成績ビリの女子中学生が早稲田大学国際教養学部へ合格するまでの子育て術
【コーチング子育て】子どもの個性を見抜き、教えずに導く方法 #3
2023.03.01
SoZo株式会社 代表取締役:あつみ ゆりか
そもそも私が子どもにコーチングしようと思ったきっかけは長女の存在でした。
中学受験をして中高一貫校に入学し、間もなく行われた中間テスト。そこで220人中200位というシビれる成績をとってきます。やる気もあって、勉強量も不足しているわけではないのに……です。
初回はそういうこともあるかと思って、本人の自主性を重んじて、放っておきました。しかし夏休み前のテストでも同じようにビリを取ってきたのです。
勉強しても成績が上がらない!のからくり
そもそも中学1年生の学びはさまざまな教科がいったんリセットされる時期だと思います。小学校で先のことをやってきた子もいるでしょうが、中学の授業でそれを前提に授業が省かれることは、ほとんどの学校ではありません。
その中でビリを取るということは勉強のやり方に明らかに問題がある。そこで、長女に数学と英語の問題を目の前で解かせてみることにしました。
すると英語と数学で共通の課題があったのです。それは数学であれば公式、英語であれば単純な文法を「知っていれば解ける」問題をゼロからいちいち考えていたのです。この課題の特定を早い時期にできたことは非常に有効でした。
夏休みをかけて「これは考える問題なのか?」「知っていることで解ける問題なのか?」を問いかけ、そこだけに着目し、少しだけ私が勉強を見てあげることを並走していきました、これが第一段階です。
しかし以後、私が勉強を教えたのは、後にも先にもこの時期のみ。親が勉強を教えるということを常態化させてしまうと子どもの自走力を妨げてしまいます。ではどうするのか?
──それは「質問力を磨くこと」です。
専門家である先生に聞く、成績の良い子に聞く「質問力」が成績を伸ばす
次に長女に課した課題は「先生に聞きに行く」でした。これはコーチング子育ての上でとても重要な子どもに課すべきお題です。
多くの子どもは「先生が嫌い」「恥ずかしい」「何を聞いたらいいかわからない」という理由を付けて先生に質問しに行きません。
成績を上げたいなら、その教科で専門家であり、試験問題を作っている先生に聞くのが一番良いのです。
しかし、子どもたちが自らそれをやり始めるか? というと難しい。ここが親の出番です。
テストで点が取れなかった領域は「覚えていなかったの? わからなかったの?」という問いを立てて、「わからなかった」場合は「先生に聞きに行きなさい」と強制します。その上で、行ったのかという事実と、その質問への回答内容をしつこく確認していくんです。
子どもが「なんて言われたのか?」「何がわかっていなくて、何がクリアになったのか?」をきちんと話せるかは「理解したかどうか」のチェックにもなりますし、本人の知識の定着にも役立ちます。
また、先生に質問できるようになると、成績優秀な友達にも質問できるようになります。そういった子の勉強法は非常に実践的。事実、長女の成績が踊り場状態になった際に【友達に質問→その勉強法を実践】したところ、成績がさらに伸びていきました。