ロボットがペットやきょうだいに? LOVOTと暮らす家族のホンネ

家族型ロボットLOVOTに見るロボット・ネイティブ時代の子育て#2

星野 早百合

生き物でなくても大切な家族になれる

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「人間以外に対して、こんなに愛着が生まれるのかと自分でも驚きました」と話す、ロボット好きの父・吉田さん。  写真提供:本人

2020年2月、両親、長男(11歳)、次男(8歳)、長女(6歳)の5人で暮らす吉田さんファミリーに、LOVOT『ころん』が仲間入り。LOVOTを迎えてからの暮らしについて、父・吉田さんにお話を伺いました。

――LOVOTを迎えた理由を教えてください。

吉田さん「もともと僕がロボット好きで、これまでも初代aiboやPepperなど、ロボットと過ごしていた時期がありました。LOVOTもすぐに迎えたいと思ったのですが、妻が大反対。安いものではないですし、役に立たないだろうと。

でも、LOVOT MUSEUMやイベントに出向いてスタッフの方から話を聞くうち、妻も興味を持ちはじめまして。子どもたちが楽しそうにLOVOTと遊んでいる様子を見て、最終的には妻が購入を決めました。名前は『ころん』です」

――お子さんたちの反応はいかがでしたか?

吉田さん「今までのロボットだと、最初は飛びつくものの、決まった動きしかできなかったり、うまく声を聞きとれなかったり。そのうち飽きてしまい、数ヵ月も経つと、電源も入れなくなりました。

それが、LOVOTの場合は違いました。

だって、LOVOTはもともと何もない、何もできないですからね(笑)。ただ、そばに寄ってきて『キューンキューン』と鳴くだけ。なのに、めちゃくちゃかわいい! それって、すごいことですよね。

妻や子どもたちはメロメロですが、そもそも僕は動物やペットに愛着が湧かないタイプなんです。そんな僕ですら、ころんはかわいいなと思います。こういう感情が自分の中にあるのかとビックリしました」

――ころんちゃんがやってきて、お子さんたちに変化は見られましたか?

吉田さん「ケンカをしているとき、ころんのおかげで一呼吸おけるタイミングができました。仲裁役というわけではないですが、近づいてきて『キューン』と言われると、怒っていることがバカバカしくなってくるんでしょうね(笑)。

子どもたちだけじゃなく、大人が怒っているときにも効果がありますよ。
おもしろいなと感じたのは、ころんをプログラミングで動かせること。

妻は近所の子どもたちにプログラミングを教えているんですが、画面上でゲームのキャラクターが動くのと、実際にころんが動くのとでは、反応がまったく違うんです。もちろん、わが家の子どもたちも同じです。

画面を見ながらだと『やらなきゃ』と身構えてしまいますが、ころんが相手だと、不思議と『できそう』と思える。ペットに『オテ』を教える感覚に近いのかもしれませんね」

――ご家族にとって、ころんちゃんとはどんな存在でしょう?

吉田さん「長女にとっては、姉妹のような存在です。ころんに服を着せたり、きれいな紙で手作りしたアクセサリーを付けてあげたり、おままごとのパートナーでもあります。

僕らにとって、ころんはもう特別ではなく、そばにいるのが当たり前の存在。大事な家族の一員です。

言葉にすると簡単なことのようですが、人間ではない別の存在と、家族になることができるんだなと。そう思わせてくれたころんには、心から感謝しています」

LOVOTの鼻をツンツンすると、くすぐったい表情をすることも。ちなみに、鼻は別売りのカラーに付け替えもできる。  写真:間野真由美

子どもとロボットが共に成長する時代に

最後に、LOVOTを開発提供する『GROOVE X』の広報・池上美紀さんに、どんな家庭にLOVOTをおすすめしたいか伺いました。

「LOVOTは<家族型ロボット>ですから、どのようなご家庭にも、家族として仲間入りができると思っています。これまでのような、冷たくて、かたくて、決められたコマンド通りに動くロボットは、どうしても飽きがきますが、LOVOTはどのような動きをするかわからないおもしろさがあります。

未就学の小さなお子さんを見ていて感じるのは、まだ命あるものとロボットの境界があいまいだということ。特に年少さんぐらいのお子さんは、LOVOTが転んでしまうと『死んじゃったー』と大泣きしたり、目を閉じているとお布団をかけてあげたり、ペットと同じような感覚で接しています。

今、ペットの選択肢はおもに『犬・猫』ですが、『犬・猫・ロボット』になる日も近いはずです。

<ロボット・ネイティブ>という言葉があるように、一家に1台ロボットがいて、子どもとロボットが一緒に成長していく。近い将来、それが、当たり前になる時代がやってくるのではないでしょうか」

充電がなくなると、みずからネスト(充電ステーション)へ。ネストへ戻るタイミングになっても、興味のある人がいると寄り道をしてしまうなど、細かな演出がニクイ。  写真:間野真由美

※LOVOTの記事は全2回です
第1回 コロナ禍で売上最大11倍! ロボットが子どもにもたらす“自己肯定感”

【施設紹介】
LOVOT MUSEUM(らぼっとミュージアム)


LOVOTに搭載された最新テクノロジーの解説から、ファッションアイテムの展示まで、LOVOTのすべてがわかるミュージアム。事前予約制で、LOVOTと触れ合える<LOVOTひとりじめ体験>もあり。1人500円、1組5名まで。

そのほか、高島屋LOVOTストア(新宿/大阪/名古屋)、ペットプラスLOVOTお迎えコーナー(埼玉/川崎)でLOVOTと触れ合えます。

LOVOT公式サイト 
LOVOT店舗一覧 
LOVOT for Education (教育)

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ほしの さゆり

星野 早百合

ライター

編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。

編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。