【専門医解説】10人に1人が体外受精療で誕生「妊娠=勝ち組」じゃない理由とは?「妊活の夫婦関係」大切な3つのポイント

終わりから考える妊活 #2

髙崎 順子

(イラスト:ハラユキ)
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不妊治療、いつまで続ける? 悩んだ時に知りたいこと

令和4年(2022年)から保険適用が拡大された不妊治療。

お金の負担は減りましたが、何度も通院して治療を受けるので、心と体にはやはり負担がかかります。特に治療の中心になる女性には、その期間が長引くにつれて、精神に不調が出たり、家族仲が悪くなってしまう、ということも。

子どもを授からないまま治療を終えた場合は、悲しみや苦痛を繰り返し感じるPTSDの症状が出てしまう人もいます。

不妊治療中の心理ケアを研究する古賀文敏先生(日本生殖心理学会・理事長)は、産婦人科医として不妊治療を30年近く手がけてきた専門家。「不妊治療で人生が揺らぐのを避けるために、気をつけるといい点がいくつかあります」と話します。

できるだけストレス少なく不妊治療に向き合うには、どうしたらよいのでしょう。

心や人間関係を守りながら、治療に取り組むポイントは?

この記事では「終わりから考える妊活」をテーマに、不妊治療の現場に立つ古賀先生と、具体的なヒントを探ります。

「10人に1人」が生殖補助医療(体外受精など)で誕生

不妊治療には大きく分けて、二つのカテゴリーがあります。

一つは、女性の体内に精子を入れて卵子と受精させる「一般不妊治療」(人工授精など)。もう一つが、体の外で受精させた胚細胞を女性の体に戻す「高度生殖補助医療」(体外受精・顕微授精による胚移植など)です。

治療が成功して妊娠する確率は、女性の年齢や体の状態によって変わります。医療が進んだ現代では、10人に1人の子どもが生殖補助医療(体外受精など)を経て生まれるほどに普及しています(※)。

(※ 厚生労働省の人口動態統計(2022年)および日本産科婦人科学会の調査結果(2022年)より)

保険適用となるまで、不妊治療の医療費はもともと全額が自己負担でした。特に「生殖補助医療」は1回あたりの費用が数十万円もかかり、ハードルの高いものでした。

それが保険適用となり、自己負担3割まで負担が減ったのが、2022年(年齢と回数の制限あり)のこと。

2007年から福岡で不妊治療専門のクリニックを営む古賀先生は、この「保険適用の前と後」で、不妊治療を始める人たちの心持ちに、変化があったと感じています。

体外受精を早い段階で始める人が、増えた

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