
【働くママの労働問題】「休憩時間はいらないから1時間早く退社したい!」これってできる?[社労士が回答]
働くママのお悩み解決 職場問題モヤモヤ相談室【連載】第1回
2025.08.05
社会保険労務士、行政書士:小西 道代
休憩にはルールがある!
子どもが家で親御さんの帰りを待っているなら、親としては早く帰りたいのは当然です。しかし、休憩を取らずに8時間ノンストップで働くことも、休憩時間の1時間分を早く退社することもできません。
これは労働基準法で、働く時間に応じて休憩時間の最低限の長さが決められていることと、休憩は仕事の合間に取ることが定められているからです。
つまり、9時~18時(休憩1時間)の勤務の場合、休憩を始業直後の9時~10時に取って10時から仕事を開始することもできません。
休憩は、仕事で負った心身の疲れを回復させるためや、事故やミスを防ぐために仕事の合間に取らなければなりません。親であれば、子どものために早く帰宅したいところですが、働くうえでの最低限のルールは守るようにしましょう。
─働くママの声への回答─
休憩は労働基準法で、休憩時間の長さや取り方が定められているため、休憩を取らずに8時間ノンストップで働くことも、1時間早く退社することもできません。
働く時間が6時間以内なら、休憩は取らなくてもいい
休憩は、働く時間に応じた長さや仕事の合間に取ることが定められていますが、これは労働時間が6時間を超える場合に該当する法律です。
つまり、6時間以内なら休憩は取らなくてもいいので、子どもが帰ってくる時間に自宅にいたいという場合は、短時間でギュッと凝縮して働くのも手です。
働く時間と休憩について
・働く時間が6時間以内→休憩は取らなくても構わない。
・働く時間が6時間超~8時間以内→少なくとも45分の休憩が必要。
・働く時間が8時間超→少なくとも1時間の休憩が必要。
フルタイムで働くか、短時間で働くかなど、どのような働き方をするかは家庭の事情によります。子どもの年齢や家族の生活スタイルを踏まえて、それぞれが家庭に合った働き方を選択してください。
小西 道代
社会保険労務士法人トップアンドコア代表。行政書士法人グローアップ代表。All About労務管理ガイド。大学卒業後に日本マクドナルドに入社。多数の店舗運営を行い、幅広い年齢層の人々と一緒に働くことで労務管理・組織運営に興味を持つ。その後、法律事務所や社会保険労務士事務所に勤務。カフェ経営も経験し、労働者と経営者の両視点を養い、働く場には風通しのよい労働環境や組織づくり、ルールが重要だと痛感する。現在は正社員から派遣社員、アルバイト、経営者の広い視点を活かした労務相談を行っており、事案のアドバイスだけでなく解決へも導いている。 著書に『正社員で働く人のための労務問題のトリセツ』(つちや書店)がある。
社会保険労務士法人トップアンドコア代表。行政書士法人グローアップ代表。All About労務管理ガイド。大学卒業後に日本マクドナルドに入社。多数の店舗運営を行い、幅広い年齢層の人々と一緒に働くことで労務管理・組織運営に興味を持つ。その後、法律事務所や社会保険労務士事務所に勤務。カフェ経営も経験し、労働者と経営者の両視点を養い、働く場には風通しのよい労働環境や組織づくり、ルールが重要だと痛感する。現在は正社員から派遣社員、アルバイト、経営者の広い視点を活かした労務相談を行っており、事案のアドバイスだけでなく解決へも導いている。 著書に『正社員で働く人のための労務問題のトリセツ』(つちや書店)がある。