SDGsは買い物から始められる!子どもと「エシカル消費」にチャレンジ

SDGsで子どもの未来を創ろう#2「エシカル消費を始めてみよう」

一般社団法人エシカル協会理事:竹地 由佳

ものの「過去」「現在」「未来」を考える

何を買うかだけでなく、買った後や使っているときにも「エシカル」を心がけることがきます。そのためのヒントが、物の「過去」「現在」「未来」を考える、という方法です。竹地さんが解説します。

「『過去』は、商品がどこで誰にどうやって作られたのかを想像してみること。『現在』は、作ってくれた人のことを想い、大切に永く使うこと。『未来』は、自分が使えなくなった後に必要な人がいないかを考えてみることです。

子どもと一緒に考えるなら、わかりやすい『洋服』がおすすめ。

まずはクローゼットにある洋服のタグを見て、生産国の表記などを確認します。『〇〇ちゃんの大好きなこのTシャツ、どこでどんな人たちが作ったのかな? 』と、子どもが想像しやすい言葉をかけながら、洋服の『過去』について考えていきます。

『GOTS』などのオーガニックコットンを示すラベルがついていれば、安心できる環境で生産されたことがわかりますし、情報が少なければ『次は作った人がわかる服を買おうね』などと話すのも良いでしょう。

そして、日々の暮らしのなかで、折をみて子どもに『大切に着ようね』と伝えます。ここはついつい忘れてしまいがちですが、お気に入りの洋服を着ているときなどに、意識して声がけするといいかもしれません。

サイズアウトや衣替えのときが、『誰にあげられるか』という服の『未来』を考えるタイミングです。

子どもはすぐに大きくなってしてしまうので、服のサイズが合わなくなってしてしまうことも多いですよね。大切に着た服であれば、次に『他の誰か』が着てくれるのはうれしいことです。

我が家では、『〇〇ちゃんの弟くんにあげようか』など、息子と一緒に相談して決めています」(竹地さん)

竹地さんが提案して保育園に設置してもらった「おさがりBOX」。ちょっとしたアイディアで、ものの「未来」を広げることができます。 
写真提供:竹地由佳

それぞれは小さなことでも、普段使っている『もの』としっかり向き合う機会は、意外と少ないのではないでしょうか。ものがあふれている時代だからこそ、子どもと一緒にじっくりと向き合い、考えてみたいものです。

『子どもの服を知り合いにあげる』などは、普段から実践している方も多いと思います。こうした『既にやっていること』を意識して、子どもと一緒に考えてみるだけでも『エシカル』につながります」(竹地さん)

「できる範囲」から始めよう

エシカル消費は、SDGsの目標12『つくる責任 つかう責任』への取り組みにとどまらず、その他のたくさんの目標の貢献にもつながっていると、竹地さんは言います。

「対等な関係での取引を保障するフェアトレード商品を買えば、目標1『貧困をなくそう』目標2『飢餓をゼロに』、MSCマークの海産物を買えば目標14『海の豊かさを守ろう』、有機野菜を買えば目標15『陸の豊かさをも守ろう』に貢献することができます。

それぞれが自分のペースで、小さなことから始められるのがエシカル消費の良いところ。誰もが簡単に、今日からでも取り組むことできる方法です。ぜひ、できる範囲から始めてみてください。

1回の買い物に一つは『認証ラベルやマーク』付きの商品を選んでみる、2回に1回は有機野菜を買ってみる、など、自分と家族に合った方法で、子どもと一緒に『エシカル消費』を楽しんでくださいね」(竹地さん)

第3回は、家のなかでできるSDGsの取り組みについて伺います。

取材・文/川崎ちづる

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たけち ゆか

竹地 由佳

たけちゆか 一般社団法人エシカル協会 理事。 宮城県仙台市出身。大学卒業後、銀行に就職し、個人営業を主に担当。行員向けの環境ボランティア企画にも携わる。2011年の東日本大震災をきっかけに、エシカルな仕事をしたいと決意。東北地方の復興事業やアメリカでのボランティア活動などを経て、2015年に一般社団法人エシカル協会の立ち上げから従事。エシカル消費の普及啓発の活動をしている。二児(5歳と2歳)の子育て中。

たけちゆか 一般社団法人エシカル協会 理事。 宮城県仙台市出身。大学卒業後、銀行に就職し、個人営業を主に担当。行員向けの環境ボランティア企画にも携わる。2011年の東日本大震災をきっかけに、エシカルな仕事をしたいと決意。東北地方の復興事業やアメリカでのボランティア活動などを経て、2015年に一般社団法人エシカル協会の立ち上げから従事。エシカル消費の普及啓発の活動をしている。二児(5歳と2歳)の子育て中。