『耳をすませば』ファンの子ども9歳とママが聖蹟桜ヶ丘で「聖地巡礼」してみた

9歳男児は聖地めぐりを楽しめる? リアルな反応や感想をレポート

コクリコサポートエディターズ:笹川 かおり

エニママライターの笹川かおりです。今回は、9歳・3歳の子どもたちと一緒にジブリの名作『耳をすませば』の聖地めぐりに行ってきた体験談を皆さんにお伝えしたいと思います。

実際に東京都多摩市の聖地周辺に住んでいる私が、公式マップの入手方法や、子連れにおすすめしたいめぐりかたについてご紹介しています。ぜひご一読ください。

京王線聖蹟桜ヶ丘駅(東京都多摩市)周辺は、『耳をすませば』(アニメーション映画 1995年公開 監督・近藤喜文/原作・柊あおい)の舞台として知られています。

「舞台といっても、ところどころ似ているだけでしょ?」と思うなかれ。実際に駅の西口を歩いてみると、想像以上に映画の風景と似ていて驚くはずです。

今回は『耳をすませば』ファンの長男と一緒に、映画の有名スポットをめぐってみた感想をレポートしたいと思います。

当初は私と長男の2人で行く予定でしたが、「ヒマだから」という理由で夫と次男が、「ぜひ行ってみたい!」と夫のお母さんが……と、あれよあれよという間に追加メンバーが集まり、総勢5人で行くことになりました。

長男によると、彼の『耳をすませば』の推しポイントは「映画のなかの日の光がきれい」「電車に猫が乗っていて、その猫を追いかけるのがおもしろい」「歌(カントリー・ロード)が好き」だそう。

なんとも子どもらしく、独特な(そして今回のスポットめぐりにはあまり関係ない)好きポイントばかりですが、果たして長男は聖地めぐりを楽しめるのでしょうか?

『聖蹟桜ヶ丘散策マップ』を事前にチェック

子どもとの聖地めぐりをスムーズ・存分に楽しむために、桜ヶ丘商店会連合会がHPで公開している『聖蹟桜ヶ丘散策マップ』を事前にチェックし、予習しておくことをおすすめします。

引用元:せいせきShop.com

聖蹟桜ヶ丘散策マップ

当日、聖蹟桜ヶ丘駅で紙のマップを入手することも可能です。その場合は京王ストア入り口のエレベーターから2階にあがると、正面に設置されています。

この入り口を入って左手のエレベーターで2階にあがります。 
京王ストア入り口近くに設置されている『耳をすませば 青春のポスト』もぜひチェックしてみてください。ポスト内部にはバロンの姿も!

注意点をおさらい

聖地めぐりの際は、マップにも記載があるとおり、

・スポット周辺は住宅地。騒いだり、ゴミを散らかしたりしない
・道が狭い場所が多いので、移動にはじゅうぶん気をつける


この2点をしっかり守りましょう。私も、事前に子どもたちによく言い聞かせておきました。

子連れにおすすめのめぐりかた

主なスポットには、徒歩の場合、急な坂を20~30分かけてのぼらないとたどり着けません。正直、子連れでのぼるのは厳しい……。

そこで私がおすすめしたいのは、「バスで一気にロータリーまで行き、坂をくだりながらスポットをまわる」めぐりかたです。王道のめぐりかたとは異なるかもしれませんが、子どもとともにラクに、安全に、楽しくめぐるためには一番よいと私は思います。

聖蹟桜ヶ丘駅のバス乗り場から永山駅行きの京王バス(桜92)に乗り、『桜ヶ丘四丁目』で下車すると、そこはもう映画では地球屋があった「あのロータリー」です!

地球屋があった「あのロータリー」が目の前に!

バスを降りると、そこはもう『耳をすませば』の世界のまっただなか!

© 1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH

この地球屋が建つロータリーのモデル地と言われているスポットがこちら、『桜ヶ丘ロータリー』です。

バスで坂をのぼりきるころに、バーンとロータリーが見えてきます。

写真では伝わりにくいかもしれませんが、閑静な住宅地特有のしん……とした心地よい静けさと開放的な雰囲気が、なんとも言えず『耳をすませば』っぽい感じです。

長男も、

「おぉ~!! ここがあの、聖司くんの家がある丸い道か~!!」

「聖司くんのおじいちゃんの家はどこにあるの!?」


と、興味津々な様子であたりを見回していました(※実際には、地球屋のモデルはこのロータリーにはありません)。

ロータリーの一角には、ちょこっと遊んだり休憩したりできる小さな公園がありました。自動販売機で飲みものを購入し、ロータリーを眺めながらひと休み。

子どもたちは遊具で遊び、私は雫が猫を追いかけてロータリーにたどり着いたシーンを思い浮かべて……。しばし、それぞれの時間を過ごしました。

「だって俺、お前が好きなんだ!」の金比羅神社

© 1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH

続いて向かったのは、杉村が雫に告白した神社のモデルとなった『金比羅神社(金比羅宮)』

私にとっては「雫が夕子の気持ちを杉村にバラしちゃった神社」なのですが(それ言っちゃうんだ!? と衝撃でした)、長男は「あぁ、あの男の子が雫にフラれた神社かぁ~」と、正しい(笑)感想を述べていました。

マップどおりに進んでいくと、住宅地のなかに、映画のなかから出てきたような神社が見えてきました。

「お母さん見て! すごい! 映画と同じだ! 本当にそっくり!」

と喜ぶ長男。

「映画をもとにこの神社がつくられたのでは?」というくらい似ていて、私も胸がときめいてしまいました。

お賽銭を入れてお参りするきょうだい。
おみくじがあたると聞いて引くのを楽しみにしていたのですが、残念ながら現在は撤去されていました。

映画に頻出! 坂を横切る『階段』はここ

© 1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH

映画にたびたび登場する、曲がりくねった坂を横切るように設置された階段。雫が勢いよく階段をかけおりるシーンが思い浮かぶ人もいるのでは?

マップによると、金比羅神社のすぐ隣の階段が、映画のモデルとなったものなのだそうです。

雫のマネをして勢いよく階段をおりようとし、バランスを崩す長男。危険なので、階段はゆっくりおりましょう。

この階段以外にも、このエリアにはたくさんの階段があります。スポットをめぐる途中でも、魅力的な階段に出会えました。

私が一番見晴らしがいいと感じたのが、ロータリーから天守台に向かう途中にあった、この名もなき階段です。夜に訪れて、多摩の夜景を見てみたい気持ちになりました。

ちなみに、言わずもがなというべきか……。3歳の次男は階段をおりるだけおりて、いざのぼるとなると「抱っこして」。自分では決してのぼってくれず、腰痛持ちの私たち夫婦にはなかなかハードな道中となりました。

少し話が脱線してしまいましたが、金比羅神社隣の階段をおりた後は、坂を道なりにくだっていくと15分程度で駅に到着します。聖地めぐりの感想をあれこれおしゃべりしていたら、あっという間に駅でした。

子どもと散歩を楽しみながら、映画に思いを馳せてみては

聖地をめぐった夜に、「もう1回『耳をすませば』見てみようよ!」と誘ってみたところ、

「今日実際にいろんな場所に行ったし、俺はもうじゅうぶん満足したよ! お母さん一人で見ていいよ!」

と優しく言われてしまいました(笑)。

また、少し時間を空けて「今日の聖地めぐり、どうだった?」と聞いてみると、

「すっごく楽しかったよ! 階段から見た景色がきれいだったし、昼飯がおいしかった!」

と、あまり映画とは関係ない感想が……(ちなみに昼ごはんは駅前の回転寿司でした)。

私はその日じゅう、聖地めぐりの余韻に浸っていましたし、楽しかった聖地めぐりを一緒に振りかえりながら映画を見たい気持ちでいっぱいだったのですが、長男はそこまでの心境にはいたらなかった様子。

しかし、今回めぐったスポット周辺は自然豊かで階段が多かったので、外遊び大好きな我が家のきょうだいは階段をのぼりおり(次男はおりるだけでしたが……)したり、落ちているドングリや落ち葉、ザクロを拾ったりと、外遊びという観点ではじゅうぶんすぎるほど楽しめたようです。

同じ目線で『耳をすませば』について語り合う聖地めぐりは、子ども相手だとすこし難しいかもしれないなぁ……と、今回の長男の反応を見て感じましたが、外遊びやお散歩をする選択肢の1つとしてなら、むしろ「ぜひ行ってみて!」とおすすめしたいと思います。

お散歩が気持ちいい晴れた日を狙って、お子さんと楽しく『耳をすませば』の聖地をめぐってみませんか?


※写真はすべて撮影:笹川かおり

『スタジオジブリ全作品集』監修:スタジオジブリ
ささがわ かおり

笹川 かおり

Kaori Sasagawa
AnyMaMa(エニママ)ライター

AnyMaMa(エニママ)ライター兼コクリコ・サポート・エディター 東京都の多摩エリアで2男児(2014年、2020年生まれ)を育てる母。広告営業、ママ向け育児サイトの編集を経て、2019年に独立。エニママではライフスタイル・ビジネス・インタビュー記事などの制作を担当。 AnyMaMa:https://anymama.jp/  Twitter:https://twitter.com/AnyMaMaJP

AnyMaMa(エニママ)ライター兼コクリコ・サポート・エディター 東京都の多摩エリアで2男児(2014年、2020年生まれ)を育てる母。広告営業、ママ向け育児サイトの編集を経て、2019年に独立。エニママではライフスタイル・ビジネス・インタビュー記事などの制作を担当。 AnyMaMa:https://anymama.jp/  Twitter:https://twitter.com/AnyMaMaJP

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コクリコサポートエディターズ(CSE)は、コクリコの第2編集部。コクリコと、ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」が協力して立ち上げました。子育てをしながら、ほかのお仕事をしながら……など、さまざまな立場で、子どもとの毎日が楽しくなる記事を発信していきます。

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