東海初の【学びの多様化学校】岐阜市立草潤中学校〔徹底ルポ〕 「学校が生徒に合わせればいい」驚きの取り組みとは?

不登校の子の新たな学びの選択肢「学びの多様化学校」 #2

学校の“当たり前”に苦しんでいる子どもたちがいた

──石榑(いしぐれ)千恵先生は、「岐阜市立草潤中学校」の校長を2025年度から務められています。開校準備を進める段階で、「学校らしくない学校」をコンセプトに掲げたとお聞きしました。そこにはどのような経緯があったのでしょうか。

石榑(いしぐれ)千恵先生(以下、石榑先生):開校準備は、岐阜市教育委員会を中心に、京都大学の塩瀬隆之先生はじめ、小児科の先生、フリースクール関係者、自立支援教室や通信高校の先生など、多くの方に議論に加わっていただき進めていきました。

25年度より校長を務める石榑千恵先生。生徒一人ひとりの「今できていること」や「強み」に目を向けることを大切にしている。  写真提供:草潤中学校
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石榑先生:その中で、不登校経験があるお子さんや、保護者の方にもお話をお聞きしたのですが、学校に行かなくなった理由、行けなくなった理由は本当にさまざまでした。

友人関係や、家庭環境など、個別に対応しなくてはいけない課題がある一方、「毎日登校しなくてはいけないのがつらかった」「自分のペースで学習できなかった」「担任の先生と合わなかった」「何をするにも全員一緒が苦痛だった」「気持ちを落ち着ける場所がなかった」など、今までの学校の“当たり前”を変えることで改善できることもたくさんあることがわかったんです。

子どもが学校に合わせるのではなく、学校が子どもに合わせればいい

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