子育て家庭が「片づかない理由」と「片づけ術」を専門家が解説 我が家を居心地のいい「開運ハウス」に変えよう!
子育て家庭のスッキリ簡単お片づけ 基本の「き」 #1 「開運ハウス」とは
2024.06.12
子育て中のママはやることがいっぱい。子どもが一人、二人と増えると「部屋を片づける時間も、心の余裕もなくなってきている」と感じることがあるでしょう。
想像以上に物も増え、自分の意志とは無関係に散らかります。「早く片づけなくてはいけない」「増えすぎた物を減らさなくてはならない」とわかっていてもおっくうになり、物が散乱した部屋でイライラが募ってしまうこともあるはずです。
どうしてこんなふうに物が散らかってしまうのか、どうしたら片づくようになるのか……。そんな子育てママの解決できないお悩みを動線片づけコンサルタント・石牟礼ともよさんにうかがいます(全3回の1回目)。
◆石牟礼 ともよ(いしむれ ともよ)
動線片づけコンサルタント。整理収納アドバイザー1級、ライフオーガナイザー1級、福祉住環境コーディネーター3級。片づけを仕事にしてキャリア11年。お片づけ訪問・相談実績は、のべ750軒以上。ヤングケアラーだった幼少期の経験、重度の埃アレルギーを持つ旦那さん、極度の遠視を持つ娘さんとの暮らしを通して、効率の良い家事テクニックを培う。生活スタイルに合わせて物を配置する「動線片づけ」は、家事や育児に忙しいお母さんたちに好評。また、よりシンプルに暮らすことをモットーにした家は、物事がはかどりやすく「開運ハウス」と呼ばれている。
【子育て家庭のスッキリ簡単お片づけ 基本の「き」】の連載は、全3回。
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育児中は片づかない!? その理由とは
ママは毎日家事や育児で忙しく、リビングは散らかっていく一方……。そんな状況から抜け出せないとき、時間だけでなく、心の余裕もなくなってくるでしょう。
これまで普通に片づけられていた方でも、子どもが生まれると途端に片づけが難しくなってきます。その理由について、石牟礼さんは次のように話します。
「『片づかない』『子どもの物が減らせない』理由として、大人側が子どもと自分の『時間感覚』を同じだと考えてしまうことが挙げられます。
子どもは身体だけでなく、心も日々成長し、興味やできることもどんどん変わっていきます。大人が考えている以上に変化のスピードは速いものです。
ところが大人の感覚だけに頼って子ども用品を片づけようとすると、『もったいないから』『まだ使えるから』『また使うかもしれないから』と溜め込んでしまいます。
そうなると、物が増え続けて片づかなくなります」(石牟礼さん)
世の中に物があふれていることもあり、現在のママたちは、子どもの成長に合わせて、おもちゃや洋服、便利な物などを必要以上に買い与えてしまう傾向にもあります。
さらに拍車をかけているのが、子どもの作品や思い出に関する物です。成長記録を残そうと、我が子の作品をできるだけ取っておきたい気持ちはわかります。しかし、見境なく溜め込んでいくと、量は増え続けて、ただ片づかない原因になってしまうのです。
「ママに必要なことは、子どもの成長スピードに合わせて物を処分し、家の中をアップデートしていくことなんです」(石牟礼さん)
まずは自分の「キャパシティ」を知ろう!
子どもが生まれてから片づけられなくなった方だけでなく「もともと、片づけが苦手」というママもいるでしょう。
そもそも片づける習慣がないのに、ママになったからといって急にできるようにはなりません。
「まずは家の中をシンプルにすることをオススメしています。そのためには『自分のキャパシティ』を知っておくことが重要です。
ここでいうキャパシティとは『どのくらいの物を管理できるのか』という意味です。自分のキャパシティを把握したら、それ以上、物を増やさないと決意することがカギになります」(石牟礼さん)
片づけの苦手なママは、便利な物が発売されると飛びついてしまいます。特に、気軽に買えて便利そうな商品がビッシリ並んでいる100円均一などのお店は、要注意!
つい買いたくなってしまうけれど、実はとても危険です。物の価値は、自分が購入したものを「使いこなせるかどうか」によって決まります。使いこなせないものがいくらあっても、それはゴミ同然です。言い換えれば、お金を払ってゴミを買っている状態です。
なかでも子ども用品は使用期間が短いことが多く、「楽になりそう」と思って購入しても、使わないまま子どもが成長してしまうこともよくあります。
「購入するのは簡単ですが、実は管理のほうが大変です。さらにいうと『捨てる』にはもっと手間がかかります。ゴミ収集の日程が決まっていたり、場合によっては処分にお金がかかったりと、忙しいママにとっては負担が大きいのです。
物を増やすときは『捨てること』を前提に考えましょう。そうすることで、むやみに物が増えない状態になり、徐々に必要・不必要を判断する基準が身についていきます」(石牟礼さん)