「5分で親が運動会のヒーロー」 7万人に指導したコーチが伝授!

スプリントコーチ・秋本真吾#1「パパママが運動会でかっこよくなるコツ」~転ぶ理由とメカニズム編~

竹田 聡一郎

理想の姿勢はお父さんが大好きなあの食べ物

大人が運動会で転ぶ理由のふたつめは「意識の先走り」と秋本さん。

「僕にも娘がいるので、意気込む気持ちはすごくわかるんですけれど、実はそれが原因になってしまっているケースもあります。速く前に進みたいのでどうしても前傾(ぜんけい)姿勢になってしまうんですよね。

先ほどもお話ししたように本来は地面を踏む力、つまり自分の真下に力を加えないといけないのですが、前傾をかけることで回転軸、つまり、脚(あし)が後ろに置いてかれてしまう。それによって膝の回転などが間に合わず、つんのめってしまう。これがふたつ目のパターンです」

ダッシュは背筋を伸ばして常に真っ直ぐな姿勢で走ることに尽きます。秋本さんはそう持論を展開しますが、具体的にはどうすればいいのでしょうか? と質問すると「焼き鳥をイメージしてください」と意外すぎる答えが返ってきました。

「ちょっと物騒なたとえですが、子どもアドバイスする時に『焼き鳥の串を自分の頭の上から身体に刺してみよう』とアドバイスすることが多いです。その串が曲がらないように折れないように走ってみる。そうすると姿勢は劇的に良くなり、速くなる子もいます。

逆に言えば速く走れない人は、頭が揺れたり身体が曲がってしまっている。それを修正できるだけでも見た目もスピードも上がるはずです」

今はスマホで動画も簡単に録れますから、自分のフォームをチェックしてみると分かりやすいかもしれません。
さらに時間がある場合は「とにかくダッシュをしてみるといいです。上り坂ならなおいいです」と秋本さん。

「仕事から帰って毎日30分トレーニングする。と考えると『ダルいなあ』と思ってしまう。少なくとも僕はそうです。

でも、これも考え方なんですよね。ウォームアップとして前述のケンケンや縄跳びをして、簡単にストレッチを挟んでダッシュは自宅の前の電柱から電柱の間だけ1本。元気があったら息を整えてからもう1本。頑張れるなら最後に1本。

それだけなんですけれど、たぶんそれだけでも気づけば 30分くらいは経ってるんですよね。だから電柱ダッシュ1本だけと気軽に考えておくとトライしやすいかもしれません」

例えば運動会直前の金曜日の夜に1本だけのダッシュでも、効果はてきめんと秋本さんは教えてくれました。

「直前に一度だけでも、身体にそういう強い刺激を入れることで、本番に対しての耐性ができる。それだけでもだいぶ違うと思います。一方で注意してほしいのはやっぱりケガですね。ストレッチをしっかりして予防を欠かさないでください」

そう注意を促す秋本さんに、後編(#2)ではストレッチからシューズ選び、直前の生活など、生活の中での具体的な準備について聞いていきます。

速く走るための3大要素「姿勢」「腕振り」「脚の動き」をロジカルに説明し、全国の子供にスプリント革命を起こし続けている一冊。 「子どもの足がギュンッと速くなる キッズラントレ」(KADOKAWA)
元アスリートで、現在スプリントコーチの秋本真吾さん。
写真提供:秋本真吾

【PROFILE】
秋本真吾

あきもとしんご  1982年4月7日生まれ、福島県出身。国際武道大学大学院時代には200mハードルのアジア最高記録、日本記録、学生記録など当時のレコードを次々と塗り替えた、五輪強化選手にも指定されたハードラー。2012年の競技引退後はスプリントコーチとして 活動をはじめ、その分野のパイオニアに。プロ野球選手や、サッカー代表戦士をはじめ、延べ500名以上のプロスポーツ選手にスプリントを指導する一方で、日本全 国の小中学校でかけっこ教室を開催するなど精力的に活動している。 2017年生まれの女児の父。
オフィシャルウェブサイト 「SHINGO AKIMOTO.」

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たけだ そういちろう

竹田 聡一郎

スポーツライター

1979年生まれ。神奈川県出身。幼少の頃からサッカーに親しみベルマーレ平塚(現湘南)の下部組織でプレーする一方で、84年、広島市民球場でのプロ野球初観戦で高橋慶彦や山本浩二に魅せられ、カープファンに。 04年にフリーのスポーツライターになり、サッカーやカーリングを取材するフリをしつつカープも追う日々。

1979年生まれ。神奈川県出身。幼少の頃からサッカーに親しみベルマーレ平塚(現湘南)の下部組織でプレーする一方で、84年、広島市民球場でのプロ野球初観戦で高橋慶彦や山本浩二に魅せられ、カープファンに。 04年にフリーのスポーツライターになり、サッカーやカーリングを取材するフリをしつつカープも追う日々。