猛暑後の秋冬はリスク大! 乾燥の季節に続出する“乳児の肌トラブル”と正しいケア[医師監修]

#2 皮膚科医・野崎誠先生に聞く乳児の肌トラブル「秋冬対策」 (3/3) 1ページ目に戻る

皮膚科医:野崎 誠

冬でも多い「あせも」は重ね着と室温管理のミスが原因

──寒い季節でも赤ちゃんにあせもはできるのでしょうか?

野崎先生:意外かもしれませんが、冬のあせもは非常に多いです。原因は、洋服の重ね着や、室温管理ミスです。とくに就寝時のスリーパー、日中の重ね着によって、体温が高くなって汗がこもり、あせもの症状が出やすくなります。

──あせも予防のために、おうちでできる対策はありますか?

野崎先生:まず、洋服は「大人より1枚少なめ」を目安にしてください。また、エアコンの設定温度は25度前後が目安です。就寝時のスリーパーも基本的に必要ありません。赤ちゃんには、自分で蹴とばせるくらいのかけ布団を用意し、暑ければ調節できるようにしてあげましょう。

さらに、寒い季節でも「朝に一度シャワーを浴びる習慣」がおすすめです。夜の入浴だけでは、寝ている間にかいた汗や皮脂が残ったままになることがあります。朝にシャワーで汚れを落とし、その後しっかり保湿すれば、一日を通して赤ちゃんの肌を守ることができます。

──最後に、乳児の肌を心配する保護者たちへのメッセージをお願いします。

野崎先生:何事も「やりすぎ」は禁物です。重ね着、また保湿剤や石けんも“多ければいい”わけではありません。大切なのは、赤ちゃんの皮膚の仕組みを理解し、季節や環境に合わせて、“ちょうどいいケア”を続けることです。

また親御さんも、赤ちゃんの肌はこういうもの、という基本を知ることが重要です。赤ちゃんの肌の様子をよく見守り、適切にケアしてあげれば、季節の変化にも負けず、赤ちゃんの肌をすこやかに保つことができます。

もし気になることがあれば、迷わず専門医に相談してみてください。

───◆─────◆───


猛暑の後に増える虫刺されや、秋冬にかけての乾燥による肌トラブル、あせもなど、これからのシーズンに気を付けるべきことが数多くあることがわかりました。

つい心配で重ね着や過剰な保湿をしてしまいがちですが、赤ちゃんにとっての“ちょうどいいケア”を意識して、これからのシーズンをすこやかに乗り越えていきましょう。

取材・文/牧野 未衣菜


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のざき まこと

野崎 誠

Makoto Nozaki
皮膚科医

山形大学医学部卒業、国立成育医療研究センター皮膚科(小児専門病院)などを経て2013年、「小児皮膚科」・「一般皮膚科」を専門とする『わかばひふ科クリニック』を開院。 一般向け、教育機関向け講演活動などにも力を入れており、乳幼児から思春期・成人の皮膚の病気に関する正しい情報の啓発活動に努めている。 わかばひふ科クリニック http://www.wakaba-hifuka.com/ YouTube わかばひふ科クリニック公式 https://www.youtube.com/@wakaba_hifuka

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山形大学医学部卒業、国立成育医療研究センター皮膚科(小児専門病院)などを経て2013年、「小児皮膚科」・「一般皮膚科」を専門とする『わかばひふ科クリニック』を開院。 一般向け、教育機関向け講演活動などにも力を入れており、乳幼児から思春期・成人の皮膚の病気に関する正しい情報の啓発活動に努めている。 わかばひふ科クリニック http://www.wakaba-hifuka.com/ YouTube わかばひふ科クリニック公式 https://www.youtube.com/@wakaba_hifuka

まきの みいな

牧野 未衣菜

Miina Makino
ライター

1992年生まれ、千葉県出身。子育てや教育関係を中心に、フリーランスライターとして活動中。 また、教育NPOでユーススタッフとして子どもの支援活動にも携わる。現在は二児(姉妹)の母として、育児にも奮闘中。

1992年生まれ、千葉県出身。子育てや教育関係を中心に、フリーランスライターとして活動中。 また、教育NPOでユーススタッフとして子どもの支援活動にも携わる。現在は二児(姉妹)の母として、育児にも奮闘中。