赤ちゃんからはじめよう! 家庭でもできる「プレゼン力向上講座」

プレゼンアドバイザー・ 竹内明日香さん#2 子どもの成長別「話す力」「伝える力」を鍛える方法

プレゼンアドバイザー:竹内 明日香

恥ずかしがりや子どもへのフォローはこうする!

竹内さん「とはいえ、臆せずに『こんにちは』とあいさつするのは大人だって気後れすることがありますよね。ですから、子どもの性格によってはあいさつはとてもハードルが高いこともあります。すぐには言えなくても、時間をかけたら言えるようになるかもしれない。もしかしたら2回目からは言えるかもしれない。できないことには、なにか理由があるかもしれないですよね。

もし、聞こえないようなささやき声で言ったのなら、お父さん、お母さんがフォローしてあげましょう。
『あ、聞こえました? “こんにちは”だそうです!』と代弁してあげてください。それでも、子どもは自分で言えた! と錯覚しますから、これで経験値1ポイント獲得です。

次のチャレンジは、『今からお隣のおうちにお届けものに行くから、ママより先にこんにちはと言ってね』と、シチュエーションまで想像させ、さらに道すがら『こんにちは! こんにちは!』と練習してからピンポンをします。それでも言えないときは『さっきは言えたんですよね~』とまたお父さん、お母さんがフォローしてあげましょう。もしかしたら、お隣のおばさんが『さっき聞こえていたわよ』と言ってくれるかもしれません。そうしたら経験値2ポイント目を獲得です!

こんなふうに経験値ポイント獲得を重ねていき、『こんにちは』がちょっとでも言えたらすごく褒めてあげてください。するとそのうち、『今日、こんにちは、って言ったんだよ』と報告したりするようになりますよ。これは自分で自信を深めていくことができるとても大切なプロセスなんです」

子どもたちへの“プレゼン力授業”の様子。  画像提供:アルバ・エデュ

“第三の大人”に褒められることで自己肯定感を強化する

家族以外の大人に、声を出してあいさつをして褒められる経験は、幼い子の心にも「認められた」「自分はできた」という自信をもたらすことになるという竹内さん。

竹内さん「先ほどの地域コミュニティのあり方などにもつながるのですが、私が学校でプレゼン講座をしたかったのは、私自身が“第三の大人”になれるからというのが大きな理由でした。

学校の先生たちは大変です。勉強を教える以外にも、教育周りのいろいろな仕事があって余裕がない。そういう事情から、本当はもっと子どもたちと関わりたいのに生徒を褒める時間的余裕がないこともある。実際に小中学校の先生方からそんな悩みを聞いたこともあります。

私は、いつも会っている親や学校の先生だけではない、違う角度で子どもを見ることのできる“第三の大人”という存在になりたいな、と思っています。そんな第三の大人の存在が、現代の子どもたちに必要なのではないかと思うのです」

第3回は実際にプレゼン講座で行っている「いい声の出し方」を紹介します。

取材・文 上坂美穂

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たけうち あすか

竹内 明日香

プレゼンアドバイザー

『一般社団法人アルバ・エデュ』代表理事。 東京大学法学部卒業。日本興業銀行(現みずほ銀行)にて、国際営業や審査等に従事後、独立。海外投資家向けに情報提供や日系企業の情報発信(企業プレゼン等)支援を提供。2014年、子どもの「話す力」の向上を目指す『一般社団法人アルバ・エデュ』を設立。2022年現在、話す力を育むプログラムを11の自治体に導入している。 株式会社日陸(2022年10月1日よりNRS株式会社)社外取締役。 公立小元PTA会長。二男一女の母の三児の母。『一般社団法人未来の先生フォーラム』理事。音羽の森オーケストラ『ポコアポコ』主宰。 子どものプレゼン教育に関する最新著書『すべての子どもに「話す力」を――1人ひとりの未来をひらく「イイタイコト」の見つけ方』(英治出版)を2022年5月に発売。

『一般社団法人アルバ・エデュ』代表理事。 東京大学法学部卒業。日本興業銀行(現みずほ銀行)にて、国際営業や審査等に従事後、独立。海外投資家向けに情報提供や日系企業の情報発信(企業プレゼン等)支援を提供。2014年、子どもの「話す力」の向上を目指す『一般社団法人アルバ・エデュ』を設立。2022年現在、話す力を育むプログラムを11の自治体に導入している。 株式会社日陸(2022年10月1日よりNRS株式会社)社外取締役。 公立小元PTA会長。二男一女の母の三児の母。『一般社団法人未来の先生フォーラム』理事。音羽の森オーケストラ『ポコアポコ』主宰。 子どものプレゼン教育に関する最新著書『すべての子どもに「話す力」を――1人ひとりの未来をひらく「イイタイコト」の見つけ方』(英治出版)を2022年5月に発売。