子育ての新境地! 「AI時代」を生きる子どもに親が本当にするべきこと

『AI時代の子育て戦略』(著・成毛眞)を3児の母ライターが読み解いた

筒井 裕子

好きなことをとことん極めた人間は強い

また、親がなんとなくならいごと自体を選ぶ傾向ってありますよね。
もっと大きなところで言えば子どもの進路も。
もちろん高いお金を払うのは親なわけで、無意味なことはやらせたくない、って思うのは当然です。

わが家も最近、4歳の娘がやたらと英語を習いたい!  としつこくて(おそらく英語のテレビ番組を見た影響)。個人的には週に1回、40分の授業でバイリンガルに育つのかよ! と、あまり気が乗らないまま、ひとまず始めてみたところです。

娘はというと、毎日でも行きたい! と言っているほどハマっていて。
家でも英語の教材DVDで歌って踊ってを繰り返しております。なら通わせた甲斐はあったのかなって思えたところですが、この本を読んで、そもそもの考え方が変わりました。
英語の習得のみが最終目標だと勝手に決めつけていた自分を改めることになりました。

写真:アフロ

本の中で成毛さんと堀江貴文さんの対談があり、すべてとても興味深いお話なんですけど、中でもサッカー好きな子どもがサッカーの強い高校に行きたがっていて、でも親の考えは、どうせプロになれるわけじゃないし、普通の高校に行って大学進学を目指してほしいというお話があって。
これに対して堀江さんは「サッカー選手になること以外は全部挫折」って考えがとても窮屈だと言います。
サッカーにハマることで、そこから関連する仕事、可能性はいくらだって広がっているし、「プロになれなくても得るものはある」という考えなんですね。

成毛さんも、好きなことを続けたという事実に意味があり、好きなことをしているときは自信を持つことができる。自信を持っている人間は社会に出たとき圧倒的に強いと言っています。

わが子の、しかも幼稚園生のならいごと話とはスケールが違いますけど(笑)、でも英会話教室でみんなの前で自信を持って発言している姿や、全力で歌って踊る姿を見て、やらせる価値は英語習得だけではないことを確信しているところです。

“変わってる子” もはや褒め言葉? これからは個性で生きる時代

(株)LITALICO社長、長谷川敦弥さんとの対談は、とても勇気付けられ、これからの子育てにやたらワクワクした章でした。“変わっている子ほど、これからの時代を生き抜く力を持っている”という話なんです。

この本を読んでみて、まず自分はなんて平凡な人間なんだろう、と改めて思い知らされたんですけどね、そんな私から出てきたはずのわが子、特に息子は、個性が強いというかなんというか、幼児期から一筋縄ではいかず、常に想像のななめ上をいく子でした。子どもの個性に戸惑ったり悩んだりした経験をお持ちの方、この対談、ぜひ読んでください!
 
ちょっと極端な例えですけど、身近にいたら変わったやつだなという扱いの子も、インターネットが普及して全世界に発信できる今、YouTuberとして有名になったら数万人のファンがつくみたいな可能性がありますよね。
YouTuberになってほしいと願うかどうかは別として、でも要は、そういうチャンスがゴロゴロ転がっている時代、これからは個性がより武器になるってこと!!

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