「頭がいいから中学受験する」はもう古い! 「勉強が苦手な子」こそ輝く場所がある“新しい中受”とは

『中受 12歳の交差点』工藤純子×國學院大學久我山中学高等学校副校長 スペシャル対談 後編

ライター:山口 真央

國學院大學久我山中学高等学校の副校長、髙橋秀明先生(左)と、児童作家の工藤純子さん(右)。
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中学受験は、受験者数の増加や入試の種類の多様化により、かつてとはまったく違う様相を見せています。

令和の時代、何のために中学受験をするのか──。その問いに挑んだのが、『中受 12歳の交差点』を描いた児童文学作家の工藤純子さんです。

工藤さんの母校、國學院大學久我山中学高等学校は、東京都杉並区にある中学受験を実施している私立学校の1つ。

この記事では、國學院大學久我山中学高等学校の副校長、髙橋秀明先生と、工藤純子さんが対談し、変わりゆく中学受験の“いま”を、深掘りします。

後編では、学校選びで気をつけることや、中学受験は特性のある子どもにも向いていること、さらに『中受 12歳の交差点』の魅力について、お話しします。

学校選びは子どもが「好き」になれるかどうか

工藤:髙橋先生は、いままでたくさんの生徒たちを教えてきたと思いますが、子どもに合った学校を選ぶためには、どんな点に気をつけるべきだと思われますか。

髙橋:一言で「合う」といっても、友達、先生、校風、クラブ活動など、いろいろな要素がありますよね。

しかし入学する前から合う、合わないの判断をするのは、正直難しいものがあります。

そこで子どもたちには、説明会や学園祭で学校を訪れたときに、その学校に入ったあとの自分を想像して、自分のことが好きになれるかどうかを考えてもらいたいです。

たとえば、クラブ活動をがんばっている自分、制服を着て友達と笑い合ってる自分、文化祭を盛り上げている自分など、イメージを膨らませてみてください。

工藤さんの『中受 12歳の交差点』にも「居場所」という言葉がでてきますが、自分のことが好きになれたら、その場所が自然と子どもたちの居場所になるはずです。

「中学受験」は頭のいい子だけのものではない

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