自閉症は隠さない! アメリカでの療育生活から見えてきた ネガティブを転換する子育て方とは⁉

GAKUが自閉症アーティストになるまで #1 パパ・佐藤典雅さんインタビュー

株式会社アイム代表:佐藤 典雅

ネガティブを受け止める

典雅さんは福祉施設を運営している関係から、保護者の方、特にお母さんからの悩みや相談をよく聞くといいます。そこで辿りついたのが「悩むことは止めよう」ということ。

典雅さん:障害の有無に関わらず、「どうにもならないこと」は誰にでもあります。生きていたらいろいろありますから。

でも、それを笑い飛ばすようなメンタリティを持っていないとしんどくなると思うんです。ただ、だからといって、ただのポジティブシンキングは危険。

典雅さんは、経営する放課後デイ等を通して、延べ500世帯以上の家庭とかかわってきました。  撮影:葛西亜理沙

典雅さん:本当のポジティブシンキングは、ネガティブをしっかり受け入れたうえで理解して、転換したうえでの賜物。ネガティブをごっそりスルーして、見ないふりをしてポジティブだけで進んでいくのはNGです。

日々過ごしていくだけで、不安はもちろん、困ったことも、悩みもたくさん出てきます。そのときはまず、優先順位は何なのかを整理して、どこまで悩むべきかのリミッターを自分の中でかけるんです。そして、それを超えたら、もうどうにもならないことを認めること。

保護者が難しく考えていることって、突き詰めると「親の悩み」だったりする。目の前の課題に対して、子ども自身が本当に困ったり迷ったりしなければ、親が気持ちを切り替えていくしかないんですよね。悩むよりも、どうやったら親子でエンジョイできるかを考えていけばいいんですよ。

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典雅さんが語る佐藤家のドタバタは、こちらに勇気と笑いを与えてくれます。この子育てスタンスが、がっちゃんの力強くてやさしい、そして何よりハッピーな作品たちに見え隠れしているよう。

次回2回目は、がっちゃんがアーティスト・GAKUになるまでのお話です。アーティスト・GAKUに欠かせないアートディレクターのCocoさんを交えて引き続き、話を伺います。

取材・文/遠藤るりこ
協力/アップルシードエージェンシー

自閉症アーティスト・GAKUの連載は全3回。
2回目を読む。
3回目を読む。

3年ぶりとなるGAKUの個展が開催決定!
2024年1月19日(金)~28日(日)、二子玉川ライズホールにて。
440平米の広大な空間に原画120枚を展示予定。

23 件
さとう のりまさ

佐藤 典雅

Sato Norimasa
株式会社アイム代表

株式会社アイム代表。BSジャパン、ヤフージャパン、東京ガールズコレクション、キットソンのプロデューサーを経て、自閉症である息子のために福祉事業に参入。神奈川県川崎市で発達障害の児童たちの生涯のインフラ構築をテーマに活動、放課後等デイサービスやグループホームを運営している。著書に『療育なんかいらない!』(小学館)、『GAKU,Paint! 自閉症の息子が奇跡を起こすまで』(CCCメディアハウス)がある。 2001年生まれの長男・佐藤楽音(GAKU)は、自閉症アーティスト。 株式会社アイム:http://imhappy.jp https://bygaku.com/

株式会社アイム代表。BSジャパン、ヤフージャパン、東京ガールズコレクション、キットソンのプロデューサーを経て、自閉症である息子のために福祉事業に参入。神奈川県川崎市で発達障害の児童たちの生涯のインフラ構築をテーマに活動、放課後等デイサービスやグループホームを運営している。著書に『療育なんかいらない!』(小学館)、『GAKU,Paint! 自閉症の息子が奇跡を起こすまで』(CCCメディアハウス)がある。 2001年生まれの長男・佐藤楽音(GAKU)は、自閉症アーティスト。 株式会社アイム:http://imhappy.jp https://bygaku.com/

えんどう るりこ

遠藤 るりこ

ライター

ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe

ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe