子育てカウンセラーが助言 賢く手を抜く「ノンストレスの育児と家事」
保育・子育てカウンセラー井桁容子さん「ノンストレス育児のススメ」#3〜子育て&家事のバランス編〜
2021.12.23
保育・子育てカウンセラー:井桁 容子
「母親失格」? 家事・育児 ゆとりを持てる妥協点を探そう
子持ち家庭において、親の役目は育児だけではありません。家事や仕事など、やらなければいけないことがいくつもある時、優先順位のつけ方や取捨選択はどのようにすると良いでしょうか?
家事と育児を両立するうえで、バランスを上手く取るために意識することを井桁さんに教わりました。
「私自身、家事と育児と仕事の両立は、常に力量を試されているような日々でした。『これだと母親失格かも……』などと思って頑張りすぎてしまいがちですが、自分の心にゆとりを持てる行動を選択して妥協点を探しましょう。
毎日頑張って料理を作るより、時にはおかずが一品減っても、出来合いのものをテイクアウトしても、自分が笑顔で食卓を囲めることの方が大切です」(井桁さん)
リクエストに応えられないときは優しく思いを伝える
洗濯はその日のうちにしたい、キッチン周りをある程度片付けてから子どもの相手をしたいなど、自分流の段取りで家事をスムーズにやりたい方もいます。時間に追われる生活のなかで、子どもから「ママ、来て!」と呼ばれたら、イライラしたり焦ったり……。家事と育児の上手なバランスはどうすればよいのでしょうか。
「子どもが2歳を過ぎる頃までは、その子の思いをできるだけ優先して、すぐに応えてあげるように心がけること。どうしても手が離せなかったら、『ちょっと待って、これを終わらせたらすぐいくね』とワケを話して、そのあとに約束を守ること。
思いを譲らない母の姿を見せるか、思いがあるのに自分に譲ってくれる姿を見せるかで、子どもからの見え方が変わります。そういった場面で親が譲る姿勢を見せると、その後、子どもから譲ってくれるようになるのです」(井桁さん)
周囲と比べがちで、理想通りに物事が進まず、ついストレスを抱えてしまう子育て中の親。他人を頼ったり、合理的に進めたりすることは、決して悪いことではありません。親も子どもも「楽しめる」選択を心がけ、かしこく育児・家事を手抜きしましょう。
次回(#4)は、自分の育児を否定しないためのマインドの持ち方についてお話を伺います。
21年12月26日公開予定です(公開日までリンク無効)。
取材・文=柳未央(シーアール)
井桁 容子
保育・子育てカウンセラー。1976年4月から2018年3月まで東京家政大学ナースリールーム主任、東京家政大学非常勤講師として勤務。2018年4月よりフリーとなり、非営利団体コドモノミカタ代表理事、「保育の根っこを考える会」主宰を務める。保育士としての40年以上の経験を生かし、「子育て」をテーマに書籍の執筆やメディアでのコメンテート、講演活動を行う。
保育・子育てカウンセラー。1976年4月から2018年3月まで東京家政大学ナースリールーム主任、東京家政大学非常勤講師として勤務。2018年4月よりフリーとなり、非営利団体コドモノミカタ代表理事、「保育の根っこを考える会」主宰を務める。保育士としての40年以上の経験を生かし、「子育て」をテーマに書籍の執筆やメディアでのコメンテート、講演活動を行う。