思春期の子どもを持つ親が心がけたいこととは?
子どもが思春期に突入したら、親も自分の子育てを見直す時期です。なんでも親と一緒で、親の価値観で生きてきた幼いころと違って、子どもも自分の意志を持って歩き出します。
したがって、いつまでも子ども扱いせず、独り立ちをバックアップする姿勢が必要です。
「思春期の子育ての基本スタンスは、『子どもから離れて見守る』ことです。親としての責任や愛情はありますし、これまでどおり、口も手も出したい衝動に駆られますが、そこはグッと我慢してください。
必要以上の干渉は支配にもつながると心に留めておきましょう」(諸富先生)
子どもが大人になるためには、先生のいうように確かに一歩引くことは大切です。しかし、思春期はまだまだ未熟な時期。上手に見守るコツはあるのでしょうか。
「ズバリ“話しやすい空気”を必要なときにつくることです。普段は意識的に子どもと距離をとりますが、助けてほしそうなときには『話せばスッキリすることもあるよ』と親からサラリと伝えて、弱音をいえる場を提供してあげられるといいですね」(諸富先生)
ジャッジは不要! この時期は“導く”から“寄り添う子育て”へシフト!
「前述の『見守る』でも少し触れましたが、『寄り添う』ことも思春期の子どもを持つ親が心がけたいことです。
大人へと成長する段階の子どもは、もう大人が一方的に導く存在ではありません。かといって、まったく手放していい時期でもありませんから、必要なときに側で支えられる親になりたいものです。
『寄り添う』で大事なポイントは、子どもに共感することです。
親は子どもから助けを求められたら、それに対して答え=ジャッジをしてしまいがちです。しかし、それは示さないでください。余計なジャッジをすると、親任せの人生態度をつくることにもなりかねません。
いい・悪いは親が考えることではなく、子ども自身が考えて気づいていくべきことです。ですから、親は子どもの話をただ聞いて、つらさや悲しみをそのまま受け止めてあげるだけでOKです」(諸富先生)
「つらい気持ちを親がわかってくれた」「自分の意見や思いが通じた」という経験が子どもの中で積み重なっていくと、親への信頼度も増していきます。それがまた、必要なときに“寄り添える子育て”につながります。