前回のコクリコラボでは、子どもにインターネットを利用した端末を使わせているママの実態を調査しました。それによると、小さな子どもを持つママの多くが、タブレット端末やスマホなどをオンラインで使わせている実態がわかりました。
ママたちの子ども時代には存在しなかった、タブレット端末や動画アプリ、オンラインゲーム。自分にも経験がないだけに、子どもにどう使わせていけばいいか迷うというママも多いのではないでしょうか。
今回の記事では日々試行錯誤している先輩ママの知恵をご紹介。子どもがインターネットを利用した端末を使うにあたってうまくいっているルールやおすすめの管理ツールなどを聞いてきました。
コクリコラボアンケート「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に2023年10月5日~10月19日インターネット上で実施。有効回答数は117件。
※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。(明らかな誤字等は修正のうえ記載)
コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。
ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。
見ていい動画、使ってOKなアプリは?
インターネット上には玉石混淆あらゆる情報があふれています。何の対策もしないまま、インターネットを利用した端末を子どもに渡してしまえば、すぐにネット上のよくない情報に触れてしまったり、セキュリティ上のトラブルや金銭的なトラブルに巻き込まれたりしてしまうでしょう。
こちらのグラフは、子どもが見てもいい動画や使ってもいいアプリの線引きを、ママがどのようにおこなっているのかをまとめたものです。結果は「親が許可した動画やアプリならOK」がもっとも多いという結果でした。
ただすべての動画やアプリをチェックするのは至難の業です。筆者の周りで動画アプリを利用してるママからも「許可した動画がいつの間にか終わっていて、許可していない動画が自動再生されている。ひどい言葉などが隣の部屋から聞こえてきて、ようやく許可していない動画であることに気づいた」というような話を聞きます。
このようなことを防ぐために有効なのが、インターネット利用端末で使える管理ツールです。先輩ママに実際に使って便利だと感じた管理ツールを聞いてみました。
・Amazonのタブレットを使っています。時間制限をかけることができるので、強制的にアプリの使用時間を守ることができます。
・Amazonタブレットの時間制限。平日は15分。休日は60分で設定。時間がくると画面がフリーズするので、「タブレットちゃん、おやすみしたね~」というと、すんなり終わってくれる。
AmazonのFireタブレットの利用時間制限が好評でした。「タブレットちゃん、おやすみしたね~」と言っている光景を想像して、ほんわかしてしまいました。
・指定時刻にだいたいのアプリは使えなくなる設定。
Fireタブレットもそうですが、端末自体が時間になると使えなくなるようにするのは、やはり強制力がありますね。子どもが小さいうち、できれば端末を利用するようになると同時にそのような設定にしておけば「そういうものだ」と受け入れてくれるような気がします。
・iPhoneの場合ファミリー設定をすれば「スクリーンタイム」で親が管理できるのでそこで管理してます。
Apple社製品では「スクリーンタイム」を利用することで、親の端末を通して、利用時間レポートが見られたり、子ども用端末でできることを制限したりすることができるそうです。
・ファミリーリンクで管理している。履歴確認や新しいアプリを入れるときに親に確認がきます。
「スクリーンタイム」と同じ機能が、Androidでも「Digital Wellbeing(デジタル ウェルビーイング)」という名称で出ており、そのなかに「ファミリーリンク」があります。親の端末から、子どもの端末の利用状況を管理できるのが嬉しいですね。
・Switchだとみまもり機能などがあるので、それを活用している。
Nintendo Switchのみまもり機能では、ゲームのプレイ時間の管理だけでなく、プレイできるゲームのレーティング(年齢別の制限レベル)や外部とのコミュニケーションの制限なども設定することができるそうです。
・あんしんフィルターを使っている。
「あんしんフィルター」とはいわゆるフィルタリングサービスと呼ばれるもの。青少年を違法・有害情報との接触から守り、安全にインターネットを利用するため、各携帯電話事業者が法律で提供を義務付けられています。保護者には義務はありませんが、最低限入れておいたほうがいいかもしれません。
・タブレットはYouTubeをYouTube Kidsにしたり、パスワードを設定したり課金できないよう設定しています。
・クレジットですぐ課金できないようにしている。
・親のアカウントはパスワードをかけて、子どもはキッズモードで制限付きアカウントにしています。
ママやパパが使っているスマホやタブレットを使わせる場合、簡単にクレジット決済できてしまったり、大人と同じ情報にアクセスできてしまったりします。課金できない設定にしたり、アカウントを大人と子どもで分けたりという方法はとてもよいですね。
筆者の家でも古いスマホを使わせることがありますが、クレジット情報が自動入力される設定であることに気づきました。おさがりスマホでは、意外と盲点かもしれず、気を付けなければと反省しました。
・YouTubeを見せていたときは、訳のわからない海外の動画などを次から次へと自分で選んでみていた。よくないなと思って、Netflix(ネットフリックス)を契約して、それだけを見せるようにした。本数もかなりあり、キッズのものはきちんとしたものしかないので、満足しています。
無料の動画アプリは手軽に見られる一方、コンテンツの質にはばらつきがあるもの。ネットフリックスの契約にはお金はかかりますが、有料コンテンツである分、安心して見せられる質のものが集まるのかもしれません。
歯止めが利かなくなる前に! 家庭内ルールをご紹介
次から次におすすめが再生される動画、レベルアップしたり展開があったりするゲーム。大人でも自分の意思だけで使用時間をコントロールするのは難しく、子どもであればなおさらです。
ほかの家庭ではインターネット利用端末について、どのような家庭内ルールを設けているのでしょうか。うまく運用できている利用ルールについて先輩ママに聞いてみました。
・タイマーをかけ、時間を決めて使用させています。
・目視できるタイマーで15分と決めている、主導権は親。
・タブレットを使用するときはアレクサで30分タイマーをしてから始めるということにしています。
意外と多かったのが「タイマー」の利用。前章の管理ツールでは、決めた時間に勝手にシャットダウンするというものもありましたが、ある程度子どもが大きくなったら、自分で時間を見ながら使うということも覚えなければなりません。
・「何分みたら、何分休憩」と定期的に休憩時間を設けている。できたらごほうびシールをあげて、できなかったら、たまったシールを1個没収するというルール。
・宿題などやることをやったら見てもいい、というルール。
・何かをしたらごほうびとして。
「ごほうび作戦」も有効なようです。一方でなかにはこんな葛藤を抱えるママも……。
・一番いけないやり方かもしれませんが、うまくできているルールは「交換条件」を用意する方法です。動画を1時間以上見てしまったときは、1週間ゲームやタブレットも禁止などです。本当はできたときに褒めるための交換条件がいいと思うのですが、結局こういったもので縛ってしまいます。
ごほうび作戦だけではうまく運用できない現実、よくわかります。でもこの飴と鞭によって日常生活がうまくいっているご家庭は多いようです。
・宿題ややることをやって規則正しい生活ができたら動画やゲームをしていい。
・YouTubeなどの動画を見たがるときは、見る前にワークなどの勉強をする決まりを作っている。
・我が家のルールは、宿題や習い事の勉強、片付け等各6項目を全てやり終えたときにしかゲームはさせない! と決めているので、比較的、短い時間しかゲームをしていない気がします。
それだけ魅力がある動画やゲーム。完全解禁にするよりも、「ごほうび」的な存在にしておくほうがママとしては助かるのかもしれませんね。
・動画はTVで見ること。スマホ(親のおさがりなので家のWi‐Fi下のみ利用可能)はリビング利用のみ。
・インターネットを利用するときはテレビで見ているので何を見ているのかは把握しています。
大人の目のあるところで使うというルールも多かったです。真横でべったり見守るわけにはいかないため、同じ空間で使っていたりテレビに映したりすることで、ママも他のことをしながらなんとなく把握できるというのがうまくいく秘訣なのだと感じました。
・時間と兄弟で交代制はルールを徹底している。
・動画は1人30分以内だが、2人姉妹なので協力して60分楽しんでいる。
きょうだいがいると揉めるんですよね……。姉妹で協力して時間を倍にして楽しんでいるというのは微笑ましく、思わずほっこりしてしまいました。
ツールとルールを参考に うまく端末と付き合おう
今回はあえて「うまく運用できているルール」だけを取りあげてみました。もちろんすべての家庭にうまくはまるとは限りませんし、先輩ママもたくさんの失敗を経てこのルールに落ち着いているのでしょう。
最初はうまくいかなかったとしても、それぞれの家庭の方針やお子さんの様子、年齢に合わせて、ツールやルールを試しているうちに、インターネット利用端末とのいい付き合い方が見つかるのだと思います。いずれにしても、持続可能でママの負担が少ない方法をとれるといいですね。
コクリコラボ
コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。 ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。 (Any MaMaについてはこちら:anymama.jp Twitter: @AnyMaMaJP )
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