30歳ママ・第2子出産後に「英語を学び直し」で通訳者・翻訳家に 「とっておき語学勉強法」を大公開

【教材紹介付き】第2子出産後にママが英語を再勉強 子どもの英語力&自分のキャリアもアップ!

子どもの英語教育を前にして、親である自分こそ「英語力をつけたい」と思っている方は多いもの。画像は、神本さんが英語を再勉強していたときの数年分の記録。 画像提供:神本亜紀
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子どもが英語の歌や本に触れている姿を見て、「我が子の教育のためにも、親である自分こそ英語力をつけなきゃ!」と思ったり、「私ももう一度、英語にチャレンジしたい!」と思った方はいるはずです。

とはいえ、子育てをしながら再勉強となると急にハードルが高く感じられることも……。スタートする前から怖気づいてしまうこともあるでしょう。

語学の習得は、確かに一朝一夕とはいきませんが、それでも効率的に勉強するコツはあります。

学生時代、英語が嫌いなばかりでなく、かなりの英語音痴だったという神本亜紀(かんもと あき)さんは、第2子出産後の30歳から英語を学び直し、現在は通訳者・翻訳家として活躍しているママ。

2人の子どもを育てながら英語を習得し、子どもの英語力アップにもつながった勉強法を一挙紹介します。

英語習得の秘けつは「精読」「リスニング」、そして「勉強するタイミング」を逃さない!

“Thank you”に“Are you welcome?”と疑問形で返すほど英語が苦手で、高校時代は理数系のクラスに在籍し、英語と縁遠い学生生活を送っていたという神本亜紀さん。

現在は、通訳者・翻訳家として活躍している神本さんですが、高校当時は受験に必要な最低限の英語しか勉強しておらず、彼女にとってそれはパズルみたいなものだったそう。“she”や“he”がきたら、次の動詞には三単現の“s”をつけるといったように、形や理論として覚えていたにすぎない教科でした。

それなのに、英語とは距離を置けるはずの大学入学後、こともあろうか「英語の先生ってカッコいいかも!」「単位が取りやすい」という不純な動機で、神本さんは英語の教員免許を取得してしまいます。

自分の英語力を過信した末に人生初めて受験したTOEICでは、990点中、正解率半分以下の405点という結果に終わり、後輩からもバカにされるという苦い経験もします。

あとからわかったことだけど、英検2級取得時の勉強法がかなりイケてた

結局、相変わらずの英語音痴だった彼女の英語感が変わったのは、結婚後。東京で就職活動をするにあたって、資格として英検2級を取ったことに始まります。

のちに「本気の英語学習のベース」になったという勉強法は……、

①    精読(英文読解)
②    リスニング

の積み重ねです。NHKラジオ英会話のテキストに出てくる言葉や文法を徹底的に調べ、音声も聞いて、とにかくそのまま覚えるという学生時代の学習法でした。

そして第2子出産後の30歳、神本さんの英語学習は精読とリスニングを武器に加速します。英語習得を後押しする3つの出来事が一気に押し寄せ、その流れに乗ったこともきっかけとなりました。

英語を勉強するチャンスが巡ってきたら迷わず乗るべき!

勉強するタイミングを外さなかった彼女にもたらされたのは、英語を駆使する現在の職業と子どもたちの抜きん出た英語力です。

2人の子どもは英語塾に通ったことがないにもかかわらず、自然と英語に親しみ、かつママの語学学習サポートにより長女は11歳でカナダに留学。小学校高学年で英検準2級に合格します。

神本さんの例は、母親が英語を学び直しすると、子どもも英語に興味を持っておもしろがって学習し始める好例です。

親子で切磋琢磨しながら英語力がアップしていくというメリットもあるので、ママの再チャレンジは子どもの育ちに大きな意味を持つといえるでしょう。

大人の英語勉強法 何を使って勉強するのが一番いいの? 逆にやっちゃダメなこととは?

神本亜紀さん曰く、大人が英語を効率的に学ぶ秘けつは、次の2つの積み重ねです。

①    精読(英文読解)
②    リスニング

ただし、これらをバランスよく学んでいかなければ、結局は中途半端な勉強になりかねません。精読で単語や文法、構造を理解して自分のリズムで読めたとしても、リスニングのリズムについていけなければ、耳で聞いた英語はいつまでたっても、たまに単語が聞こえてくる程度の状態です。

TOEICでいうなら満点の990点中、頑張っても700点台が限界です。

英語勉強の近道に! リスニング力を劇的に上げるのは「音読」

たまに単語が聞こえてくる程度のリスニング力を上げるには、「音読」が一番。神本さんは、精読したテキストをがっつりと見ながら、耳で聞いた音声とまったく同じように英語を声に出してみたところ、あっという間にTOEICの点数は900点超えを記録しました。

神本流 大人の英語勉強法ポイント3

(1)    音声付きの教材を準備すること
(2)    勉強は精読→リスニングの順が正解
(3)    リスニングは家事とセットにするのがいい 

特に(3)に関しては、育児と勉強を両立させる最大のコツです。例えば食器洗いは、その場から動くことがないのでほかの家事よりも深くリスニング(音読)勉強ができます。

また、英語の勉強では「多聴」といってたくさんの音声を聞くステップもあります。さまざまな家事と多聴を同時並行することで、耳に英語を馴染ませることができるのです。

英語の学び直し 一番の失敗の原因って何?

英語の学び直しでやってはダメなことは、いきなり大きなお金を使うこと。教材も教室も向き不向きがあるので、自分の勉強スタイルを見極めてから選ぶのが賢明です。

そのため、最初はネットや書店で購入できる教材や、無料のサービスを使うのも手。神本さんは子どもの英語教材のいくつかはリサイクルショップで手に入れていますから、スモールスタートを心がけるといいでしょう。

英語の勉強は後ろめたいことではありません

英語に限らず、子育てしながら学び直しする際は、勉強中は自分のことで家族を犠牲にしていると思って後ろめたい気持ちにならないことも大事。もし子どもが甘えてきたら、すべての作業を止めて全力で対応すれば大丈夫です。

安心が得られた子どもは、自然と視野が広がり、目の前で母親が勉強に打ち込んでいる姿に気づいて、それを見習おうとする意識が自然と育っていくはずです。

【教材紹介付き】英語の学び直しで挫折しないコツは、振り返りと勉強仲間の存在

語学の勉強は時間がかかります。神本さんの場合も、30歳で英語を学び直しし始めてからTOEICで満点を取るまでには、少なからず時間を費やしています。

神本さんが英語を学び直してから現在までの道のり

30歳 自分の英語学習、サークル活動で子ども向けの英語育児を開始
35歳 英検1級に合格。高校講座の赤ペン先生にもなる
36歳 英会話学校で英検コースの講師を始める
39歳 米軍基地に勤務し、社内通翻訳者になる
43歳 TOEIC 990点(満点)に到達
43+α歳 いまだに毎日、英語を勉強中

毎日の勉強量を把握すると、学び直しは成功する

子育てをしながら英語を勉強するとなると、どこかで心が挫けそうになるものです。しかし神本さんは、「一日の終わりに自分がどれだけ勉強をしたかを記録すること」で、挫折を回避しました。

記録のコツは、簡単なメモでも構わないので「L/S(リスニング/スピーキング)」と「R/W(リーディング/ライティング)」に分けて記録すること。これであれば、その日に勉強した全体量をしっかりと把握しつつ、音声学習量と文字学習量のバランスもとることが可能になります。

大人の英語勉強にとって自分を客観視する機会は、「これだけやれた」という満足感と「明日も頑張ろう」という励みを生むのです。

また、勉強仲間をつくると学習に弾みがつくだけでなく、一緒に伸びていこうという意識が働いて、挫折とは無縁の状態に自分を持っていけます。

無料の教材も! さっそく英語勉強をスタート

実際に勉強する際は、現在の理解度よりもちょっと上の教材を使うことが肝心です。

★初級者向け
BBC Learning English
イギリスのBBCが提供する英語学習教材でアプリもあり。無料で利用できるのも魅力ですが、ビジネス向けから日常会話、文法、発音など、コースやジャンルがあるのもメリット。スクリプトの表示も役立ちます。

中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版
この一冊で中学英語が総復習ができます。音声も付いているので、音読学習も可能です。

★中級以上向け
TED Talks
さまざまな分野で活躍する人の講演が無料で配信されているサービス。スティーブ・ジョブズ氏の講演なども公開されており、字幕の設定を英語にすればスクリプトも確認できます。

NHKラジオ英会話
NHKラジオの英語番組はさまざまなレベルがあり、自分のレベルに合った勉強ができます。上級者には「ラジオビジネス英語」がおすすめ。テキストが手に入りやすく、教養の高い英語が学べます。

英語をモノにしたいなら、テストも活用!

さらに実力をつけたい場合は、英検やTOEICなどのテストを受けるのもおすすめ。試験対策の教材はほとんどがスクリプトも音声もついているので、レベルアップにはもってこいの学習素材です。

英語は毎日、少しずつでも取り組めばそれだけ実力に。勉強した分は裏切りませんから、やった量だけ英語力として積み上がっていきます。

また、ママが英語を勉強している姿を横目に見て、子どもも英語に興味を持つはずです。お互いに学ぶ意欲が高まっていくと、親子ともども英語を自在に操る未来が近づいてくるでしょう。

文/梶原知恵

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かじわら ちえ

梶原 知恵

KAJIWARA CHIE
企画・編集・ライター

大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。

大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。