親子で「ペアプログラミング」 子どもの将来を広げるプログラミング的思考

プログラミング教育“はじめの一歩”#3「遊びの中で楽しく学ぼう」

茨城大学准教授:小林 祐紀

将棋や囲碁を楽しむことでプログラミング的思考が育まれます。 写真:アフロ
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2020年度から始まった小学校でのプログラミング教育。プログラミング的思考とは課題解決に向けて論理的に考えられる力を指しますが、おうちでは【楽しく】【体験する】ことが重要です。

全3回シリーズの最終回は、おうちで親子でできる、積み木や本を使ったプログラミング的思考の鍛え方を、茨城大学准教授の小林祐紀先生に伺いました。

積み木を使ったペアプログラミング

「プログラミング教育は1人で取り組むよりも、複数で体験したほうがその力が伸びるという研究結果が出ています。

家庭であるなら親子で一緒に楽しんで体験することが、プログラミング教育のより強い動機付けになるでしょう。二人一組で取り組むことはペアプログラミングといって立派な手法なんですよ」(小林先生)

例えば、二人でできるプログラミング的思考を伸ばすゲームとして、囲碁や将棋を真っ先に思い浮かべる方もいるでしょう。確かに先を読むことで見通す力につながり、順次処理や条件分岐、デバッグといった力が育まれます。しかし、小林先生はもっと手軽にできることがあるといいます。

「私は積み木をオススメします。あるお手本の形があって、子どもにその形に積み木を重ねるように伝えるのです。つまり、達成すべき姿を目指して形にしていくことで順次処理を学べます。

ただし、あくまでもお手本はひとつの目標としてください。子どもは作りながら、いい表現を見つけていくことがあるからです。

設計図通りではないけれどよりよい処理方法が見つかったら、『そういう方法もあるね』と受け入れてあげることが大切です」(小林先生)

問題発見と解決を繰り返す

「あるいは、自分でコースを作ってビー玉を転がして遊べるブロックや積み木のおもちゃも面白いです。

この遊びのいいところは、ビー玉がうまく転がらなかった場合、バグ(誤り)を見つけて細かくデバッグ(修正)処理ができることです。子どもたちは問題発見と解決を繰り返して、自分の意図する動きを達成していきます」(小林先生)

お手本を参考にしながら形を作っていくという方法は、学校では図工の時間で扱うこともあるようです。積み木は誰もが幼い頃に遊んだおもちゃではありますが、小学生にとっても十分にプログラミング的思考を育てる役割を果たすことができます。

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