子育て家庭が「片づかない理由」と「片づけ術」を専門家が解説 我が家を居心地のいい「開運ハウス」に変えよう!

子育て家庭のスッキリ簡単お片づけ 基本の「き」 #1 「開運ハウス」とは

どんな家にしたい? 片づいた先にある「開運ハウス」とは

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「片づかない理由はわかったけれど、なかなか動き出せない」というママも多いかもしれません。

片づけをつい後回しにしてしまう要因として、ママ自体が「家族で快適に過ごせる空間とはどんなものなのか?」がわかっていないから、ということがあります。

自分の物の管理のキャパシティを把握できていないことに加えて「自分はどのような暮らしがしたいのか」「家族はどのようにしたら心地良く過ごせるのか」がわかっていない状態です。

片づけになかなか時間をかけられないママは、まずは「片づけた先の家の状態(ゴール)」を意識してみましょう。

石牟礼さんは、家族にとって居心地のいい状態の家を「開運ハウス」と呼んでいます。

「開運ハウスとは『いつでも神様をウェルカムできる家』。この神様とは『チャンス』ととらえてもいいでしょう。

チャンスは『人』が運んできてくれます。だからこそ、いつでも人が来られるようにしておくことが大切です。回ってきたチャンスを上手にいかせる家であれば、常に運のいい状態を保つことができます。

どんなに片づいていても、ただ家にいるだけでは運や良いことが勝手にやってくることはありません。人とのやりとりや、人を介した物の出入りがあるからこそ、運も動きます」(石牟礼さん)

家の中が汚いからといって友人や大切な人を招かずにいては、チャンスを逃してしまいます。いつでも人を招き入れられる状態でいれば、自分や家族にとって必要な情報や人間関係をキャッチしやすくなり、運はどんどん寄ってきます。

子どもにとっても、家の居心地が良ければ、友だちを気軽に招くことができ、そこから成長のチャンスも増えます。ママにとってもいい情報交換の場になることでしょう。

「また、日本には『八百万神(やおよろずの神)』という言葉があり、すべての物に神様が宿ると言い伝えられています。一つひとつの物が丁寧に扱われ、大切にされている空間は、神様を大切にしている居心地の良い状態を保てているのと同じです」(石牟礼さん)

つまり「開運ハウス」とは、家族の「快適」を追求しシンプルにした先の状態です。

忙しいお母さんにとっても、煩雑な家事・育児がシンプルになることで余裕が生まれ、家族にとっても、そして招き入れる人にとっても、家はその場にいるだけで心地良い場所となります。

「整った家ではママが片づけから解放され、自分の時間を好きなことに使えるようになります。そうすると、人生がどんどんいい方向に進みます」(石牟礼さん)

家を開運ハウスにすることで、チャンスを受け取れるようになってきます。 写真提供:石牟礼ともよ

「開運ハウス」と家族の関係

開運ハウスになると、そこに住む家族はどう変わっていくのでしょうか。

「片づいてきれいな部屋と、物があふれて足の踏み場もない家とでは、どちらを快適に感じるでしょうか。当然、片づいているほうが快適で身体は休まり、心も穏やかに保てます。

また、家の中が生活に合わせてスッキリ片づいていると、家族それぞれがやるべきことを認識しやすくなります。例えば、机の上に翌日の持ち物しか置いていなければ、子どもは忘れ物をしませんし、仕事に必要なものがまとめて置いてあれば、大人はすぐに出勤できます。時間的にも精神的にも身体的にも、余裕が出てくるはずです」(石牟礼さん)

さらに、家の中が片づいていれば、小さな変化や違和感にも気づきやすくなります。その結果、お互いに「わかってもらえる」という安心感で居心地が良くなり、家族の信頼関係も深まっていきます。

石牟礼さんは、次のように続けます。

「私は自分のやりたいことがたくさんあったからこそ、家事にかかる時間をできるだけ短縮して仕組み化しました。それが現在の『開運ハウス』です。

元来、私はズボラですから、やりたくないこともたくさんありました。それもあって普段のやるべきことをシンプルにし、いかに力を抜いてできるかを考えていったんです。

すると、いつの間にか自分の望んでいることに集中できるようになりました。その習慣が自分のなかでメソッドになり、それが家族にも広まっていきました」

ママ自身がズボラだと自覚しているなら、家族を巻き込んでの「開運ハウス」を作るチャンスです。

次回は、ズボラママがどこから片づけを始めていけばよいのか、具体的な片づけの方法を紹介します。

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◆石牟礼 ともよ(いしむれ ともよ)
動線片づけコンサルタント。整理収納アドバイザー1級、ライフオーガナイザー1級、福祉住環境コーディネーター3級。片づけを仕事にしてキャリア11年。お片づけ訪問・相談実績は、のべ750軒以上。ヤングケアラーだった幼少期の経験、重度の埃アレルギーを持つ旦那さん、極度の遠視を持つ娘さんとの暮らしを通して、効率の良い家事テクニックを培う。生活スタイルに合わせて物を配置する「動線片づけ」は、家事や育児に忙しいお母さんたちに好評。また、よりシンプルに暮らすことをモットーにした家は、物事がはかどりやすく「開運ハウス」と呼ばれている。

取材・文/星野美香

【子育て家庭のスッキリ簡単お片づけ 基本の「き」】の連載は、全3回。
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