
子どもが生理前でつらい「PMS 月経前症候群」 親子で知っておきたい対処法とは〔子どものフェムケアを産婦人科医が解説〕
産婦人科医・海老根真由美先生に聞く「子どものフェムケア」 #2
2025.05.29
産婦人科医:海老根 真由美
「しっかり寝る」「きちんと食べる」それだけで不調が改善することも
──生活を見直すことが大事なのですね。
海老根先生:そうなのです。私のクリニックにも、「PMSかもしれない」と感じて受診する人がたくさんいます。頭痛やお腹の痛み、気分が落ち着かない、不安で眠れない……。それぞれ、いろんなつらさを抱えています。
ですが、よく話を聞いてみると、実は夜ふかしをしていたり、ごはんをあまり食べていなかったりする人も少なくありません。そういう生活を続けていると、体が本来の元気をなくしてしまい、余計につらく感じてしまうのですね。
「しっかり寝て」「きちんと食べる」それだけで不調が改善することも
反対に、しっかり寝て、きちんと食べるだけで、「気づいたら、前より元気になっていた」という人もたくさんいます。

PMSは「がんばりすぎ」のサインかも
──受診する以外にも、自分でできることがあるのですね。
海老根先生:もちろんありますよ。そして、もうひとつ大切なのは「がんばりすぎないこと」です。
今の女の子たちは、本当にがんばっています。勉強に部活に習い事と毎日忙しく、見た目のことだって気になる年ごろです。がんばることは素晴らしい一方で、体にとっては大変なことです。
本来、女性の体は、「生理が来て、大人になって、妊娠・出産をして、年を重ねていく」というサイクルを自然にくり返すようにできています。
でも今の社会では、女の人も仕事で結果を出して、たくさん働いて、立場を築いて、そのうえで妊娠・出産・子育ても……と、全部をやろうとしています。それって、ちょっと無理をしすぎているように思います。
PMSなどの不調は、その「がんばりすぎ」のサインかもしれないのです。