「いつもスーパーで買っている野菜、どんなふうに畑で育つのか、子どもに見せてあげたい」、「子どもと一緒に育てた野菜を収穫できたら楽しそう」など、野菜づくりに興味を持っている方、多いのではないでしょうか?
また、「土に触れて、野菜を育てるのはとてもいい経験になるのでは」「自分で育てた野菜なら野菜嫌いが克服できるかも?」など、食育になると考えるお母さんもいるでしょう。
でも、野菜をつくったことがない、はたして自分にできるのか……など、野菜づくりはハードル高めで難しそう、と腰が引けてしまう人も多いと思います。
小学2年生の生活科では「野菜づくり・観察」が夏休みの課題になっています。小さいころから親子で野菜づくりに親しんでおけば、課題も楽しみながらクリアできるかもしれません。
そこで、『野菜づくり、はじめます!』を上梓した漫画家であり、日本家庭園芸普及協会認定・グリーンアドバイザーの荻野千佳さんによる「子どもと楽しむ野菜づくり」を前編、後編の2回で紹介していきます。
畑や庭がなくても大丈夫、本格的な道具は必要なし!
知識ゼロから野菜づくりを始めて、今や本の著者となるほど、野菜づくりにのめり込んだ荻野さん。
「私自身が“野菜づくりって難しそう”“私にできるのかなあ?”と心配事ばかりだったので、始めたい人の不安はよくわかります。なので、初心者でもラクにできて、子どもと楽しめる野菜づくりを紹介しますね」
ではまず、何から準備すればいいのでしょうか?
「畑や庭があるご家庭もあると思いますが、誰でもすぐにできるという意味ではプランター菜園をおすすめします。プランターについては、後で説明しますが、まず必要な道具は、①ジョウロ ②ハサミ ③スコップ の3つです」
たった3つでいいなんて、少し驚きです! ジョウロは好みのもので、ハサミはとりあえず文具用でも構いません。
熱中症&虫除け対策に帽子、長袖で
「畑に出ることはないので日射しは弱いにしても、ベランダや軒先での作業になるので、気をつけたいのは熱中症です。油断せず帽子はかぶったほうがいいですね。また、ハサミを使うので作業用の手袋を着けたほうがいいです。これから暑くなりますが、日除け、虫除け、ケガ防止などから長袖、長ズボンで作業したほうが安心ですね」
帽子や長袖、長ズボンは新しく揃えなくても、持っているものでもいいし、気温が上がってくれば冷感タイプの長袖もあるので利用してもいいでしょう。
「作業用手袋はアウトドア用で、手のひら側がゴムになっているものが強度もあり、すべらないのでおすすめです。ホームセンターや作業服屋さんで99円から売っています。子どものサイズがない場合は、子ども用軍手にも手のひら側がゴムになっているものがあります」
プランターと培養土があれば準備OK!
道具と作業着は持っているものでほぼなんとかなりそうですが、肝心の野菜づくりに必要なプランターは野菜づくりの経験がいないと家にはありません。サイズや形などはどういったものがいいのでしょうか?
「つくる野菜によってプランターのサイズや形は違います。通常はつくる野菜を決めてからプランターを決めますが、今回、初心者向けの野菜づくり(ニラ、ベビーリーフなど)を後編で紹介しますので、6~7号の小型タイプを用意してもらうといいでしょう」
「そして、“培養土”という土があれば、後は野菜の種をまく、もしくは苗を植えれば野菜は育ちます。培養土というのは、有機物を混ぜた土で、元肥(種や苗を植える前に入れる肥料)が不要なんです」
では、野菜づくりスタート! ですが、何を植えたらいいのでしょう? 何がつくりたいはひとまずおいておいて、初心者が失敗しにくく、野菜づくりが楽しい! と感じられるものについて、荻野さんのアドバイスはひと言です。
具体的な野菜のつくり方は後編に続きます。
マンガ/荻野千佳 『野菜づくり、はじめます!』より抜粋
荻野千佳(おぎの・ちか)
漫画家、イラストレーター。公益社団法人日本家庭園芸普及協会認定・グリーンアドバイザー。
富山県出身、東京都在住。2016年より家庭菜園をはじめ、現在は農業体験農園に参加中。
野菜の育て方を自身の経験と図書や農家への取材をもとに発信。著書に『野菜づくり、はじめます!』(SBクリエイティブ)、『マンガと図解、写真でまるわかり プランター菜園をはじめよう』(ブティック社)などがある。
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時政 美由紀
1965年兵庫県生まれ。立命館大学産業社会学部卒業後、出版社勤務を経て、2010年、編集・出版企画 ㈱マッチボックスを設立。出版社時代から現在に至るまで企画・編集した書籍・ムックは300冊以上。女性のライフスタイル全般、料理、子育てなどの実用書を中心に活動。2018~2021年、茨城新聞「論壇」にて連載。自著に『50歳から結婚してみませんか?』(朝日新聞出版)。
1965年兵庫県生まれ。立命館大学産業社会学部卒業後、出版社勤務を経て、2010年、編集・出版企画 ㈱マッチボックスを設立。出版社時代から現在に至るまで企画・編集した書籍・ムックは300冊以上。女性のライフスタイル全般、料理、子育てなどの実用書を中心に活動。2018~2021年、茨城新聞「論壇」にて連載。自著に『50歳から結婚してみませんか?』(朝日新聞出版)。