【石垣島に家族旅行】 「ホカンス派」パパvs.「ローカル派」ママ 旅行の価値観が違っても「旅育」で家族全員が楽しめた工夫を大公開!

計画を立てすぎない「旅育」が臨機応変に動ける「生きる力」になった

コクリコサポートエディターズ:北林 日菜

飛行機からの眺め  撮影:11歳息子

11歳息子と8歳の娘を育てるエニママライターの北林日菜です。

家族旅行では、ホテルから一歩も出ずに過ごしたい【ホカンス派(夫&娘)】と、旅行先の文化に浸りたい【ローカル派(私&息子)】の2派閥が存在しています。我が家が2024年5月に石垣島に行った際、「旅育」を通して価値観の違いを乗り越えた経験をお伝えします。

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旅行の楽しみ方は人それぞれ。子連れ旅行の場合は特に、別行動することは基本的にないので、誰かが我慢したり楽しくないと感じたりしないよう、あらかじめ旅へのスタンスや価値観をすり合わせることが大切ですよね。

旅行のスタンスが違う2派閥がいる我が家

我が家は毎年、4泊5日ほどの家族旅行に行っています。計画を立てるのは夫。私は腰が重いほうなので、夫が行き先の決定から飛行機やホテルの予約までアレンジしてくれるのはありがたいなぁ~と思っていました。

しかし最近、家族内で旅行のスタンスに違いがあることに気づいてしまったのです!

夫&娘は【ホカンス派】。「ホカンス」とは「ホテル」と「バカンス」を組み合わせた造語で、食事やプール、アクティビティ(体験企画)など、ホテル内(または周辺の提携施設)で完結でき、お部屋でのんびりするような旅のスタイルです。娘が赤ちゃんだったころやコロナ禍では、ホカンス派の旅が安心かつ快適でした。

一方で、私は元バックパッカー。ホテルは寝られればOKで、昼間はローカルな市場で食べ歩きをしたり、街並みを見たり、郷土資料館に行って歴史や文化を知ったりしたい、いわば【ローカル派】です。息子も私側のスタンス(になるよう育てちゃった?)なので、【ホカンス派】の旅では不完全燃焼だと感じることが増えてきました。

写真を見返して「これって沖縄のプールだっけ? 北海道のプール?」となることも……。

このように、旅のスタンスが正反対の2派閥がいる我が家。子どもが大きくなり、コロナも落ち着いてきたため、夫婦で話し合い、今年の家族旅行は2派閥の意見をバランスよく取り入れることにしました。

夫が早々に、沖縄県石垣島へのフライトとプライベートビーチのある【ホカンス派】なリゾートホテルを4泊ぶん予約してくれていましたが、2泊ぶんをキャンセルして【ローカル派】の街歩きに便利なホテルに変更しました。

子どもが事前に調べる「旅育」を目論んでいたが…

2派閥の意見をバランスよく取り入れるため、まずは家族みんなが石垣島で「やりたいこと」「見たいもの」「食べたいもの」「買いたいもの」などをリストアップしました。

別記事で詳しく書いたとおり、今回の旅行は茨城県の一部学校で導入された「ラーケーション」制度を利用しました。以前は学校などで話してしまわないよう、行き先の詳細を詳しく伝えなかったので、事前に子どもたちと旅行について話し合うのは初めての経験です。

「ラーニング(学習)」要素をかなえるべく、リストアップしたことについて歴史や文化も含めて事前に調べ学習をする「旅育」を目論んでいました。事前にちゃんと調べ、予定を立てたしおりを作成できたら素敵! と思っていたのですが……旅行前に私が予期せぬ体調不良に見舞われ、しおり作成計画は頓挫してしまいました。

◆参考記事:「ラーケーション」で石垣島家族旅行 “学校を休んでも欠席にならない“新・教育制度を実体験

「ラーケーション」で石垣島家族旅行 “学校を休んでも欠席にならない“新・教育制度を実体験

・「旅育」とは
JTB総合研究所【特別寄稿】Tourism×子どもの成長と旅育

結局フライトと宿泊先以外はほぼ空白、「やりたいこと&食べたいものリスト」だけが羅列された「しおり」を携えて石垣島に飛び立ったのです。

とりあえず家族全員がやりたいことと食べたいものを書き出しただけの状態。ごめんよ、子どもたち……。

積極的に旅行にかかわった子どもたち どう変わった?

理想からはほど遠い「旅育」でしたが、今までの親主導の旅行と違い、子ども自身が自主的に旅行先について少しでも調べられたのは大きな進歩でした。家族の間でも「なぜそれをやりたいと思ったの?」といったコミュニケーションが増え、思わぬ興味の対象や考え方を知れたのも嬉しい副産物。

例えば、竹富島に行ったときのこと。「3時間くらいで主要なところは回れるらしいよ」とホカンスパパ。「絶対足りないと思う……」元バックパッカーママ。結局水牛に乗ったりビーチに行ったりするだけでなく、歩きながら亜熱帯植物を観察したり、レンタサイクルで島内めぐりしていたら8時間滞在に。それでも時間が足りずに後ろ髪をひかれながら、帰りのフェリーに乗りました(笑)。

「絶対に泣き言を言わないからお願い!」 レンタサイクルでの移動をがんばって、ひとつ成長した娘。

そしてほぼ空白の「しおり」にもいい効果が。毎晩みんなで一日の振り返りをして、「予定」の欄にその日の行動、印象に残ったことなどを書き込みました。旅行後だと忘れてしまうので、旅行中に新鮮な感想をその場で残すのはおすすめです!

旅行から帰ってきてからは、スケッチブックに書き込みの入ったしおりと、写真を貼って「旅ブック」を作りました。パンフレットや地図なども貼ったので、見返すたびに文化や背景についてより学びが深まりそうです。

スケッチブックに写真やしおりを整理しながら、旅の思い出を語り合う兄妹。

旅行期間中の石垣島はちょうど梅雨。でも関東の梅雨と違って、一日の中でスコールが降ったり急に晴れたり、島の北と南でも全然天気が違ったり。雨雲レーダーとやりたいことリストの場所をかけ合わせて臨機応変に動けば、天気の影響をほぼ受けずにやりたいことが実現できました。

息子念願のB級グルメ、知念商会の「オニササ(おにぎりとササミフライをはさんだもの)」。どんな人たちが買っていくのか見るのも楽しかったです。

しおりのテンプレートは、Microsoft PowerPointから提供されている「旅のしおり(A4・シャイニー)」を使いました。

子どもが小さいころなら使いたかった、かわいいテンプレートも。

・Canva【無料テンプレート】子どもとつくる「旅のしおり」

ホカンス派のパパに心境の変化が…!

【ホカンス旅】では、一日3食をホテル内で食べるのが当たり前です。ホテル内でのアクティビティも食事の時間の間を縫うように計画。そして3食とてもおいしいので、食べすぎてしまって(これは私たち家族の問題ですが……)、どの旅行の写真を見返しても旅行後半になるとみんなの顔がむくんでいました。

今回はリゾートホテル滞在中も食事はつけず、ホテル内での食事は1泊目の夜のみ。あとは「食べたいものリスト」を実現する形で現地調達する【ローカル派】方式を採用しました。

朝ごはんは地元の農産物直売所で買ってきた南国フルーツやご当地パンなどを、その日の体調や食欲に合わせてチョイス。フルーツを食べるときは、持参した100円ショップのミニまな板&果物ナイフが役立ちました。

石垣島のファーマーズマーケット「ゆらてぃく市場」。関東ではお目にかかれないご当地フルーツがいっぱい!

お昼はB級グルメ的なローカルフードの食べ歩き、地元で愛される水産物市場などでテイクアウト、夜は地元で人気の居酒屋さんや焼き肉屋さんに行くなど、どっぷり現地の食文化を堪能しました。

ここまでだと【ローカル派】優勢! に見えるかもしれませんが、もちろん【ホカンス派】的な過ごし方もしました。毎朝ホテルのプライベートビーチでシュノーケリングをしてカクレクマノミなどを見たり、バナナボートのアクティビティをしたり、屋内プールで遊んだり……(水の中にいる時間が長めですが)ゆったり過ごす時間もありました。

家族で沖縄に行ったのは今回の旅行が3回目でしたが、【ローカル派】要素が増えたことから、夫から「初めて沖縄を楽しんだ気がした」という感想を聞くことができたのが嬉しかったです。

子どもの成長に合わせて家族旅行のスタンスを変えることも大切

今回の旅行では、家族みんなの異なる価値観を集結させたことで、より旅の楽しみの幅を広げることができました。そして見えてきたのは、子どもは親が思っている以上に成長していること。街歩きできる体力もあるし、どんなお店に連れていっても迷惑をかけず食事を楽しめるし、建築物や道路を見て楽しめる感性も持っています。

もちろん家庭内2派閥の違いが根本から解消されたわけではありませんが、今後も子どもの成長に合わせて、少しずつスタンスを変えながら楽しんでいきたいです。

※記事内写真はすべて撮影:北林日菜

きたばやし ひな

北林 日菜

Hina Kitabayashi
AnyMaMa(エニママ)ライター

AnyMaMa(エニママ)ライター兼コクリコ・サポート・エディター 2012年生まれのサイエンス好き男子、2015年生まれアート好き女子の母。都内で広告営業や出版業を経て、結婚を機に茨城県に移住。以後リモートワークを中心に、エニママや県内のご縁ある企業でフリーランスライターとして活動中。 AnyMaMa:https://anymama.jp/  Twitter:https://twitter.com/AnyMaMaJP

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