学童期の発達障害グレーゾーンの子の困りごと 具体的な対処法を紹介

#3 「授業についていけない」「かんしゃくを起こす」そんな困りごとを解決

学童期の困りごと② かんしゃくを起こす場合

スイッチが入りやすいポイントを共有する

自分の気持ちを抑えることが苦手な子の場合、集団生活が始まると、ささいなことで友達とケンカをしたり、暴れたり、泣きわめいたりしてしまうことがあります。このようなときに、子どもを𠮟っておとなしくさせようとするのは逆効果です。怒られることでさらにストレスがたまり、かんしゃくに拍車がかかることがあるからです。

一般的に、かんしゃくは年齢が上がるにつれて落ち着いていきますが、まだしばらくは支援が必要です。かんしゃくを起こしやすい子は、保育園や幼稚園でもそういう場面があったはずです。対処法とともにその情報を学校の先生にも伝え、対応をお願いしましょう。

また、子どもがかんしゃくを起こすのは、心身に疲れがたまっているサインのことも。家ではゆっくり休ませてあげてください。

スイッチの見極めが大切

小学校に上がると関わる人が増え、周りからの刺激も増える分、かんしゃくのスイッチが入る場面も多岐にわたります。

①気持ちの切り替えがうまくできない
物事が思い描いたとおりにいかなかったり、自分のペースを乱されたりしたとき、気持ちの切り替えがうまくできず、かんしゃくとなって現れることがあります。

②光、音、触感など、苦手な刺激に耐えかねて起こる
感覚の過敏は、成長とともにある程度我慢できるようになりますが、就学前後はまだむずかしく、イライラが募って爆発することも。

③周りの子が興奮をあおる
好きなことの邪魔をされたり、でこぼこに対してからかわれたりと、周りが興奮をあおるパターンも。本人は気持ちをうまく言葉にできず、かんしゃくへとつながることがあります。
例:「なんで図鑑ばっかり読んでるんだよ 外で遊ぼうぜ!(図鑑を取り上げる)」

気持ちをうまく言葉にできず、かんしゃくにつながることも。発達障害グレーゾーンの子の育て方がわかる本』より
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学校への情報提供がものをいう

かんしゃくを起こしやすい子は、保育園・幼稚園のころにもその片鱗が見えていたはず。就学後もやはり、家族からの具体的な情報提供が鍵となります。

かんしゃくのスイッチと対処法を先生に伝える
どんなときにかんしゃくが起き、家ではどう対応しているか、園ではどうしてもらっていたかなど、具体的に先生に伝えましょう。

本人にも、落ち着く方法をレクチャーする
気持ちを落ち着かせる自分なりの方法を本人が身につけられるとベスト。「深呼吸する」「目をつむって10数える」など家でいろいろ試してみましょう。

3回にわたって、発達障害グレーゾーンの子どもの困りごとについてのアドバイスをお届けしてきました。さらにくわしい説明は、書籍をご覧ください。

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『発達障害グレーゾーンの子の育て方がわかる本』
発達障害、グレーゾーンの子たちへの声かけ、ほめ方、環境づくり、就学準備、学習支援など幼児期から学童期までの子どもとの関わり方や工夫の仕方を紹介、困りごとに向き合うヒントが満載の一冊です。

『発達障害グレーゾーンの子の育て方がわかる本』  横須賀市療育相談センター所長・広瀬宏之/監修
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