 『新 乳幼児発達心理学―もっと子どもがわかる好きになる―』(福村出版)など

昭和女子大学人間社会学部初等教育学科教授。博士(学術)。千葉大学教育学部卒、日本女子大学大学院修士課程、昭和女子大学大学院博士課程修了。専門分野は障害のある子どものインクルージョン、子どもの生活環境が発達に与える影響、乳児院における養育者のエンパワメント等。 【主な著書や監修書】 『子ども家庭支援の心理学』(アイ・ケイコーポレーション) 『新 乳幼児発達心理学―もっと子どもがわかる好きになる―』(福村出版)など

かじわら ちえ

梶原 知恵

KAJIWARA CHIE
企画・編集・ライター

大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。

大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。