厚切りジェイソン氏 子どもとお金「本当にほしいものかを判断させる」教育とは? 

厚切りジェイソンさんが教える投資と子どもへの金融リテラシーの高め方 #2 お金の使い方

お笑い芸人:厚切りジェイソン

3姉妹のお父さんである厚切りジェイソンさんは、お子さんたちへどのようなお金の教育をしているのでしょうか?  撮影:森﨑一寿美

初めて投資について書いた著書が大ヒット中のお笑い芸人・厚切りジェイソンさん。3姉妹のパパでもあるジェイソンさんは、お金の使い方についても「本当に欲しいものかどうか判断をする という考え方を、子どもたちにも教育している」といいます。

2回目は、厚切りジェイソンさんの子どもへの金融リテラシーの高め方についてお話しいただきました。

(全3回の2回目。1回目を読む

お金は「本当に欲しいもの」にしか使わない

「生活費以外のお金はすべて投資しているよ!」(ジェイソンさん)。  撮影:森﨑一寿美

──前回のジェイソンさんの投資法は、米国株の投資信託に長期間・分散をしながら積み立てをするというとてもシンプルな方法でした。このシンプルさとわかりやすさが、投資や資産形成という言葉の前に立ち止まっていた人の心理的なハードルを下げてくれたと思います。

一方でこの投資法をずっと行っている ジェイソンさんは、貯まったお金を何に使っているのでしょうか?

厚切りジェイソンさん(以下、ジェイソンさん):一切使ってないよ! 僕は、投資したお金は切り崩さないんだ。

投資の話のときに、「お金を何に使いますか?」という質問をよくされるけど、僕は投資にゴールはないと思っている。もちろんお金が必要になれば、一部切り崩すかもしれないけれど、今は使う予定はないし、生活費以外のお金は引き続きすべて投資をしていく予定だよ。

──せっかくお金が貯まったら、何か買ってもいいかな、とつい考えてしまうのですが……。

ジェイソンさん:「何か買ってもいいかな」って、何を買うつもりなの? その「何か」は本当に欲しいものなの? 資産を増やす第一歩は、まず投資額を増やすことだよ。支出を減らすことで、投資できるお金は増えるからね。

僕は節約マニアだから、無駄な出費は一切したくないんだ。コンビニにも行かないし、仕事を頑張った自分にご褒美を買うなんていうことも一切ない。

大学卒業後、アメリカのトップ企業から数年でベンチャー企業に転職。現在は日本のIT企業役員としての顔もお持ちです。  撮影:森﨑一寿美

こう聞くとすごく厳しく節約をしているように聞こえるよね。確かに僕は節約を極めすぎているところは正直ある。でも、みんなは「なんとなく」お金を使いすぎていると思うんだ。

例えば、ふらっと入ったコンビニで、欲しかったわけではないけれど、なんとなくお菓子を買ったりしていない? 僕は一切そういう行動はしないよ。お金は「本当に欲しいもの」にしか使わないんだ。

──確かに、欲しかったわけではないけれど、スーパーのレジ脇に置いてあるお菓子をつい買ったり、ネットサーフィンをしていて、見つけた洋服をポチッと買うことがあります。ついその場の欲望に負けてしまうんです。

ジェイソンさん:僕は「お金を使ってはいけない」と強要をしているわけではないんだよ。「これは本当に欲しい。それに価値がある」と、自分が思うのであればお金は使っていいと思う。

「子育ては、子どもにどう成長してほしいかを考えているよ」(ジェイソンさん)。  撮影:森﨑一寿美

ジェイソンさん:よくないのは、考えずに消費をすること。「本当にそれは欲しいもの? お金を払う価値があるものなの? 」と、自分に問いかける癖をつければ、自ずと支出は減るはずだよ。

この「本当に欲しいものか判断をする」という考えは、僕は子どもたちにも教育しているんだ。

例えば、自動販売機のジュースを欲しがったとしても「ここで買ったら150円だけど、家に帰れば同じジュースがある。しかも、それはスーパーで買った100円のものだよ」と説明をしているよ。今では子どもも納得するようになったよ。

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