【子どもを算数嫌いにしない】 算数力を上げる親の「教え方」のテクニック 〔元小学校教諭の教育評論家〕が伝授

子どもがすっきりわかる「算数」の解き方・教え方 #1

教育評論家:親野 智可等

単に解き方を教えるだけでは子どもは大混乱!

小学生、特に3年生ぐらいまでの子どもの算数は、大人から見たら簡単です。しかし、簡単だからといって、親御さんが子どもの視点を無視して解き方を教えると、我が子はさらに算数が苦手になります。

「親御さんが子どもに算数を教えるときは、子どもが取り組んでいる手元の問題を見る前に、どの学年でも算数の教科書やノートなどをまずは確認してください

教科書がどのような教え方をしているか、先生がどのような方法や言葉を使って教えているか、我が子の理解度はどうかなどをまずは把握しましょう。

基本的に、学校とは違う教え方をしていいのは、算数が得意な子に対してです。苦手な子の場合は、学校と違う教え方をすると混乱する可能性があります」(親野先生)

親が教科書やノートなどを見るポイントは、たとえば12+9の筆算の場合、繰り上がりの数をどこに書いているのかなどです。算数が苦手な子なら、繰り上がりの数を書く場所も教科書やノートと同じにしてあげたほうが理解しやすいでしょう。

実際の算数のプリント。繰り上がりの数字は例にならい、子どもも十の位の一番上(赤丸の部分)に書いています。算数の苦手な子は、親があちこちに繰り上がりの数字を書いてしまうと、数字を見失う可能性があります。  写真提供:コクリコ読者
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教科書に2つの解き方が書いてある場合の対処法

「子どもに算数を教えようと教科書を確認すると、問題に対して解き方が複数書いてある場合があります。

たとえば、繰り下がりのひき算には、『減加法』と『減減法』の2つのやり方があり、教科書によっては2つ解説されているものがあります。

■減加法の13-8=5の計算プロセス
1. 13を10と3に分ける
2. 10から8をひく(10-8=2)
3. 3と2をたす(3+2=5)

■減減法の13-8=5の計算プロセス
1. 8を3と5に分ける
2. 13から3をひく(13-3=10)
3. 10から5をひく(10-5=5)

もし、子どもが学校で『減加法』と『減減法』の両方を習っている場合で、ひき算が苦手なら、まずは1つのやり方で習熟させましょう

『減加法』のほうがわかりやすいので、こちらを覚えることをおすすめしますが、子どもが『減減法』のほうがわかりやすいなら、そちらを優先させても大丈夫です。

いずれにしても、子どもが一番覚えやすい方法で徹底的に習熟させることが大切です」(親野先生)

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