東大卒のママ医師がひかれたモンテッソーリで一番大切にする“観察”とは?
モンテッソーリ教師・田中昌子先生×東大卒のママ医師・森田麻里子先生の子育て対談#1〜観察編〜
2021.11.30
編集者・文筆家:高木 香織
赤ちゃんの「ねんねトレーニング」や科学的な子育てで注目の東大医学部卒ママ医師・もりたま先生こと森田麻里子先生が、最近モンテッソーリ教師の田中昌子先生の勉強会に入会した、と聞きつけました。
もりたま先生は、モンテッソーリを学ぶうちに出合った『モンテッソーリで解決! 子育ての悩みに今すぐ役立つQ&A68』を読んで、とても感銘を受けたといいます。
「田中先生に聞きたいことがあるんです!」というもりたま先生の熱い思いを受けて、対談が実現。もりたま先生が聞きたいことって、いったい何!? (全3回の1回目)
モンテッソーリ教育に出会って 避けて やっぱり戻って感動
――2020年に森田先生は田中先生が主宰されるIT勉強会「てんしのおうち」に入られたそうですが、どこで知ったのですか。
森田麻里子先生(以下もりたま先生):次男が生まれるときに、インターネットで検索しました。以前からモンテッソーリ教育は知っていたんですが、手作り教具などが面倒というイメージが優先し、私には合わないと思い込んでいたんです。でも、それじゃいけない、ちゃんと調べて、まず勉強してから判断してみようと思ったんです。
これから赤ちゃんが生まれるのにスクーリングに通うのはムリ、と思っていたら、オンラインでできる勉強会があると知って。しかもすごくきちんとした先生がやっていらして、歴史もある。オンラインなら赤ちゃんが生まれても安心して自宅で参加できます。じゃあこれを一度ちゃんとやってみよう、というのが入会のきっかけです。
田中昌子先生(以下田中先生):入会申し込み書には東大医学部卒のお医者さまだなんて一切書いてなくて、普通のお母さんという感じだったんです。入会動機に「睡眠のことを相談されることがあるので」とだけだったので、あとから大人気のママ医師と知ってすごく驚いたんですよ。
――モンテッソーリ教育とは、100年以上前も前に、イタリアで初めて女性の医学博士となったマリア・モンテッソーリが確立した、革新的なメソッドです。将棋棋士の藤井聡太さんや、グーグル創始者のサーゲイ・ブリンとラリー・ペイジ、英国王室のウィリアム王子や長男のジョージ王子などがモンテッソーリ教育を受けていたことで、広く知られるようになりました。
IT勉強会「てんしのおうち」には、いつ頃入会されたのですか。
もりたま先生:2020年9月に次男が生まれて、11月から勉強会がスタートしました。動画の中で田中先生が紹介してくださった参考図書と、図書館の検索サイトで検索し、モンテッソーリ教育についてのよさそうな本を探してみんな読みました。
その中に、『モンテッソーリで解決! 子育ての悩みに今すぐ役立つQ&A68』があったんです。読んでみたら、すごくわかりやすい。悩み解決の実例やハウツーもあるけれど、モンテッソーリ教育の考え方がしっかり書かれていることにひかれました。
「これは手元に置いておきたい本だな」と思って、購入したんです。
田中先生:この本には「てんしのおうち」に寄せられた約2万通もの悩みをもとに、代表的な実例を68ケース載せましたが、実際には子どもの数だけお悩みがあって、それぞれ背景も違うんですね。
モンテッソーリの理念を納得して自分のものにしていくと、自分で判断できるようになる。そうすれば目の前のお子さんのシチュエーションに合わせた解決法が自然に見つかります。
「てんしのおうち」では、2年間学んだ後に卒業レポートを提出していただくんですが、「子育ての軸ができました」「拠りどころが持て、自分で判断できるようになりました」という声をたくさんいただきます。
自分で判断できるようになると、子育ての悩みが少なくなっていくんですね。