心臓病の子どもを救う「心血管パッチ」次世代の技術が「グランプリ」! フォーブスジャパン「クロストレプレナーアワード2024」

福井経編興業/帝人/大阪医科薬科大学が共同開発

▲心・血管修復パッチ「シンフォリウム®」の共同開発(福井経編興業/帝人/大阪医科薬科大学)が「Forbes JAPAN Xtrepreneur AWARD 2024」グランプリを受賞
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「先天性心疾患」の赤ちゃんは約100人に1人ーー。

この「先天性心疾患」の手術に使用する新素材の共同開発が、大きな注目を浴びている。

心・血管修復パッチ「シンフォリウム」の共同開発は、作家・池井戸潤さんの人気小説『下町ロケット』の続編に登場する「ガウディ計画」のモデルとして知られていたが、今年2024年6月より販売が開始、NHK「新プロジェクトX」でも開発の現場が取り上げられ、大きな話題となった。

また、8月23日(金)には「Forbes JAPAN Xtrepreneur AWARD 2024」(クロストレプレナーアワード2024)グランプリ受賞が発表され、授賞式が8月28日(水)に行われた。

【「Forbes JAPAN Xtrepreneur AWARD 2024」は、グローバルビジネス誌Forbes JAPANが、レガシーを掛け合わせ、未来を実装する共創プロジェクトを評価するアワード。「日本発・グローバル」「インパクト」「意外性」を基準に、特に優れたプロジェクトを選出。心・血管修復パッチ「シンフォリウム」の共同開発(福井経編興業/帝人/大阪医科薬科大学)は、グランプリ(兼メディカルイノベーション部門)を受賞した】

「先天性心疾患」は、生まれつき心臓の中のしきりに穴があったり、出入りする血管が狭くなったりしている病気。手術では「パッチ」を使って穴を塞いだり血管を広げたりするが、患者の成長に伴い再手術による交換が必要になることがあった。

心・血管修復パッチ「シンフォリウム」は、心臓病の子どもにとって負担の大きな再手術のリスクを減らすため、心臓外科医・根本慎太郎氏(大阪医科薬科大学病院・小児心臓血管外科診療科長)のアイデアをきっかけに、「患者の自己組織に置き換わり、身体の成長に合わせて伸張可能な特殊素材のパッチ」を、大阪医科薬科大学、帝人株式会社、福井経編興業株式会社の3者が共同開発、世界で初めて実用化したもの。

2023年7月に厚生労働省より製造販売承認を取得したのち、今年2024年5月には開発をてがけた3者による記者会見が行われ、6月12日より販売が開始された。

心臓病の子どもを救う・根本慎太郎先生

根本慎太郎先生(大阪医科薬科大学病院・小児心臓血管外科診療科長)

心・血管修復パッチ「シンフォリウム」は、生まれつき心臓病を持つ「先天性心疾患」を専門に治療している根本慎太郎先生(大阪医科薬科大学病院・小児心臓血管外科診療科長)のアイデアによって生まれた。

根本先生に取材した、「先天性心疾患」の解説とパッチ開発についてのエピソードの連載(全3回)は、以下のリンクより読むことができる。

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