中学校に行けば、新しいスタートが切れるのか?
「そのうち終わるだろう」と思っていた不登校は、いつまでたっても終わらず。気づけば、息子は小学6年生になっていました。不登校の状況に気持ちが慣れたわけではありません。
けれど6年生になる頃には、「今日行けるか、行けないか」に一喜一憂する時期は過ぎ、次は卒業後をどうするかという不安が大きくなっていました。
私たちが住んでいる地域では、中学受験をする子は多くなく、多くの子が地域の公立中学校に進学します。「私立中学は校風が自由なところもあるらしい」と聞き、心が揺れました。
息子にとって、中学進学が人生を仕切り直すきっかけになるかもしれない。そんな期待を抱いたのです。
もらったプリントやドリルで自宅学習は続けていたものの、小学2年生以降、教室で勉強らしい勉強をしたことがない息子に、受験勉強ができるのだろうかという不安もありました。
それでも、進学のイメージだけでも持てたらと思い、「学校見学に行ってみない?」と声をかけてみました。けれど、息子はまったく関心を示しませんでした。新しいスタートになるかもしれないと期待していたぶん、その反応は私にこたえました。
つらいのは息子だとわかっていても、先のことを考えようとしているのが私ひとりのように感じて、苦しくなっていったのです。
「卒業式」 心からの「おめでとう」が言えない
最終的に、息子は地域の公立中学校へ進むことになりました。そして小学校に戻ることのないまま、卒業の日を迎えたのです。
卒業式当日、みんなと同じ式に出ることはできませんでした。学校からは「式典のあと、校長室で卒業式をしましょう」と配慮していただきましたが、その話を聞いたとき、私は咄嗟に「行きたくない」と思ってしまいました。
私たちのために時間を割いてくれることは、本当にありがたいこと。けれど同時に、校長室で息子がひとり卒業証書を受け取る姿を思い浮かべると、つらくてたまらなかったのです。
みんなと同じ卒業式には出られなかったこと。学校に気を遣わせてしまっていること。その現実を、あらためて突きつけられる気がしました。
ありがたい配慮だと頭ではわかっていても、その場に立つ気持ちにはなれませんでした。それでも、小学校の卒業式は一生に一度のこと。
このまま終わらせるのではなく、小学校生活の終わりを、本人なりに受け止める機会にしてほしい。そう考え、嫌がる息子をなんとか説得し、校長室での卒業式に出席しました。
心から息子の卒業を「おめでとう」と祝いたい。けれども、その言葉はついに言えませんでした。
「ちゃんと子育てができなかった」という情けなさのほうが勝っていたからです。「こんなお母さんでごめんなさい」という申し訳なさが、心の中に強く残っていたのです。

















































































