「ベビーマッサージ」大切にすべき「3つのルール」とは? 国際的小児タッチセラピー専門家が解説

小児マッサージ専門家ティナ・アレンさんに聞く「ベビーマッサージ」 #1 ~心構え編~

国際リドルキッズ代表:ティナ・アレン

守るべき3つのルール

マッサージというと、とかく手順や手技を「正しく」行うことに意識が向きがちですが、決して難しく考える必要はありません。

これから伝える最低限のルールを守れば、あとは赤ちゃんと一緒に楽しむことが一番です。完璧にやることよりも、心地よさを大切にしてください。

1.リラックスして行う

マッサージは赤ちゃんにとって良いことずくめですが、だからと言って「やらなくちゃ」と義務感でやるのはおすすめしません。マッサージをする人の感情は、その手からすべて赤ちゃんに伝わってしまいます。

疲れていたりイライラしているときは、深呼吸をしたり、好きな音楽を聴いたり、お茶を飲んだりして、まずはママパパ自身が、リラックスするようにしましょう。

2.赤ちゃんの許可をとる

自分自身がマッサージを受けることを想像してみてください。何の前触れもなく突然体にふれられたり、マッサージをされたくないときに一方的にやられるのは嫌ですよね。赤ちゃんも同じです。

ぐずっていたり、機嫌が悪そうなときに、ママやパパの都合だけで無理やりマッサージをしてしまうと、ストレスホルモンが上昇し、かえってネガティブな効果をもたらしてしまいます。

まずは赤ちゃんの様子をしっかりと観察しましょう。リラックスしてご機嫌ならば、目を見て「マッサージしようかな」「マッサージしてほしいかな?」などと声に出して聞いてみてください。

このとき毎回、手をこすり合わせる動作をすると、赤ちゃんは次第にそれをマッサージを始める合図として覚えていきます。その合図を見ても変わらずニコニコとしていれば、マッサージを受ける準備ができていると判断できます。

このように、赤ちゃんの気持ちを尊重するコミュニケーションは、親子の信頼関係を深めることにもつながるのでとても大切です。

「赤ちゃんのためのマッサージ」P35より。

3.やさしい気持ちで

赤ちゃんの許可を得られたら、まずはマッサージをする部位にやさしく手を置きます。「これがママの手だよ」「この手で触っていくよ」と、手の感触や温かさを伝えてから動かしていきます。

やさしく触れることが大前提ですが、慣れないうちはソフトすぎる傾向があります。皮膚の表面を軽くなでさする程度だと、くすぐったく不快感につながることも。

ポイントは、手の平全体あるいは指全体を赤ちゃんの肌に密着させることです。皮膚の奥にある筋肉を意識しながら、ゆっくりと手を動かしてあげてください。

正確さより気持ちよくハッピーでいること

ベビーマッサージには体の部位に合わせていろいろな手技があります。

ひと通り覚えてしまうと、特別な時間を設けなくても、おむつ替えのついでやお風呂の後など、日常の様々さまざまな場面でマッサージを取り入れられるようになります。

必ずしも毎回すべてをやる必要はありません。その日の気分で変えてもいいですし、赤ちゃんの反応が良い部位や手技などを選んでやってもいいでしょう。

手を動かすスピードも、はじめはゆっくりやって様子を見る必要がありますが、慣れてきたら自由にアレンジして構いません。

遊びの一つとしてリズムにのって楽しくやるのも良いですし、落ち着いた雰囲気でリラクゼーションのためにやるのも良い。大切なのは、マッサージをする方もされる方も、双方が気持ちよくハッピーでいることです。

「赤ちゃんのためのマッサージ」P30より。

これまで何千組という親子を見てきましたが、ベビーマッサージをしているとき、みんな本当に幸せな愛にあふれた空気に包まれます。わが子が気持ちよさそうな顔をしているのを見ることで、マッサージをしてあげているママやパパも子育てに自信が湧いてくるようです。

正しいやり方や順番にこだわりすぎず、おおらかな気持ちで触れあいの時間を楽しみましょう。

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ベビーマッサージは、赤ちゃんの脳や体の発達にメリットがあるだけでなく、親子の信頼関係を深め、マッサージをするママやパパの心の安定にもつながることを、ティナさんから教えてもらいました。

次回2回目では、ベビーマッサージにまつわるさまざまな疑問に答えていただき、体の不調への対処法も教わります。

取材・文/北 京子

ベビーマッサージに関する記事は全2回。
2回目読む。
(※2回目は2024年10月15日公開。公開日までリンク無効)

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「赤ちゃんのためのマッサージ」著:ティナ・アレン

国際リドルキッズ協会
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39 件

ティナ・アレン

Tina Allen
財団法人国際リドルキッズ協会(Liddle Kidz®Foundation)創設者・代表。

1990年代に、作業療法士として活動。その後、米国内の多くの病院で研究を重ね、米国をはじめ日本や世界各国の医療機関と協力をしながら、科学的エビデンスのもとに医療ケアが必要な子どもたちに向けた小児タッチセラピーやベビーマッサージプログラムを開発。 ロサンゼルスの小児病院では、米国初の包括的小児タッチセラピーのプログラムを実施。 世界各国の医療を必要とする子どもたちを対象に行っている活動と功績を通じて多数の賞の受賞歴を持つ、小児タッチセラピーの第一人者。国際会議等での招待講演の実績もあり。 日本では国立成育医療研究センター、大阪市立総合医療センター、大阪発達総合療育センター、東大寺福祉療育病院などで小児タッチセラピー指導も。 夫と息子のオーティスとともに、愛あるタッチを全米、全世界に広めるため、自身のツアーバスで365日旅しながら移動している。 国際リドルキッズ協会HP https://liddlekidz.jp/

1990年代に、作業療法士として活動。その後、米国内の多くの病院で研究を重ね、米国をはじめ日本や世界各国の医療機関と協力をしながら、科学的エビデンスのもとに医療ケアが必要な子どもたちに向けた小児タッチセラピーやベビーマッサージプログラムを開発。 ロサンゼルスの小児病院では、米国初の包括的小児タッチセラピーのプログラムを実施。 世界各国の医療を必要とする子どもたちを対象に行っている活動と功績を通じて多数の賞の受賞歴を持つ、小児タッチセラピーの第一人者。国際会議等での招待講演の実績もあり。 日本では国立成育医療研究センター、大阪市立総合医療センター、大阪発達総合療育センター、東大寺福祉療育病院などで小児タッチセラピー指導も。 夫と息子のオーティスとともに、愛あるタッチを全米、全世界に広めるため、自身のツアーバスで365日旅しながら移動している。 国際リドルキッズ協会HP https://liddlekidz.jp/