〈I am your fan.〉ちゃんとした発音で言える?【学校でも塾でも習わない ワザあり英語】

「英語でなんて言うの?」 知ってて差がつく“通訳者ママ”の「最新」英語表現 【連載】第28回 (2/2) 1ページ目に戻る

通訳者・翻訳家:神本 亜紀

fun(楽しい)=/fʌn/
fan(扇風機、熱狂的な支持者)=/fæn/

カタカナではどちらも「ファン」になりますが、前者のfun=/fʌn/は日本語で普通に発音するアに近い音で、軽く短く歯切れ良く「ファン」、後者のfan=/fæn/はアとエの中間のような音で、「フェァーン」のように少し潰れた、長めの発音になります。

海外アーティストの推し活などで「私はあなたのファンです!」と言いたい場合は〈I am your fan.〉となるわけですが、このときのfanは「フェァーン」と、少し潰して長めに言うと正しく伝わるでしょう。

このほかにも、日本人には間違えやすく言いづらい英語があります。

日本人には間違えやすく言いづらい言葉

① 
flush(トイレの水を流す)とflash(ストロボ)
flushは何かが流れるイメージがある言葉で、日本語で普通に発音する「フラッシュ」に近い音です。flashは、「フラェァッシュ」と少し潰した長めの発音になります。

② earth(地球)とass(お尻のスラング)
earthの「アー」は、口を軽く開けて、舌を奥に丸めた状態のまま、喉から「こもったアー」の音を出します。「ス」は、舌を出して歯の間に軽く挟んで舌を引きながら「ス」と言います。一方、assの「ア」は、エに近いアの音で、思ったよりも長く発音します。「ス」は、歯の隙間から空気を出して「スー」というクリアな摩擦音を作り、それを短めに発音します。

③ sheet(敷布)とseat(座席)とshit(大便)
sheetは「シャ・シィ・シュ・シェ・ショ」と言ったときのシィをそのまま伸ばして「シィート」、seatの「シ」は歯の隙間から空気を出して「スィート」のような発音です。shitはsheetと同じ発音で、短く「シィット」と言うのが近い音です。

assはお尻のほかに「バカ」という意味もあり、子ども向け番組などでは使われない下品な言葉に分類されています。日本人がearthをカタカナ発音で言うと、assに聞こえて品がないと思われることもあるので、発音は特に気をつけるといいでしょう。

また、shitは「くそっ!」と悔しいときなどに使われ、映画などでもよく耳にする言葉です。しかしこちらも、汚い言葉に分類されるので人前では避けたい表現です。

英語には日本語にはない音があるほか、日本語的に言うとネイティブに意味を取り違えられる可能性もあります。日本人には言いづらい言葉があることを覚えておくだけでも、発音を注意するきっかけになるでしょう。

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rentとlendの違い

rentとlendは、どちらも何かを「貸す」場合に使われる英語です。ただし、ふたつの言葉の間には決定的な違いがあります。

rentとlendの違い

・rent→有料で何かを貸し借りする場合に使う単語
〈I rented a car for the weekend.(私は週末に車を借りました)〉
〈The company rents cars to travelers.(その会社は旅行者に車を貸しています)〉

・lend→基本的にものなどを無料で貸す場合に使う単語
〈The library lends books to students.(その図書館は学生に本を貸しています)〉

つまり、車や家などを有料で貸し借りするときはrentが使われ、本や道具などを無償で貸す場合はlendが使われます。

ドラマや映画などで、〈For rent(入居者募集)〉という看板が物語の中に登場することがありますが、賃貸物件なのでrentという言葉が使われます。

英語を深めるきっかけは日常に転がっているので、気になった言葉は詳しく調べてみるといいでしょう。

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かつては“英語音痴”……第2子出産後の30歳から英語を学び直し、今は通訳者・翻訳家として活躍する神本亜紀(かんもと あき)さんの「英語勉強法」を解説した記事は⬇︎下のバナーからどうぞ!

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かんもと あき

神本 亜紀

通訳者・翻訳家

大学で心理学を専攻しカウンセラーを志すも、学生時代に夫と出会い、卒業後に結婚・出産。英語は大嫌いだったものの、子育て中に出会った英語教育に熱心なママ友や、勤め先からの勧め、我が子の英語教育を前にして親もある程度の英語力がないとダメだと自覚したことで、2人目の子どもを出産後、30歳から英語を真剣に学び直しし始める。 現在は社内通翻訳として勤務するかたわら、フリーランス通訳として各種国際イベントなどで活躍。英検1級までは約5年、TOEIC990点(満点)は約13年かけて到達。英語はいまでも毎日、アップデート中。 ・note(ブログ) https://note.com/englishpuppy/

大学で心理学を専攻しカウンセラーを志すも、学生時代に夫と出会い、卒業後に結婚・出産。英語は大嫌いだったものの、子育て中に出会った英語教育に熱心なママ友や、勤め先からの勧め、我が子の英語教育を前にして親もある程度の英語力がないとダメだと自覚したことで、2人目の子どもを出産後、30歳から英語を真剣に学び直しし始める。 現在は社内通翻訳として勤務するかたわら、フリーランス通訳として各種国際イベントなどで活躍。英検1級までは約5年、TOEIC990点(満点)は約13年かけて到達。英語はいまでも毎日、アップデート中。 ・note(ブログ) https://note.com/englishpuppy/