男の子の「精巣トラブル」 停留精巣・遊走精巣・陰嚢水腫・鼠径ヘルニア…泌尿器科医が解説

泌尿器科医・岡田百合香先生に聞く、「精巣(金玉)」トラブル #2 ~乳幼児期編~

泌尿器科医:岡田 百合香

精巣(金玉)は動いて下りてくるもの

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前回(1回目)でも解説したとおり、精巣は、最初はおなかの中に収まっています。

「泌尿科医ママが伝えたいおちんちんの教科書」(誠文堂新光社)のP13ページより。
イラスト/こしいみほ

「通常は、在胎22~26週ごろから鼠径管内を下降し、35週までには精巣は陰囊の底に固定されます。この下降経路の途中で停留してしまい、正常の陰囊内に精巣がない状態を『停留精巣』と呼びます。

出生後の乳児健診の際、触診で疑われることが多いです」
(岡田百合香先生)

6ヵ月までは自然下降が期待できるため、経過観察をするものの、それ以降は自然下降の可能性は低いとされます。そのため1歳前後~2歳ごろまでに手術治療が必要です。

「遺伝子や環境ホルモン、子宮内の環境など、さまざまな要因が関与していると考えられていますが、はっきりとした原因は明らかではありません。男児の1~3%に発症するとされており、ものすごく珍しい病気というわけではないんですよ」(岡田先生)

手術は、陰囊の中に精巣を固定する「精巣固定術」を行います。

「文字どおり、陰囊の底に精巣を縫い付けて固定する手術です。停留精巣を放置すると、将来の不妊症や精巣腫瘍のリスクを高めることに繋がります。

停留精巣は健診で判明することが多いですが、おむつ替えや入浴の時に気付いたら、かかりつけの小児科医の先生に相談してみましょう」
(岡田先生)

精巣(金玉)が動きやすい状態も注意

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